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遠い世界で  作者: G・Y
17/23

『占い』

今回は繋ぎ部分ですので、短い・・・はずです。


時間の概念を無理やり入れたので、説明的な部分が多くなっております。

普通の時間にしても良かったのですが・・・異世界なら面倒な設定もありだろうという結果、こうなってしまいました。

17:『占い』


突然だが、この世界の『1日』は長い。

『気分的』ではなく、『実際』に・・・だ。


この世界の『1日』は『1周期』とされている。『昼夜』1セットで『1周期』。

『太陽の精霊』と『星の精霊』が一回りするから『1周期』と、されているらしい。

『太陽』は昇るのではなく、中天にじわじわ現れる。夜になるときには、地平に沈む。そして、翌朝?にまた現れる。


改めて、この世界が『精霊』に支配されている事に『ゾッとする』。


そんな『不自然な1日』も、『30周期』で『1節』とされている。

『精霊』の力が関係するらしい。詳しい話は、聞くことが出来なかった。


そして、何故か『8節』で『1齢期』と纏められている。


非常にわかりにくいこと、この上ない。

基本的に『日雇い』の俺は、全てを細かく理解することは諦め、『周期』だけを重点的に理解した。


そして、気づいたことが冒頭の件だ。

俺は、時計の類を持っていなかった為、あくまで体感・・・で、なのだが。

寝て起きる。そして、仕事をする。終わったら、寝る。

もちろん、食事等の時間も含めての話だが、それでも『余る』。

奇妙な感覚に疑問をもっていたところ、『精霊』が、


《『元の世界』の、約1.5倍です。》


さらりと、言ってきた。知っていたなら早く言って欲しかったが、俺も最近は無視を決め込んでいた為、大声で文句は言えないのかもしれない。



俺は基本『昼の時間』の仕事を請けている。『夜の時間』の仕事もあるらしい。

『斡旋所』は正しく、『斡旋』してくれるだけで、『選ばせて』くれない。

基本的に職員が、『査定結果』から、その人に出来る仕事を『斡旋』するだけだ。

『読書き』が出来なれれば、書類仕事は無理だろうし、『腕力』が必要な仕事ならば、それなりの『査定』結果を出した者にしか任せない。

俺は『読書き』も『この街(この世界)の常識』を知らない為、接客にも向いていない。


その為、俺が『斡旋』される『仕事』は、殆どが力仕事の建築の手伝いだ。

この街は、まだ発展途上にあるらしく、城壁の内外に住宅を建てたり、新しく城壁を組み上げたりすることがある。

匠の技を見ることが出来るかと期待することもあったが、『組み上げた壁面用の石』が『1枚の石になった』時点で諦めた。『石の精霊』の力がどうとか言っていたのだが、有り難味が全く無い。ガッカリ感が半端ではなかった。




5周期もすると、若干だが生活にも体が対応できるようになってきた。

『余裕』が、生まれたと言ってもいいかもしれない。『この世界』の事も、多少わかってきた。

気に入らないが、『精霊』には適当に疑問を投げつける。『精霊』は、確かに『俺の疑問』に答えてくれることがある。

しかし、本当に『人の生活』に関しては無関心なようで、そう言ったことに関しては『知らない』の一点張りだ。それでも、『この世界』の事を知り、『帰る』為の『助け』にはなるだろう。




そして、俺はその日初めて『夜の時間』の仕事を請け負った。

たまたま、起きた時間が『夜になったばかり』だったのと、城壁内の『明かり』の点検という『仕事』が軽かったのが決めてだった。



仕事に出る前に、誰かに呼び止められた。振り向くと、そこには、あの『占い師』が立っていた。


正直、この『占い師』は避けたいところだ。『査定』以後、顔を合わせることも無かったため油断していた。


「こんにちは」


出来うる限りの、笑顔で挨拶をしてみる。

『占い師』は、煙管のようなものを蒸かすと俺の目を見てきた。


逸らしてしまったら、『やましいこと』があるように見られそうで、若干向きになって見つめ返した。


「今日は、何か起こりそうな夜ね。」


・・・非常に嫌な、物言いだ。仕事は請けてしまっている。

さすがに、『嫌な予感がするのでやめたい』とは、言えない。


「私の『占い』に出たのよ。残念ながら・・・何が起こるかわからないのだけれど」


女が、そう続ける。

本当は、わかっているんじゃないかと勘ぐってしまうほどの言い回しだ。


「気をつけて・・・貴方に『害』は、なさそうだけれど・・・」


いよいよ、布団を被って寝たくなってきた。

仕事を請ける前に声を掛けてくれと叫びそうになったが、流石にその物言いは無いだろうと踏みとどまる。


「・・・ご忠告、感謝します。仕事が開けたら、真っ直ぐ帰ることにしますよ。」



そういうと、俺は『斡旋所』の扉を開け仕事に向かった。

空は、星明りが綺麗で・・・何故かとても寂しい気分にさせる夜だった。


上手い掛け合いが書けるようになったら、コメディタッチな物語も書いてみたいものです。

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