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番外編① 彼女と少年の話

番外編①です。よろしくお願いします

キーンコーンカーンコーン


「先生さようなら~」


「はい、さようなら」


僕は夏野限無かのげんない

現在小学校五年生。

もう少しで六年生に上がる11歳です。

僕は人には言えない秘密を持っているんだけど、その秘密のおかげで最近、ある日課ができたんだ。

それは………





◇◇◇◇◇◇◇◇◇






「こんにちは~」


「いらっしゃい、ゲン。今日も楽しかった?」


「いつも通り普通だよ。良くも悪くもね」


「そう…」


「そうそう」


「ならいつも通り、学校の話を聞かせてくれる?」


「もちろん。ユリに話すのは楽しいからね」


「ありがとう…」


「どういたしまして…。じゃあ、まずは今日受けた授業から…」





◇◇◇◇◇◇◇◇◇





僕の日課っていうのは、目の前にいる少女、明星由里あかぼしゆりの病室に行き、その日の学校での話をすることなんだ。


「今日は勝てたんだ。良かったね」


「うん!僕のホームランで逆転サヨナラしたからね!気持ちよかったよ~」


「そう…。相手は悔しかったでしょうね」


「そうだね。アイツ、悔しがってたよ」


「アイツっていうと、いつもの子?」


「そうそう。ユウタロウの事だよ。ユリにもアイツの顔を見せてやりたかったよ!」


「悔しがってる姿を見せたいなんて、意地悪ね」


「だって泣きべそかきながら、「次は負けないんだからな!」って叫んで、走り去っていったんだよ!体育の授業だから、その後教室に戻ってきた時にみんなに笑われてたよ」


「ゲンは笑ってないでしょうね?」


「大丈夫だよ。僕とアイツはライバルだからね!悔しがっているアイツを、笑いはしないよ」


「そう…。なら良いんだけどね」


「ユリは心配性だなぁ」


「だって、悔しがっている顔を見せたいなんて言うから…」


「だって笑いはしなくても、おもしろい顔だったのは事実だもん!ユリも見たら、絶対笑えたと思うよ」


「だから、笑っちゃ駄目なんだってば…」


「ぶーぶー」


「そんな顔をしても駄目よ」


「ぶーぶーぶー」


「まったく…。まぁ笑わなかったのなら、えらかったわね…。良くできました」


「えへへ、ありがとっ」


僕はユリにほめてもらうのが大好きだ。

母上にほめてもらうのと同じくらいに、ユリにほめてもらうと嬉しくなる。


「それじゃあお話はこれくらいにして、そろそろ治療の方をお願いしようかしら?」


「うん、わかった!」


僕はユリをの手を握って、日課である僕の力を使った治療を開始した。

この話は、少女と少年が再会した冬の少し後、二月くらいの話です。

次回は番外編②です。

もう一人の少女との話にするか、もう一度ユリとの話を書くかで迷っています

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