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第十九話

第十九話です。よろしくお願いします

「これは…」


「どうしたの?」


「何も書かれていない…」


そう。


開いてみた「エリカとの絆」のページには、何も書かれていなかった。


「これは…どういうことだ?」


「わからないわ…。このような可能性は初めて聞くし、初めて見たもの…」


「そうなのか?」


「えぇ…。固有名が書かれた可能性というのは、聞いたことがあるのだけど…」


「こういうのは聞いたことがないと?」


「えぇ…。固有名が書かれた可能性というのは、強い魔獣を倒した事で得られる「~の討伐者」や「~を乗り越えし者」などが一般的だもの…」


「そうなのか…」


「えぇ…。私の名前が書かれているので、私に関係する事だと思うけれど…」


「そうだな…。絆というのだから、仲良くすればいいのだろうか?」


「そうね…」


「なら、これが書いてあった贖罪に関係する可能性というやつなのだろう…」


俺は、この世界で生きる理由を再び胸に刻む。

これがきっと、実現しなければならない可能性なのだと思う。


「ならやはり、エリカに恩を返すために一緒に行動するのが正解なのだろう」


「それが一番ありえそうね…」


「ならエリカ、俺にしてほしい事はないか?」


「特に無いわね…ってそうだ!夕飯を作っている最中だったのよ」


「そうだったのか…。どうりでいい匂いがすると思った」


「今温め直すから、少し待っていてくれる?」


「わかった」


俺は素直にエリカが準備を終わらせるのを、座って待つことにした。

次回もよろしくお願いします

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