エピローグー新たな革命の幕開けー
――数年後
「みて! これユリミアの新作のドレスなの!」
「いいなぁ、すごくふりふりで可愛い!」
町で桃色の淡いドレスを着た女の子がそのレースを靡かせながらくるりと舞っている。彼女の名前はリナ。この町で暮らす少女だ。この数年で街は色とりどりの布で溢れ、各々が好きな服装を楽しむようになった。布の枚数も温度によって好きに決めることができる。……美しい国になった。
「ふふ、リナったらすぐに着てくれるんだから」
フードをかぶった女は足早にその場を去った。そしてユリミアの看板が立てられたアトリエへと消えていく。
「おかえり、ミア。新しい依頼が来ているよ。それにバーチェ様から差し入れもあるぞ!」
「いい布を仕入れたんだ……ほら見てごらん」
そういって扉の中から迎え入れてくれたのは二人の男。
「ミアそういえば……」
「俺、今用事があるんだけど!」
「「ま、マネするな!」」
何年たっても変わらない二人を見て女は笑った。――これは布一枚で革命を起こした者の話。そして二人の男に求婚を受けるのはまだ先の話。
「私が作りたかったのは美しさの形だけじゃない。自由に羽ばたける翼を布一枚から縫い上げる。それが私の革命よ」
彼女の言葉は春風と共に空を舞った。〈ナ・ルナ〉が月を示すならば、彼女の〈ユリミア〉は夜を照らす花。欠けた光でも誰かを照らせる美を作ることが、これからの彼女の使命だった。




