二 川のせせらぎ亭
「ユーナちゃん、朝よ、起きなさい」
川のせせらぎ亭の若き女主人であるメルがすーすーと寝息をたてているユーナを起こす
ユーナは寝ぼけているのかあられもない姿で拍子抜けした声をあげた
「え?あ!お、おはようございましゅ!?」
「ふふふふ、ユーナちゃんったら、ほら朝よ?」
「あ、はい」
ここ、川のせせらぎ亭はこの世界の始まりの村の中心にある宿屋だ、メルの両親はメルが幼い頃病気で亡くなり、メルが一人でこの店を切り盛りしていた
「ほら、朝ごはん、たんとお食べ」
「あ、いただきます」
メルが朝食を持ってくるとユーナに食べるようにいう、そんな中、ユーナはひとつの疑問がうかんだ
「あの、ここまでしてもらって聞きにくいんですけど…宿代はいくらくらいに?」
「ん?宿代?ふふふ、そんなこと気にしなくていーのよ!サービスだから」
「メルさん、それは無いぜ」
メルがサービスだというと隅から一人の男が出てきて文句を言った
「馬鹿なこと言うんじゃないよ!また店を壊しに来たんなら出ていってもらうよ?」
「それは手厳しいな…ところでそこの女の子は?」
「あ、ユーナと言います、空からから降ってきたらしいんですが、気がついたら此処で目をさまして」
「ふーん…ま、よろしくな、俺はミライって言うんだ」
「ミライ君…って、不死鳥の使い手の?」
「うん?ユーナ?えっと…そうだ!闇の女王!」
「…はぁ、そっちで思い出しちゃうんだ」
「ははは、冗談だよ、冗談、不死竜の巫だろ?」
「そーです!誰ですか?闇の女王なんて広めたの!?」
「えっと…確かウィルターだな」
「…あのオカマ、見つけたら容赦しないわ!」
「えぇ〜それは困るわよ!?」
「噂をすれば…か」
「ウィルター?あんた…一度死にたいわけ?」
「ちょっと待って頂戴!今は死ねないのよ!」
「!?それ…どういう意味?」
「私達は…この世界に転生したのよ」
続く