一 選ばれし者
人類滅亡から6時間後、一人の女の子が目覚めた
「…ここは?」
少女の目覚めた場所は最先端の技術とはかけ離れたベッドだった、その横には火を使ったランプがあり、灯りが灯っている事が今が夜だということをものがたっている
「…私、ここを知ってる?」
「あら、目が覚めたのね?」
「…貴女は?」
「私はこの宿の主人よ」
「宿?」
「そう、この宿[川のせせらぎ亭]の主人」
「川のせせらぎ亭…確かBBOの始まりの村にある…」
「貴女を見付けた時はびっくりしたわ、何せ空から降ってきたんだもの」
「空から?」
「そうよ、洗濯物をしていた時よ?」
「そう、ですか…」
「あ、そう言えば貴女の名前を聞いていなかったわね」
「私ですか?私はユーナです」
「ユーナ!?」
「あの…何か?」
「いえ、人違いよね」
「もしかして闇の女王…」
「や、やっぱり闇の女王なのね?」
「…あの、本気にしないでください、あれ私のトラウマなので」
「トラウマ?」
「確かに闇の女王は私の二つ名ですけどあれは魔王代謝クエストでたまたま魔王が使い魔になっただけで…」
「そう言えば闇の女王が現れてから魔王が姿を見せなくなったような」
「すいません」
「あ、ああ、いいのよ、まあ、私の事は分かりやすくメルって呼んで頂戴」
「あ、はい、メルさん、あの闇の女王の件皆には内緒に…」
「そうね、解ったわ、とにかく今日はゆっくり寝なさい、まだ完全に回復していないんだもの」
「はい」
「それじゃ、おやすみね」