革命の夜明け
数日後。各国の代表たちが集まり、一つの大きな広場に新しい布を広げていた。そこには花布の鮮やかさも、鉄布の強さも、血布の温もりも、炎布の輝きもあった。全ての布が縫い合わされ、新たな模様を描いている。人々が声を上げる。
「これは“共布”だ!」
「どんな国の布も、ほつれても、縫い合わせれば一つになれる!」
私は布の中心に光針を突き立て、宣言した。
「この布は、私のものではありません。あなたたち一人ひとりの命と心が縫い合わさって生まれた布です。裂けても、破れても、また縫い直せばいい。これからも、ずっと、そうずっとです──」
群衆から歓声が沸き起こった。オルガが隣で笑い、剣を掲げる。
「これでようやく平和が来るな!」
リュシアンが目を潤ませながら言った。
「でも……ミアがいなきゃ、ここまで来れなかった」
バーチェも珍しくその目に涙をにじませた。私は首を振って微笑んだ。
「私だけの力ではないわ。それに針はただの道具にすぎないの。本当に布を縫うのは人々の想いだから」
夜、静かな広場で空を見上げる。星々が輝き、その下で共布が風に揺れていた。私は針を握り、心の中で呟く。
「ユリア……見ていて? 私はこれからも縫い続けるから。あなたの分まで、この世界で人々の未来を」
その瞬間、風が優しく吹き私の頬を撫でた。針先に小さな光が宿った気がした。まるで妹が微笑んでいるように。私は大きく息を吸い込み、決意を胸に刻む。
「布は裂ける。けれど、何度でも縫い直せる。それこそが──この世界を繋ぐ力」
光針が夜空に輝き、星々と共に瞬いた。こうして「布に支配される世界」は終わりを告げ、「布で繋がる世界」が始まった。革命の夜は人々の喜びの涙、笑い声、そして暖かな布によって彩られた。




