白銀のそら
拙いものですがどうぞ。
連載になるかもな小説です。
みんな一度は思ったことがあるのではないだろうか。
女性は男になりたい。男に生まれたかった。
男性は女の方が良かった。女に生まれたかった。
このように思うのは当然だろう。どちらの性別にも利点と失点があるのだから。
しかし、あえて言わせてもらいたい!それは本当にならないから言えることで、実際性転換なんてことが起きたら少なからず絶望する。
そう!
今まさに私の状況だ!
などと世間の皆様に愚痴を言いつつ現実逃避をしている。
「おいっ」
まだ逃避していたいが状況が許してくれないようだ。
ここで私もいつまでも、このままではいけないと思い辺りを見て自身の変化を確かめてみる。
私がいるのはホールのような広い部屋だ。その角に武装した人達がいる。
そして前にこの中の代表と思える人が二人。
二人ともかなりの実力がある。・・・・・・何故そう思うか分からないけど。
よし、周りの状況はこんなところだろう。
・・・・・・あとは自身の変化なんだけど、多分いや絶対についさっきまで使っていた女性の肉体ではない。
長い髪なのだろう白銀の髪が下を向くと肩に流れ落ちてくる。もしかしたら腰より長いかもしれない。
次に体なんだけど、女性にあるはずのものが無い。だからと言って男になったのかと言えば違う。どちらの性別か判断できるものが無いのだ。
可能性としては無性だろう。
どこかの漫画か何かで両性の人は何かの気持ちの高ぶりで性別が出たりしていたからな。
ここまでで分かったことはこれは私の体ではない。
でも何故か今まで生きてきた自分の体よりこの体の方が違和感が無かった。
私によく馴染んでいる感じがする。
つらつらと考えていると目の前にいる男が痺れを切らしたのかこちらに近づき手を伸ばしてきた。知らない男にいきなり手を伸ばされて来ていると実感したとたん私の中で拒否反応と言って良いほどの思いが湧き上がった。
「……触れるな」
その思いが駆け巡った瞬間私はそう言っていた。その言葉に反応したように私の中の力が出たのが解った。
男がもう少しで触れると言うところで私を中心に突風が吹きその男を吹き飛ばした。
「!ディレス!!」
ドンッと音とともに男は壁にぶつかった。いや、ぶつけられた言ったほうがいいのか……私によって。
…………そう実感したとたん何もかも怖かった。
自分が放った力もその力を説明されなくとも自分の力だと認識している自分も、そして自分の周りにいる奴らも。何もかもが怖かった、恐ろしかった。
多分この時の私は壊れかけていたんだと思う。意味も解らずいきなり変わりすぎたすべにによって、私の心が悲鳴を上げていたんだろう。