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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第二章 城塞都市・王都シャンポール
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第二章23 魔法のスティック作り1

 魔法学校の1年生は、魔法の基礎知識と基礎実技になる。

 クラスは黒、白、青、その他と別れたが、1年生は学ぶことは皆同じだ。

 2年生からは少し専門的になるが、クラスごとの専門となると3年生からが本番だ。

 

 学ぶことが同じなのに、1年生から魔法の才能ごとにクラス分けしたのは、やはり才能により明らかな差が出てしまうからだ。

 1年生では、白魔法のクラスも黒魔法を学ぶ。 知っていなければ防ぐことも解除することも出来ないからだ。

 『出来る事』と『知る事』は違うのだ。


 だがこれをもし同じクラスで両者が学んでしまうと、どうしても才能が無いのに無理して潰れてしまう生徒が出てしまうのだ。

 魔法師は人族の宝、学校で潰す訳にはいかないのだ。



 ディケム達は8歳時の才能鑑定後、エリートコースと言われる、王都での特別学校には参加していない。

 しかし、ラス・カーズ将軍率いる王国騎士団との合同訓練と、さらにはウンディーネという最高の指導者のもと、4年間も学んできた。

 さらにディケムに関して言えば、本の虫だったことで、魔法の知識は先生を軽く凌駕している。

 ディケムが読んでいる古代語の本、古代語が読める人など王都にすらほとんどいない。さらに古代神聖語ともなれば、皆無かもしれない。


 そして魔法学校ではフレア、メテオ、ホーリーなど最上級の魔法など教えてくれるはずもなく、教えられる教師も居ない。

 生徒は卒業までに、黒魔法科なら、火、水、氷、雷などの初級~中級魔法を何種類覚えられるか、になる。


 だから入学式にディケムに火炎球(ファイア・ボール)を撃ってきた新入生達、入学前にすでに火炎球(ファイア・ボール)を習得している事は、かなり優秀だと言う事だ。


 8歳から王都の特別学校で英才教育を受けてきた貴族たちなのだろう。

 まぁ、その自信とプライドがあるからこそ、自己顕示欲が強く、劣等生からは威張っているように見えるのだろう。


 そしてララが偶然出会ったマディラ達3人は、入学前にすでにミドルヒールまで使えるようになっている。

 まさに、才能が有る者は自然と集まるもの…… ララを含めたこの4人は白魔法クラスの優等生だ。



 だから正直ディケム達4人は魔法学校で学ぶことはあまり無い…… ように思えるが、実はそうではない。


 ウンディーネの知識は古代魔法に近い。

 しかし、今の魔法は誰でも使言える様に、系統立てて作られた現代魔法だ。

 特にマナから直接魔法を作れるディケムには必要ないように思えるが……

 やはり、知る事は大事なのだ。


 ディケムは今、魔法を発動するときに呪文を唱えている。 

 唱えると同時に、イメージでマナから魔法も変換している。

 要は呪文を利用した方が、演唱速度が速く、マナを変換するイメージを固定化しやすいのだ。

 現代魔法と古代魔法の良いとこ取りをしているのだ。

 これにはウンディーネも感心していた、現代魔法を軽蔑していたウンディーネも要は使い方なのだと、認識を改めた程だ。


 ディケム達は、すでに知っていることも多いが、慢心せず、まじめに授業を受けようと決めている。

 と言うより、学校すらなかった田舎町の子供たちだったので、単純に学校が楽しいのだ。



 4人は各自のクラスで、同じことを習い、家に帰ってきて各クラスで習ったことを検証し復習した。

 同じ事を習うにしても、黒魔法の教室だと簡単だと省かれることも、白魔法の教室だと丁寧に教えてくれたりしている。

 そこにさらにウンディーネが応用を教えてくれたりする。

 4人の共同生活は最高の学び舎になっていた。





 今月の学校の授業は【魔法のスティック】作りがメインになる。

 今後の授業、これからの学生生活で最も重要な道具になるからだ。


 杖は武器と同じカテゴリー、スティックは調合や細かい魔法を使うときに便利。

 もちろんスティックで攻撃もできる。

 ナタとナイフの違いのような物だ、ナタで鉛筆削るのは難しい。


 魔法学校の授業はかなり自由だ。

 スティック作りも、素材を全部買ってきて、仕上げだけ行っても大丈夫。

 仕上げのスティックへの魔法陣の組み込みが、基礎点になるからだ。


 学校は基本になる魔法陣を説明する、後の改良は自由、改良点が加点になっていく。

 改良した魔法陣が適正か、先生が確認してから作成に取り掛かる。

 スティック作りの様々な要素に付加価値が付けばつくほど加点されていく。

 素材にこだわる人、魔法陣にこだわる人、デザインにこだわる人、様々だ。

 スティックを作り終わった人は、自習時間と言う自由時間になる。


 だが、このスティック作りの評価は、1学期の点数の大きな割合を占めるので、みな真剣だ。


 今日の授業では一通り、スティックの作り方、基本となる魔法陣の説明などを行った。


 そしてこの後、事前に先生から、これぞという素材を各自持ってくるように言われ、持ち寄った素材を先生がチェックする。

 チェックして、作る方向性を決めて、改めて素材採集に向かうのだ。

 もちろん、先生からの許可が下りれば、今日持ってきた素材で作っても構わない。


 実はこの素材集めが曲者だ、人族の魔法師は希少だ、希少と言う事は数が少ない。

 数が少ないと言う事は、魔法師用の武器、道具、素材は商売にならないので殆ど売っていない。

 売っていても高額だ。

 大半の魔法師は自分の道具は自分で素材を採集して、自作するのである。


 魔法のスティックに使う素材は、

 ・本体になる棒

 (素材は、木、角、骨、など様々な素材が使用可)

 ・スティックの後ろに着ける触媒

 (素材は水晶、宝石、金属、など様々な素材が使用可)

 ・スティックに魔法陣を焼き付ける羊皮紙


 この3つだけだ。


 羊皮紙は、焼き付けるだけなので、皆使うものは共通だ。


 皆がこだわり個性を出せるのが…… 本体の棒と、媒体になる宝石、魔法陣だ。

 棒も触媒も、マナの内包量が多いい物が良い。



 俺が今日持ってきた素材は、この前作った杖と同じ神珠杉の枝だ、【神珠の杖】があまりにしっくり来たので同じ感じで作ろうと思っている。


杖? ステッキ? スティック?


大きな杖と小さな杖の使い分けがどれか分からなくて………

小さい杖=スティックにしました。 間違っていたらごめんなさい。 

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