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【コミカライズ】俺だけ余裕の異世界サバイバル ~転移先の無人島で楽しむハーレムライフ~  作者: 絢乃


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083 チャーハン

 昼休憩が終わり、明日花と二人でアナグマの油を作ることに。


「必要なのは二つ! 中華鍋とアナグマの脂肪だ!」


 アナグマは見た目に反して皮下脂肪の多い動物。

 そのため、たった数匹で必要量の脂肪を調達することができた。

 土器の一つが白いブヨブヨの塊――アナグマの脂肪――でいっぱいだ。


「この脂肪を中華鍋で熱していく!」


「熱していくぅ!」


 何故か俺の言葉を真似る明日花。

 すこぶる上機嫌だ。


「油を抽出する際は、これでもかってくらいに脂肪を盛るといいよ」


 説明しながら実演する。


「そんなに盛っていいの!?」


「問題ない」


 盛りまくった脂肪を熱することしばらく。

 脂肪から油が溶け出てきた。


「まだまだ熱していくぜ!」


 熱すれば熱するほど、新鮮な油が溶け出す。

 ある程度したら油だけ別の土器に移し、再び加熱。


「オリーブオイルよりずっと楽な方法でたくさん採れるね!」


「その点が魅力の一つだ」


 さらに加熱を進めると、脂肪が変色し始めた。

 溶け出した油に揚げられているのだ。


「なんかココナッツオイルを思い出すよー!」


「ココナッツオイルの時は分離したミルクのカスを揚げて食べたよな」


「うん! アナグマの脂身も揚げたら食べられる?」


「もちろん。塩を振ったら病み付きになる旨さだぜ」


「ほんと!? 食べてみたい!」


「いいけど食べ過ぎに注意しろよー」


「はーい!」


 俺たちはこんがり揚がったアナグマの脂肪を食べてみた。

 海水から精製した塩をまぶし、パクッと一口。


「うめぇ!」


「美味しいー!」


 自然と笑みがこぼれる。


「これは病み付きになっちゃうかも!」


 そう言ってパクパクと揚げた油かすを食う明日花。

 そして――。


「オェェェ……。海斗君、苦じぃよぉ……」


 ――案の定、胃もたれを起こしていた。


「だから食べ過ぎに注意って言ったろ!」


「だって美味しかったんだもん……」


「ま、たまにはいいんじゃないか? こういうギットギトの食べ物を楽しめるのも若い内だけって言うしな!」


 そんなこんなでアナグマ油の完成だ。


 ◇


 七面鳥の卵も無事に獲得。

 夕方、ついに明日花がチャーハンの調理に動き出した。

 皆が見守る中、真剣な表情で作業を始める。


「七面鳥の卵って本当に鶏卵そっくりだねー!」


 明日花は油を敷いた中華鍋に玄米と卵を放り込んだ。

 それらが焦げ付く前に、麻里奈の作った木べらでササッと混ぜる。


「七瀬! 次の具材!」


「ラジャです先輩!」


 七瀬が横から様々な具材を渡す。

 明日花は受け取るなり鍋にぶち込んでいく。

 材料の中にはアナグマの肉も含まれていた。


「あとは塩で味を調えて……完成!」


 特製チャーハンが出来上がった。


「すげー! めっちゃ美味しそうじゃん!」


 声を弾ませる千夏。


「めっちゃいい匂い!」と希美。


「同感だ! さっそく食べてみようぜ!」


 俺たちは各々の弁当箱を差し出した。

 そこに明日花が少しずつチャーハンをよそっていく。


 一人あたりの量が非常に少ない。

 一口ないし二口で食べ終える程度のみ。

 米と卵の都合で一人分しか作れなかったからだ。


「いつも以上に味わって食べないとな!」


「「「「「いただきます!」」」」」


 俺たちは緊張の面持ちでチャーハンを口に運ぶ。

 一粒すらこぼさぬよう慎重に。


「「「美味しー!」」」


 誰もが感動した。

 醤油を使っていないのに文句なしの美味さだ。

 パラパラしているのも素晴らしい。


「アナグマの油と肉を使っているだけあって独特の甘味があるな」


「それがまたたまりませんねー!」と七瀬。


「これならここのお米もガンガン食べられるよ私!」


 千夏の意見に皆が「私も!」と続く。


「動物たちに玄米の収穫を頑張ってもらわないとね!」


 明日花が満面の笑みを浮かべる。

 異世界の無人島で食べる初めてのチャーハンは大成功だった。

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