第五十一話
「終わったよ?次はどうする?」
「そうね…やっぱり、マリアへの報告ね。失われた魔法について、話さないといけないと思うわ。これからのためにも…ね?」
「そう…かな?まぁたしかに、報告しておいたほうが…今後に有利かな?」
「それじゃ、行くわよ?」
そう言うと、エリカは歩き出す。
「りょうかーい」
俺はエリカに続いて歩き出す。
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「マリア、ちょっといいかしら?」
階段を下りたところで待っていたマリアさんに、エリカが話しかける。
「さっき言っていた、奥で話すということかしら?」
「えぇ、そのことよ。…この間と同じように、部屋で話すわ」
「わかったわ。それじゃあついてきてくれる?」
そう言うと、マリアさんは奥へと続く扉の前へと移動する。
「えぇ。…ゲン?行くわよ?」
「わかった」
俺とエリカも、マリアさんの後ろについていく。
「それでは…奥に行きましょう」
俺とエリカの二人がついてきているのを見たマリアさんは、扉を開けて中に入っていく。
「行きましょ?」
「あぁ…」
俺とエリカも、マリアさんの後ろに続いて、奥へとつながる扉の中へと入っていった。
・・・
・・
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「さてと…今日はどんなことを話してくれるのかしら?」
俺とエリカがこの間と同じようにソファ座ると、マリアさんもこの間と同じようにお茶をいれて、正面に座りたずねてくる。
「失われた魔法についてよ。…ゲンが背負っていたボスーピットがあるでしょ?あれは、失われた魔法によるものなの」
「それは本当なの!?…たしかに、氷なのに背負っているゲンナイ君は冷たくなさそうだったし…とけてもいなかったわね」
「属性魔法だとしても、知らない魔法でしょう?」
「そうね…たしかに。…それで?なぜそんな魔法をゲンナイ君が知っているのかしら?」
「それを話すために声をかけたのよ?ゲンの可能性「世界についての知識①」は便利すぎるという報告をするためにね…」
「そうなの?ゲンナイ君?」
「そうなりますね…たしかに。この「世界についての知識①」で見られるようになる「全世界記録集」で知った魔法ですから…」
「「全世界記録集」ってなにかしら?聞いたことがないのだけれど?」
「今から見せますよ。………アクセス」
俺が唱えると、目の前にいつもの本があらわれる。
(夏野限無と認識。下位権限でのアクセスを許可します)
「なに?それ…?…それが「全世界記録集」なの?」
マリアさんが驚いたように首を傾げて聞いてくる。
「そうです。これが「全世界記録集」です。…なにか知りたいことはないですか?」
俺は頷き、マリアさんに知りたい事がないかきいてみた。




