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帝国魔獣災害戦記  作者: 夕餉
迷宮魔核輸送作戦
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迷宮魔核

「希望の魔核、到着せず」


ダンジョン探索隊が持ち帰るはずの**「過去最大規模の魔核」**は、容易に帝国へ運び込めるものではなかった。


——ただでさえ、巨大すぎる。


通常の魔核とは比較にならない大きさと質量を誇るその結晶体は、輸送の大きな障害となった。


「……まるで要塞の一部だな。」


探索隊の報告書に添えられたスケッチを見たレオナルドは、思わずため息をついた。


通常の魔核は人の頭ほどのサイズだ


今回発見されたものはダンジョンの魔核


馬よりも大きいのだ。


「こんなもの、どうやって運ぶ?」


この時点で、帝国の技術者たちはすでに頭を抱えていた。


「移送計画、難航」


「現地で小型化する案は?」


「魔核を削るのは危険だ。内部の魔力が暴発する恐れがある。」


「ならば、分解して小さな結晶に——」


「だめだ。魔核は本来、一つの塊として存在するものだ。分割すれば、力の均衡が崩れる。」


小さくすることができないなら、そのまま運ぶしかない。


しかし、ダンジョンは帝国の南端に位置し、そこから首都までは長い距離がある。


魔核の輸送には、特別な輸送機が必要だったが、そんなものは存在しない。


急造で輸送用の荷車を準備したものの、道中の安全確保も問題だった。


「ダンジョンの魔核は、魔物を引き寄せる。」


あまりにも強力な魔力を放つため、周囲の魔物を刺激してしまうのだ。


もし輸送中に魔物の大群に襲われれば、魔核を守るどころではなくなる。


軍部と技術班は緊急会議を開いた。


「これほどの魔核が手に入った以上、機械人形計画は大きく前進する。」


「しかし、輸送には時間がかかる。最速でも数ヶ月はかかるぞ。」


「グラディアの移動予測は……?」


「あと4年以内に帝国領へ到達する見込みです。」


「間に合うか?」


「……ギリギリです。」


帝国にとって、この魔核は決戦機動兵器の心臓となるもの。


だが、それを移送するだけでも莫大な時間とリスクを伴う。


「この輸送作戦が成功しなければ、我々はグラディアに対抗する手段を失う。」


「ならば、やるしかない。」


かくして、帝国最大規模の輸送作戦が始まることとなった。

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