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131 冒険者ギルド

「はははっ。その顔、信用してないな?まあ、食ってみればわかるさ」


「お話中すみません。アレクさん、僕は商業ギルドに顔を出しに行きます。商業ギルドまで護衛をお願いできますか?」


「ああ、そうだった!」


「しっかりしてよね、リーダー!」


 ふうん。アレクがこのパーティーのリーダーなんだね。


「俺とソフィは、クロムとエルを冒険者ギルドへ案内して来る」


 え、そんな話聞いてないよ!?………いいのかな?ドーザーとソフィの時間を使っちゃって、申し訳ないな。


「じゃあ、あとで森猫亭で集合だな」


 勝手に話を進めると、アレクはハイーロを連れて去って行った。


 人混みに紛れていくふたりを見送っていると、クロムにひょいっと抱き上げられた。もう。自分で歩きたかったのに。


「こう人が多くては、目を離した隙にエルが迷子になりかねん。この方がいい」


 それもそうか。


「さあ、冒険者ギルドへ案内しよう。こっちだ」


 大抵の獣人は、ヒト族に比べて背が高い。ドーザーもソフィも背が高い。それに頭の上に耳がある分、さらに背が高く見える。


 そんなふたりを目印に街の中を進み、わたしとクロムはとても大きな建物に辿り着いた。仕事の報告に訪れる冒険者が多い時間帯なのか、色々な装備を身に着けた人達がその建物に吸い込まれるように入って行く。出て来る者は、報酬を受け取ったのか表情が明るい。


「ここが冒険者ギルドだ。さあ、行くぞ」


 冒険者ギルドの中は混んでいた。広いホールの奥にはカウンターがいくつも並んでいて、冒険者達はそのカウンターに行列を作っているようだった。


 そんな行列のひとつに並び、大人しく順番が来るのを待つ。


 待つ間、わたしはキョロキョロしたいのを必死に堪えた。


 だってだって、いままで見たことがない種族がいっぱいなんだもん!獣人だけでも、人型から獣の要素を色濃く残したタイプまで様々だし、犬獣人や猫獣人、熊獣人、ウサギ獣人もいる。他にはリザードマンに、ドワーフ!………エルフはいないなぁ。


リザードマンはトカゲのような顔と身体をしていて、ドワーフは筋肉の塊!という感じ。


 装備も動きやすさを重視した革鎧から、重い金属の重装備と様々だし、露出の多いお姉さんや、顔を隠した怪しいローブの男もいる。


 冒険者ギルドっておもしろい!


 わたしが人間観察している間に列は進み、ようやくわたし達の順番が来た。


「よおメルサ。相変わらず、ここは忙しいな」


 顔馴染みなのか、ドーザーが受付嬢に挨拶をした。


 メルサと呼ばれた受付嬢は、キツネ耳の人型獣人。すまし顔を美人さんだ。


「まあね。今日はなんの用?」


「こいつの冒険者登録を頼む」


 と言って、ドーザーはクロムの肩を軽く叩いた。


「いいわよ。あなた、字は書ける?」


「古代文字なら書けるが、いまの文字は書けない」


「………笑えない冗談ね。はぁ。代筆でもいいわよ」


 メルサは明らかに不機嫌そうな表情をすると、深くため息をついた。


 クロムは真面目だし、古代文字が書けるというのは本当だと思う。すごいね。今度、教えてもらおう。


「じゃあ、わたしが書くね」


 わたしが手を挙げると、メルサは目を見開いてわたしを見つめた。


「あなた、まだ7歳くらいでしょ?もう字が書けるの?」


「わたしは6歳だよ。どこに書けばいいの?」


「え、ええと。ここに、彼の名前と年齢、職業を書いてくれる?」


 メルサは木札をカウンターの下から取り出し、そこに書くようにペンも渡してくれた。


 わたしは木札に、クロム、26歳、剣士、と書いた。


 年齢は知らないから、見た目から判断してキテトーに書いた。もう少し若く書いても大丈夫だと思うけど、それだとわたしという子供が生まれた頃の年齢も若くなってしまう。23歳と書いてもいいけど、さすがにそれは………17歳で父親になったというのは早すぎる気がしてやめた。


「綺麗な字ね。あなた、名前は?」


「エルだよ」


 ニコリと笑顔を見せると、メルサの表情が緩んだ。子供好きな人なのかもしれない。


「エル。身分証を刻むのに、30分ほど時間がかかるの。待ってる?それとも、明日来る?」


 そんなことを聞かれても、わたしひとりでは決められない。ドーザーを見ると、わたしが困っているのを察してくれた。


「メルサ。ギルドで待つから、身分証を仕上げてくれ」


「わかったわ」


 そう言うと、メルサは木札を持ってカウンターの奥へ消えた。


 メルサの代わりに別の受付嬢がやって来て、カウンターについた。彼女は、ヒト族のようだ。


 次の人が待っているので、わたし達はカウンターを離れた。


「待っている間に、ギルドの説明でもしましょうか?」


「そうだな。頼む」


「任せて」


 ソフィがそう言ったとき、数人の女性冒険者がわたし達に近付いて来た。ヒト族と獣人が主だけど、リザードマンもひとりいる。ホールのあちこちから集まって来たから、ひとつのパーティーとは違うと思う。なんの用だろう?


「ねえソフィ。パーティメンバーを変えたの?その人、すごいいい男じゃない。紹介してよ」


 話しかけて来たのは、長い耳を持つウサギ獣人の女性だ。ウサギは草食系のはずなのに、彼女の目は獲物を狙う肉食獣のように見える。



こんにちは、ゆいです。

原因不明の頭痛に苦しんでいました。

あまりにも頭が痛くて、トイレ以外は布団の上で横になっていました。

今日になって、ようやく痛みは治まりましたが。なんだったんでしょうね?


そんなわけで、投稿が遅れてすみませんでした。

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