迷宮魔核防衛戦
帝都への魔核輸送は、まさに死線を越える戦いだった。
魔物の襲撃、山岳地帯の突破、川の横断——
次々と立ちはだかる試練を乗り越え、護送隊は進んだ。
輸送隊がダンジョンを出発した直後、異変はすぐに起こった。
魔核がダンジョンから離れた瞬間、周囲に潜んでいた魔物たちが暴れ出したのだ。
普段なら襲いかかるはずのない魔物すら、異常な興奮状態に陥り、隊を襲撃してきた。
「やはり……! 魔核が影響している!」
「護衛部隊、迎撃しろ! 絶対に魔核を傷つけるな!」
輸送隊の周囲で展開する帝国騎士団と魔導士たちが迎撃態勢をとる。
戦闘のたびに進行が遅れ、消耗は激しかった。
次なる試練は、山岳地帯の突破。
輸送ルートには、急峻な山々がそびえ立つ難所が存在した。
巨大な魔核を封じたコンテナを山道で運ぶのは至難の業。
「ルートを誤れば転落の危険がある。慎重に進め!」
「しかし、ここは魔物の巣窟でもある……急がねば!」
進行中、魔核の影響で普段は動かぬ山岳魔獣が目を覚まし、輸送隊を襲う。
岩壁をよじ登る巨大な魔蜘蛛、崖上から襲いかかるワイバーンの群れ——
次々と襲いかかる敵を迎撃しながら、隊はじりじりと前進する。
ある夜、輸送隊は山岳地帯の峠で野営していた。
その静寂を破ったのは、突如鳴り響く警鐘だった。
「敵襲!」