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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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アリサとケイト

スッポニエンヌ アリサちゃん

作者: MANAM
掲載日:2026/03/30

【お掃除の極意】


元第一側室はお掃除術として武術の極意を隠匿している。


箒術はその動きで相手の攻撃を受け流すいなしの極意。


雑巾術は相手の目を塞ぐ目潰しの極意。


すっぽん術は狙いを定めた所に的確に繰り出す突きの極意。


「すっぽんを構え、腰を落とし、トイレの穴を見据え、すっぽん!」


こうして元第一側室は、お掃除道具しか持っていない近所の貴族主婦と思い油断して近付いてきた不埒者をこの極意により粉砕し続けている。


【スッポニエンヌアリサちゃん】


いつもケイトにドヤされているアリサ。

今日も今日とてジャージ裸足スリッパで怒られていた。


「貴様、せめて髪くらいなんとかしろ」


「えー………ん!」


そう言うとアリサは自分の頭をケイトに近づける。

ため息をつきドアへ向かうケイト。


「櫛を取って来るから待ってろ」


「ありがと〜ケイトちゃん」


スマホと共になぜか置いてあった新品のすっぽんを振りながら廊下で見送るアリサ。


そこへ人質として王国軍に入隊している、王都ではそれなりに名の通った貴族令息がボサボサ貴族のアリサに絡んできた。


「お前あの勇猛果敢なジーリオ家の娘らしいが…」


貴族令息は値踏みするような目でアリサを見た後嘲笑い始めた。


「なんだ? その格好は。ジャージにトイレのすっぽん。それじゃあジーリオの名が泣くぞ? なんなら我が家がジーリオの代わりに領地を治めてやろうか?それともオシーリに改名するか?」


さすがの大ニートアリサもここまでバカにされては黙って居られなくなる。スリッパを脱ぎ捨て裸足になり、すっぽんをフェンシングのように構え貴族令息に名乗りを上げる。


「辺境伯ブルボ・ジーリオが娘、アリサ・ジーリオ! 名も知れぬそちらのお方、尋常に勝負!」


王都ではそれなりに名の通っているはずなのに、アリサには全く名を知られていない事に憤慨した貴族令息は規則に反し王宮内の廊下で抜刀する。


「いいだろう! その顔、傷物になっても後悔するな!」


お互い構え睨み合う。


(このお方…口だけではないみたい)


アリサは貴族令息の構えとその気迫から実力を読み取る。そして勝負を仕掛けたのは貴族令息。アリサの顔を目掛け剣を突き出す。


しかしアリサはその貴族令息の腕をすっぽんで跳ね上げ、貴族令息はバンザイをするような格好になる。


「すっぽんを構え、腰を落とし、トイレの穴(貴族令息の顔)を見据え…すっぽん!」


アリサの放った一撃が見事トイレの穴(貴族令息の顔)に突き刺さる。

貴族令息はすっぽんを顔につけたまま気絶して仰向けに倒れた。


「私の剣は一撃必殺。狙った敵を生きては返しません。そのすっぽん、あの世の土産に差し上げますわ」


すっぽんを顔につけたまま気絶している貴族令息を眼光鋭く見下ろす、頭ボサボサジャージ裸足スリッパの王国防衛三大家の令嬢。


そこへ櫛を持ってケイトが戻って来た。


「なんだ? 何かあったか?」


「なんにもな〜い。ケイトちゃん早く髪といて〜」


剣を持たせれば生きて帰れるものは居ないほど強いアリサである。(ケイトには弱いけどね⭐︎)



【本当は怖い元第一様】


元第一の領地の不埒者達はいつも掃除道具でいいようにやられ憎悪を募らせていた。

そしてついに殺意を持って元第一に襲いかかるようになる。


「貴様を殺し、この領地我が物にしてやるわ!」


剣を抜き元第一に向ける不埒者の男。


「ほほほ。殺意を向けられたのならば、本気でお掃除するしかありませんわね」


元第一はねっとりと話すと持っている箒をねっとりと優雅に構える。


男は箒相手に容赦無く斬りかかる。

元第一はいつものように相手の攻撃をロングスカートとハイヒールという姿でいなし続ける。


男はそれを見て不敵な笑みを浮かべる。


「やはりな! 貴様はいなし術に特化し過ぎて必殺の手が無いのだ! 貴族主婦! 敗れたり!」


男は叫ぶと剣を上段に構え元第一に向け振り下ろす。

次の瞬間、金属同士がぶつかり合う高い音が鳴り響き、男の剣は箒に弾かれ体勢を崩す。


そして元第一の箒の柄に真一文字の亀裂が入ると真っ二つに割れ、その中から鋭い光を放つ細身の剣が姿を現す。


「…………え?」


目の前のその光景が信じられず驚愕の声を漏らす男。


元第一はねっとりとした笑顔を男へと送る。


「剣を構え、腰を落とし、心臓を見据え、貫く!」


元第一の突き出した剣は寸分の狂いも無く心臓を貫き男は倒れた。


「ほほほ。我が領地のゴミがまた一つ片付きましたわね」


元第一はハンカチを取り出し剣についた血を拭うと別の箒に剣を納め、そしてそのハンカチを男へと投げ捨てた。


「せめてもの手向ですわ。アタクシの名を広めて下さいまし。地獄でね」


ねっとりとした笑い声を残し元第一は領地のお掃除に戻るのだった。

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