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猫と旅する漂流者  作者: 與吉
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子猫保護したら草原でした。

「なんでこんなことになったのかな・・・」


何故か草原の真ん中で佇んでいた。

手にはさっきコンビニで買った猫缶と夜食の缶詰とビールと水のペットボトルが入った袋を持ち

背負ったリュックでは子猫が「にゃー」と声を上げていた。


「猫を拾ってリュックに入れてコンビニで買い物をして・・・」


俺はこれまでの行動を確認しながら草原に腰を下ろし

子猫を撫でようとリュックから取り出すと・・・


「あれ?猫かな??」


リュックから頭を出している子猫は暗がりで気が付かなかったが

毛色が青っぽく背中に小さな羽根が生えていた・・・。

子猫は「にゃー」と声を上げながらリュックを抜けだし

たったったと俺の膝に頭を擦り付けてきた。


「猫なのかな・・・とりあえず、可愛いから良しだな」


俺はニコニコしながら子猫を抱きしめ撫で撫でしていく

それにしても実家では猫を飼っていたが一人暮らしをしてからは

猫に触るのも久しぶりだったが・・・。


「やっぱり俺は猫派なんだな・・・」

「にゃーにゃー」


子猫は嬉しそうに腕の中で甘えている。

草原の真ん中で子猫を撫でている・・・。


「うむ、現実逃避していても何も変わらないか・・・これからどうしよう」

「にゃー?」

「お前はここがどこかわかるか?」

「にゅ?」

「近所にこんな場所があるとは思えないし、何より時間が逆転している・・・」


夢にしてはリアリティーありすぎだし

子猫を撫でまくって平静を装っているけど

あまり考えたくは無いが築かないうちに転移してのか?

それにさっきから視界に半透明のメニューががある・・・

メニューには『ステータス』・『アイテム』・『魔法』・『スキル』・『MAP』の5つがある。

アイテムのアイコンを指さすと空欄になっており

試しに猫缶と缶詰とビールをアイテムに・・・

どうすればいいんだろ?


「アイテムに保管するには・・・保管するには・・・」


すると袋の中身が「ふっ」と消える。

俺はアイテムの中身を確認すると猫缶4個と缶詰4個とビール2本があった。

言葉に出すとアイテムに保管できる?それなら取り出すのも同じかな?


「ビール・・ビール・・・来い!」


すると手の中にビールが1本現れる。

少しだけ手品師になった気持ちになったが

荷物を持ち運ぶ事が可能になったから良しとしよう。

他のアイコンも気になるけど現在位置を知るにはMAPかな?

俺はMAPのアイコンを指さしてみる。

すると目の前に半透明の地図が表示された・・・。


「MAPは現在地か・・・見事に周囲に何も無いな・・・」


表示されたMAPには中央に自分達が小さいマーカーで表示されていた。

周囲には赤いマーカーが確認されたが

赤いマーカーが何かであるかは知る事は出来なかった。


「中央のアイコンが自分達であるなら・・・赤いアイコンは外敵か??」


それなら赤いマーカーを避けながら移動すれば安全なのか・・・

MAPを触りながら拡大や縮小が出来ないか色々試してみると

MAPを1/4まで縮小する事が可能である事を知り

現在地から集落と思われる場所までの道を知る事が出来た。

何より草原の真ん中で夜を明かすのはイヤだし

時間は腕時計があるので知る事が出来る・・・

もっとも時計の時間が正確とは限らないが・・・

俺は背中のリュックの中身をアイテムに移し

移動前に子猫に水を飲ませてからリュックを背負い

子猫を抱っこしながらMAPを見つつ移動を開始する。


最初こそ俺の腕の中で眠っていた子猫は

時間が経つにつれ肩に乗り・・・今は俺の頭の上で一眠りしている。


俺は歩きながら『ステータス』を指さし

自分の現在の実力を知る・・・

そこにはLv1と表示され各ステータスが平均8で記されていた。

その中にスキルポイントが10ポイントあり点滅していた。

次に『魔法』を指さすと空白になっていた。

『スキル』も同じく空白になっていた。


「今のところ気になるのはスキルポイント10か・・・点滅しているから使えと言う事なのかな?」


試しにスキルポイントを指さしてみると

『ポイントを消費して魔法・スキルを修得します。どれを修得しますか?』

修得可能な魔法は『火魔法』『水魔法』『土魔法』『風魔法』『回復魔法』『生活魔法』『無魔法』とあり

各魔法の修得にポイントが1つ消費していくのだが

『火魔法』を最初に修得しても『火矢』のみ修得し

2つ目の魔法修得にはポイントを2つ必要だった

スキルポイントが10しかないので俺は『回復魔法』と『生活魔法』を修得し

少しでも生き残れる様に心掛けて魔法を修得していく


「基本は『回復魔法』で怪我を癒す事を考えて、次に『生活魔法』で生活の向上かな?」


『生活魔法』は最初からスキルポイント1つで修得可能であり

魔法の中身も『洗浄』『灯火』『湧水』の3つが習得し

『洗浄』は字の如く汚れを落とすにする魔法であり

『灯火』は火を灯す魔法で火種を作りだす魔法であった。

『湧水』は綺麗な水を作りだす魔法であり

試しに飲んでみると湧き水を飲んでいるかのように美味しかった

他の魔法を修得する事を考えると『土魔法』が少し気になっていた


「『土魔法』は『土壁』という魔法が気になるな・・・

もっともスキルポイントを6も消費するから慎重に選ばないと・・・

それに『土魔法』の中盤には『ゴーレム作成』があるし・・・

ゴーレムを駆使して旅をするのも面白いかも」


俺の中で魔法の構築を始めていくのだが

気が付くと俺の周りには見た事もない大型の犬に囲まれていた・・・

俺は頭の上で寝ている子猫を抱きかかえ駆け出そうとすると回り込まれ


「逃げるとこは不可能か・・・どうする・・・・どうする・・・・・このままじゃ・・・」

「にゃ?」


俺の不安をよそに抱きかかえていた子猫が起きだし

現状を確認すると俺の腕から抜け出し

大型の犬を見据えながら


「にゃーーーー!」


子猫の叫びと共に『ドガガガガァァァ!!!!』と地面から無数の土槍が生え

大型の犬達は身体を土槍に貫かれ息も絶え絶えな状態になっていた。

俺はびっくりし腰を抜かしていると子猫は満足した様に俺の腕の中で眠り始める。

とりあえず、MAPで確認しても赤マーカーが消えた事に安堵し

俺は腕の中の子猫を撫でながら「ありがとうな」とお礼を言い歩きはじめる


「次は俺も頑張らないと・・・それにしても子猫でも魔法が使えるんだな・・・」


ちなみに子猫が使用した『土魔法』は高位の魔法である事を俺はその時知る事は出来なかった。

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