食事にありつく
一夜明け昨晩は何事もなく過ごせたことに安堵しつつ洞窟から出た武はこれからの事を考える。
「とにかく安全確保が一番、次に水食料、武器はナイフ一本か・・・」
武器がナイフ一本とは無いよりマシとはいえ不安が残る、なので武は近くでなるべくまっすぐな木と植物のツルをとってきて、簡易的な槍に作り変えた。
「この方がリーチが稼げるから幾分マシかな?」
槍を作り終えた時またあの声がした
『武は生産スキルが1上がった』
「まただ・・・何かを作っても何かが上がるようだな」
しかし、何も変化も感じられないので、いまいちこの力の把握が出来ない
「ともかく安全に過ごせる環境と食事だな、あとここが何処でどんな場所なのかか・・・」
昨日、海をのぞいていた時に、海に落ちる滝のような音が聞こえた事を思いだし、とりあえず川があるはずとその方向に歩き出した。
程なくして川が見つかり、水を見たことで喉の渇きに猛烈に襲われた
思わず川に顔を突っ込み水を飲んだ。
あとで考えたら、何も考えずにそのままの水を飲むことは現代日本人としては考えなしだったと思うが、とにかく川の水はうまかった。
よく目を凝らせは魚影もちらほら見えるし、どうにかして魚を捕まえる方法を考えねば
喉が潤った武は勇気がいるがあたりを散策してみる事にした、何もせずに座していたらその内死ぬ、せっかく生き返ったのだから死ぬつもりはないのだ!!
けどまだ森には入らない、昨日の件があるから・・・・・そりゃ怖いものは怖いのだ!!!
海岸沿いに歩き、散策をする
しばらく歩いていると、森からガサガサと音がするので、即座に武は臨戦体制になり近くにあった岩の影に隠れた。
出てきたのは昨日のヤツではなく、白いウサギ?角が生えているけどウサギのような動物だった。
否応なく腹が食料を要求してくる
「ウサギなら食えると聞いたことある」食べたことはないけど・・・
とにかく逃してはならない
武は、ウサギの様子を注意深く観察して気づかれないようにウサギの後ろに回り込む、そして槍をかまえて飛びかかった!!
・・・・・逃しました。
「くそ!!やっぱりすぐには上手くは行かない・・・」
しかし、よく見るとこのウサギみたいなヤツさっきのは警戒して森へ逃げてしまったが、その辺にちらほら普通にいるな・・・・
とにかくめげずにチャンスがあるならトライ&エラーだ!!
葉っぱを束にして投げてみたり、落とし穴を掘ってみたり、槍を投げてみたり、木の上から襲ってみたり、何か一つでもうまくいって一匹確保したい
そしてついに、奴らの食べている餌を拾って集めて、一箇所に置き、側の草むらに待機、食べにきたところを草を編んだ網のようなもの、一回使ったらバラバラにんるような代物を一気に被せて即座にナイフでひとつきした。
初めて自分で獲った獲物だった、思わずヤッター!!と叫んでいた。
『武は経験値2を手に入れた』
「まただ・・・」
相変わらず何も変化が見られないな
すぐに昨日の洞窟まで帰ってきた、早く食べたいけど重要なことがまだあった、火だ!
が、今日一日獲物の事を考えていた時に、昔の映画でトム・⚪︎ンクスが主演を務めた映画の事を思い出していた。
あの時どうやって火をつけたか?
まず板状の木を用意する、地面に少し空気の通り道の穴を掘る、次に板状の木に縦に割れない程度に貫通溝を掘る、ナイフでコンコンやってなんとか上手くいった、次にその溝に木の棒を当てがう、そして前後にこする何回も何回もそしてついに煙が出た、すかさず木屑に出来た火種を乾燥した葉に包む、そして柔らかく包み込んで軽く息を吹き込む
ボッ!ついた!火がついた!
「やった!何もないところから火をつけれた!」
『武は生産スキルが1上がった』
火おこしは生産なのね
俺はすぐに用意してあった拾い集めた薪を細い枝から慎重に乗せて行き、大きな木に火を移していく、そしてやっと焚き火になった。
だが、火がついた事に浮かれてばかりいられない、ウサギのような奴を解体しないと、こればかりはやって慣れないといけない、腹から内臓を取り出しとにかく皮を剥いでいった、まぁとりあえずは肉の塊になったので、小さく切り分けて串に刺して焼いた。
ジュウジュウと、肉の焼ける匂いと音が空腹を促進させ、とにかく早くよこせと、容赦無く要求してくる腹をなだめつつ焼く
そしてついに肉が焼けた、すぐそのまま口に放り込んだ!!
うまい!!・・・・・・けどこれは? 贅沢は言えないが、塩か胡椒が欲しいな、そんまま肉の味、しいて言うなら血生臭い・・・
「あっ!そうか魚も釣ったら血抜きをするんだから、当然動物もしないとな、失念していたな、まぁでも腹におさまってくれてありがとう、おいしく全部いただきます。」
武は自然と後出しではあるがウサギ肉に対して手を合わせていた。




