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43 お昼寝

 でもまずは、収穫した物の中から種として使う物を分けて、と。お昼ごはんも大事だけど、目の前のことに集中しないとね。


 ふんふんふ〜んっ。


「エル、ご機嫌だな」


「だって、畑仕事って楽しいんだもん。植物の力ってすごいよね?魔力を吸収することで、こんなに美味しそうになるんだよ?このトマトも、艶々して美味しそう」


「それを言うなら、これだけの畑の植物を一瞬で成長させられるエルの力が大したものだと思うがな。疲れてないか?」


「大丈夫。元気だよ」


 身体を動かすのが楽しくてたまらない。どうしてか、土を触っていると元気がもらえる気がするよ。


「クロム様、エル様、あとは我々でやっておきますので、お休みになってはいかがですか?」


「ありがとうロコル=カッツェ。でも、残す物と送る物を選別しないといけないし、まだ残るよ」


 美味しい物ならギベルシェンも食べてくれることがわかったから、いっぱい料理を作って食べてもらうつもりなんだよね。そのためには、美味しい食材が必要なの。いっぱいお仕事頑張るよ!


 ふんぬっ。


「だめだ。おまえは働きすぎだ。家へ帰って少し休むぞ」


 気合を入れたものの、クロムに抱き上げられて強制的に畑仕事を終了させられた。


「それじゃあ、手紙だけは書かせて!花の蜜を入れる桶が必要なの!」


「わかった。それが終わったら休むぞ」


 家に帰って木札に注文を書き込むと、すぐにクロムがサムサに渡してしまった。


 サムサは転移の魔法陣を使うため、さっさと洞窟へ出かけていった。


「あら?エル様、ちょっぴり疲れた顔をしてるわよ。シーツを取り替えたから、ゆっくり寝てきてね」


「そんな必要ないよ、アリア。それより、お昼ごはんの支度をしなくちゃ………」


「だめよ。エル様はまだ生まれて間もないんてしょ?無理をしたら身体に負担がかかるわよ。ごはんなんて食べなくても死なないんだから、しっかり休んで」


「え〜〜〜」


 誰も味方になってくれない。疲れてなんかいないのに。


 わたしがふくれっ面をしている間にクロムに清浄魔法をかけられ、気づけば2人でベッドに横になっていた。


「………眠くないのに」


「それでも休め。エルは何でも一度にやろうとしすぎる。抱え込みすぎだ。おまえの言うことを聞くギベルシェンがいるのだ。何でも自分でやろうとせず、指示を出してやらせろ」


「でも………」


「余裕がないと、楽しめないぞ」


「それはわかるよ。でも、やりたいことがいっぱいで時間が足りないの」


「時間ならたっぷりある。エルは成長を急ぎすぎなのだ。もっとゆっくりやれ」


「でもぉ………」


「でもじゃない。もう休め」


 クロムの手に目を塞がれて、視界が暗くなった。いくら抵抗しても、クロムはわたしを休ませようとするだろうと思った。それなら、休むしかない。そう思うと、身体の力が抜けた。


 クロムにぎゅっと抱きつくと、クロムがビクリとした。


「クロム、大好き」


「………俺も好きだ。だから、早く大きくなれ。今のままでは小さすぎる」


「??………さっきはゆっくりでいいって言ったよ」


「それとこれは別だ」


 クロムがわたしの目から手を退けてくれたので、顔をクロムの服にグリグリと擦りつけた。


 ………いつの間にか、寝ていたらしい。気がつくと、仰向けに寝るクロムの上に乗って寝ていた。ほどよく引き締まったクロムの上は安定感があって寝心地がいい。


 それにしても、どのくらい寝ていたんだろう?窓から見える空はまだ明るい。夕方というわけではなさそう。


 クロムの身体から降りると、クロムの手が伸びてきてわたしの頭をするりと撫でた。


「クロム、いま何時頃かな?わたし、すごく寝ちゃってた」


「2時頃だろう。たしかに、良く寝ていたぞ」


「う〜ん。頭がすっきりしてるよ。クロムの言う通り、寝て良かった」


 クロムがベッドの上に身体を起こすと、今朝編んだ髪が乱れていた。寝ているうちに乱れたんだね。


「クロム、後ろを向いて。髪を結び直すよ」


「そうか。エルの好きなようにするといい」


 お任せしてもらったけれど、わたしは複雑な結い方なんて知らない。結局、左右で三つ編みを作り肩に垂らした。


 クロムの髪を編んだあとは、わたしの番。クロムに背中を向けると、ブラシで丁寧に梳かしてくれた。


「これはエルが持っているといい」


 そう言われてブラシと櫛をマジックバッグにしまった。その瞬間、階段を駆け上がってくる足音が響いた。


「クロム様大変!………と、エル様。やっと起きたのね」


 寝室に飛び込んできたアリアは、わたしを見てニコリと笑った。


「って、和んでる場合じゃなかったわ。森へ行ったエグファンカ達が、人間を捕まえてきたの」


「え?」


 エグファンカ達が人間を捕まえる?どうやって?


 クロムを見ると、眉間に皺を作っていた。


「さっぱりわからんが、俺を呼びに来たと言うことは、俺の助けが必要なんだな?」


「さすがクロム様!そのと〜り!人間は畑にいるわよ」


 アリアがニコニコしながら言うので、本当に急いでいるのか疑わしくなる。


 クロムはベッドから降りると同時に靴を作り出した。そしてわたしをひょいと抱き上げると、手招きするアリアのあとについて1階に降り、玄関から家を出た。

こんにちは〜。

パソコンをインターネットに繋ぐとフリーズ病気にかかったので(パソコンが)、パソコンをインターネットに繋がず小説を書いています。それを見ながらスマホに打ち込んでいるんですけど、入力が投稿に追いつかなくなってしまいました。

なので、1週間お休みしますね。すみません。

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