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詩ごっこ  作者: ゆう
1/1

音のやつ

棚の奥のマグカップが小さく震える。

まるで、これからの全てを予告するかのように。


食器が触れ合う微かな音が、すぐに倍音を帯びた。

楽器が勝手に鳴りはじめ、蛍光灯が床に叩きつけられる。

部屋は暗幕に包まれたまま、無人の演奏会が幕を開けた。


犬の吠える音が、クリシェの旋律を奏でる。

やがて旋律は絶頂に至り、鈍い低音とともに展開を迎える。


クラクションの音が鳴り響き、人々の悲鳴へと繋がる。

それは、十二音技法のように、混沌で、秀美であった。


コンクリートが裂ける音が、モチーフを次の段落へと導く。

楽曲が、自壊しようとしていた。


やがて、ノイズが楽団の音を飲み込み、

アンコールは、消える。

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