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第二十九話

ミスった

投稿し直しです

「少々お待ちいただけますか?ゲンナイ様」


二階に向かおうと歩き出した俺は、入口近くの女性に呼び止められた。


「何か御用でしょうか?」


「はい…少々お話をしたいと思いまして…」


「話…ですか?いいですけど、エリカとはもういいんですか?」


「はい…少々世間話をしていただけなので…問題ありません。ね?エリカ?」


「そうね…最近の街の様子とかは聞き終わってるし、話には私も参加するし」


「そうですね…エリカも一緒の方が話しやすいでしょうし、よろしいでしょうか?」


「俺は全然構わないよ。…どこで話をするんだ?ここで立ち話するよりは、どこかに座りたいんだが?」


そう言って俺は、ギルドの入口から入り受付とは反対方向にある、休憩スペースらしき場所を指で示す。


「そうですね………では、奥で話しましょうか?部屋に案内しますわ」


そう言って女性は歩き出し、入口からまっすぐ行った所にあるドアへと手を伸ばす。


「そうね、私もその方が良いと思うわ」


エリカが同意を示し、女性について行く。


「エリカがそう言うなら…わかった。案内してくれるか?」


俺もエリカの後を追い、ドアの前に立つ。


「それでは…部屋へ案内するので、ついてきて下さい」


そう言って女性がドアを開けて中に入る。


「行きましょう?」


「あぁ」


俺はエリカに向かい頷いて、エリカと一緒にドアの中へと入っていった。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇





「こちらになります…」


案内されたのは、先ほどのドアを入った先の曲がり角を右に曲がった先にある、一番奥の部屋だった。


「そちらのソファにおかけ下さい。今、お茶をおいれしますので…」


「わかりました。失礼します…」


俺は促されるままに部屋へ入り、ソファへと座る。


「ここに入るのも久しぶりね…」


エリカはひとしきり部屋をみまわしてから、部屋の中に入ってくる。


「少しつめてくれる?私もそこに座るから…」


「え?こっちに座るの?」


「えぇ、あなたの隣にね」


「わかった…」


俺は驚いたが、すぐに左につめてソファの右側を空ける。


「ありがとう」


そう言ってエリカが隣に座る。


「何でこっちに座ったの?って別に嫌な訳じゃないんだけど…」


そう。

ソファは全部で4つ部屋に置いてあるのだ。

配置としては、テーブルをはさみ、部屋の入口から見て奥と手前に1人掛け用。

同じテーブルをはさみ、右と左に2人掛け用。

俺は左の2人掛け用の真ん中に座ったので、エリカは入口手前に座ると思っていたのだ。


「だって、隣に座らないと対面に彼女が座れないでしょ?」


「彼女もこっちに座るの?俺はてっきり、奥のしっかりした机の方のイスに座るんだと思ったよ…」


「確かにあそこが彼女の定位置ではあるけど、彼女はお話する時はこっちのソファに一緒に座るのよ」


「そうなんだ…」


「そうなの。………さて、お茶の用意が出来たみたいよ?」


「確かに、良い香りがする…」


俺とエリカが話をしている間にお茶の用意ができたようで、部屋にハーブの良い香りが漂う。


「今日のお茶は自家製ハーブのハーブティーです…。今そちらにお持ちしますね…」


彼女はそう言って、こっちのテーブルにティーセットを運んでくる。


「………どうぞ」


運んできたティーセットをテーブルの上に置き、カップにお茶をそそぐ。

そしてそのカップを俺とエリカの前に置いていく。


「ありがとうごさいます。いただきますね…」


「私もいただくわね…」


俺とエリカはそろってハーブティーに口を付ける。


「すごくのみやすい…それにおいしい」


「相変わらずお茶をいれるのが上手いのね。とってもおいしいわ」


「ふふふっ喜んでいただけたようで何よりですわ」


彼女は微笑んで、自らもハーブティーに口をつける。


「うん、おいしくできました。………では、お話をはじめましょうか?…はじめましょうか?なんていうのはおかしいかもしれませんが…」


「そうですね…ではまず、あなたの名前を教えていただけますか?」


「あら?これは失礼いたしました。わたくしの名前はマリア。マリア・ベル・オードリーと申します。この街のギルドのギルドマスターをつとめさせていただいておりますわ。以後よろしくお願いいたしますわね?」


「ギルドマスターですかっ!?こちらこそ、その、よろしく…お願いします」


彼女の名乗りに俺は、半ば予想していたとはいえ驚愕を抑えられずに言葉をかえした。

予約投稿じゃない事に気がつく→間違って消してしまう→バックアップを使って今度こそ予約投稿(今ここ)

第二のヒロイン(予定)登場です

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