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タケシ、ドラゴンと眷属になる

タケシが壁の中を警戒しながら中を覗くと、そこは真っ暗でかなりの広さの空間が広がった・・・

しかもそこにはドラゴンがいた・・・・

何やら光る鎖のようなものが身体中に巻きつき、手足を鎖が四方向に引っ張って地面に突き刺さっていた、ドラゴンはその状態でも意識があってこちらにその真っ赤な眼光を向けていた


『やっときたか・・・・』

ドラゴンがやれやれと言った感じでこちらに語りかけてきた


「・・・・・しゃべった!?」


『我は禍津日夜刀神龍マガツヒヤトガミノリュウ、お主が会った女神の眷属である、お主がこの世界に来ることを聞いておったので、てっきりすぐにここにくると思っておったのに・・・魔物にビビって森には入らず、やっと森に入ったかと思ったら我の残滓の像にいつまでもしがみつく、あげく山に向かってきたと思ったら、頂上まで登りそのままここを素通り、まったくどうなっておるのだ・・・自分の使命を忘れおって・・・』


(なんか無茶苦茶呆れられているが、使命なんて俺は知らないし、ビビってないし・・・)


「なんか色々と納得いかないことが多すぎなんですけど?・・・使命って?」


『なんと!使命を知らぬとな?女神に聞いておらぬのか!?』


「聞いてませんけど?そもそもここに送られたのも偶然なのでは?」


『あのアホ女神が!!・・・・・まぁ良い・・・聞いておらぬならあの行動は仕方なかろう』


それからヤトガミは話してくれた


『タケシよ?お主をここに送った神はそもそもこの世界の神なのだ、神と言っても色々あるのだが、今は訳あって眷属である我がこの島を管理しておった、しかし人間たちの傲慢が極まりつつあり、ついには我を偶然とはいえ封じるまでに傲慢になってしまった、そこでたまたま世界を渡るタケシについでに我の封印を解かせる事にした、それがお主の使命だったのだ、なのにあの女神、一番かんじんな事を伝え忘れるとは・・・』


ヤトガミは呆れてものが言えなくなったとの表情でうなだれた


「あぁそういう事か・・・そりゃあの女神、俺をこの世界に飛ばす時無茶苦茶焦っていたからな」


『焦る?なぜ?』


「なんか俺のことはイレギュラーだから他の神に知られると叱られるとか言っていたな」


『他の神に叱られる?あの女神を叱る?』


何やらヤトガミは思案しているようだったが


『まぁ良い、それより早く封印を解いてくれぬか?』


「解くったってどうやれば?」


『お主は女神の眷属になったのであろ?ならば触るだけで封印は解ける』

(いつ俺はあの女神の眷属になった!!)


「・・・・まぁ今はいい・・・さわればいいんだな?」


俺は鎖のようなものをそっと触れてみた、すると眩い迄の光であたりが包まれた


光が薄れ、あたりが元に戻ると、自由になったヤトガミがそこにいた?


いなかった、そこにいたのは赤い髪を後ろに縛ったポニーテールの美少女がいた


全裸で・・・・


「うわぁぁぁぁ・・・・誰?とりあえず服着て服!!」


「ん?あぁ久しぶりに人間形態になったので忘れておった、ほれ!」


掛け声と共に光に包まれた少女は女冒険者風の装いになった


「これでどうじゃ?」

ヤトガミは首を傾げて聞いてくる


「君はヤトガミなのか?」


「他の誰に見えるというのだ?」

まだ首を傾けたまままた聞いてくる


「なんで人間の姿に?」


「これからお主と共に暮らすのだからこの方が便利であろう?」

ヤトガミはずっと首を傾けたままだ


「なんで一緒に暮らす流れになっているんだ?」


「なぜって、同じ眷属なんだから当たり前であろう?」


「そもそも眷属になった覚えがないのだが」


やっと傾けた首が元に戻り今度は目を見張って驚いている


「それもあのアホ女神は伝えておらなんだか・・・世界を渡るなんてことが普通の人間にできるわけがないであろ?なので、神の眷属という形を取るのだ、なので眷属になったのだから我と共にこの世界を管理するのだ!」


ヤトガミはさも当然とばかりに言い放った


「世界の管理なんて俺には出来ないぞ?」


「まぁほぼ我がやるが、ほとんど何もすることがない、マナの調整ぐらいなものだ、だからお主は自分のやりたいことをしつつ、ほんの少し力を貸せば良い」


「あぁ!そうだった、ここに来たのも、今島全体が浄化しているから魔物が住めなくなる危惧があるから来たんだった、なんとかなるか?」


「そりゃなるぞ? そもそも女神像を活性化したのも我の仕業だからな?」


「え?俺が祈りをしていたから活性したんじゃ?」


「それもある、お主が祈り、我が女神像に力を入れる、すると浄化が早まる、早まると魔物が騒ぐ、そしてお主がここにくる、目論見通りじゃ」


なんか釈然としないが、まぁ結果オーライ・・・・なのか?


「とりあえず、マナを正常な状態にしてくれるか?」


「それはお主がやってみろ」

ヤトガミは当たり前のような顔で言ってきた


「何言ってんの?出来ないからここにきたんだろ?」

俺は憤慨しつつヤトガミに言った


「いや、お主にも出来るぞ?同じ眷属なのだから、お主は自分の力をまだわかっていないようだから力の使い方を教えてやると言っておるのだ、それに今我は力の大半を失っておる、力を取り戻すためにお主の力が必要なのだ、マナの調整ぐらいならたやすいが、お主にも出来るようにせぬとな?とりあえず魔法は使えておったな?そのマナの流れを体全体に回すのじゃ、それから少しずつ体の外に広げていく今のお主でもこの島全体ぐらいなら出来るはずじゃ」


俺は、納得は出来ないまでも、言われた通りに少しずつマナの流れを感じつつ、広げて行った


(かなり神経を集中しないといけないが、確かに何かが自分の周りを覆っていく感じがわかる)


徐々にマナを拡張していくと、いろんな情報がわかるようになった、洞窟の細部の構造、そこにいる魔獣や生き物、火山(地下にマグマが溜まっている)、川、森、生き物(お?これはガビンたちじゃないか?人物の特定まで出来る)集落、そして海、


「出来たであろう?」

とヤトガミが言ってきたが、


「これからそうするんだ?」

そうここからどうすればいいかを聞いていなかった


「その状態をキープすれば良い、それで正常なマナの状態が保てる」


「出来るかぁ!!!こんな全集中の状態!!!」

と俺は言い捨ててやった


「そうか?容易い事だと思うがな・・・まぁ最初からは無理かもしれぬな?ならば」

とヤトガミからマナが広がるのを感じた


「やってくれるのか?助かる・・・」

俺はホッとしつつ礼を言った


「少しは鍛錬するのだぞ?」

とヤトガミがジト目で俺をみてくる


「わかったよ・・・・」

トホホと言った感じで俺はうなだれるのであった


「じゃあヤトガミ、とりあえずここを出るか?」

と気を取り直すようにヤトガミに尋ねると


「マガツヒヤトガミノリュウというのは総称でしかない、我の名前はサーシャというのだ、我もタケシと呼ぶのでお主もそう呼ぶのだ!」

とヤトガミ改めサーシャはなぜか照れながら名乗った


「サーシャ」


「なんじゃ?」


「いや、確認のためにつぶやいただけだ」

と真顔で返すとなぜかサーシャはムッとして


「・・・・気安く呼ぶでないわ!!!」

とそっぽをむいてしまった


「・・・・・」

そう呼べと言ってなかったか?

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― 新着の感想 ―
無人島だったのに、美少女が増えましたね。(ツンデレタイプ?) 今後、もっと生活が豊かになりそうですし、期待しています。
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