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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第五章一節 それぞれのイマージュ  ララと妖狐
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第五章11 浄化付与

ララ視点になります。


 ララのクリスタルドラゴンゴーレムが、ガシャ髑髏を足止めしているあいだ―――

 一〇〇体のスケルトン討伐が始まる!



 スケルトンは動きが遅く、鍛えられたアダテ領憲兵隊ならば、それほど苦戦する事もなく倒せるだろう。



 だが…… スケルトンは直ぐに復活してしまう。


 スケルトンは浄化の力が無いと倒せない!



 何の対策も事前準備もなく、弱いモンスター、たかがスケルトンと侮っていると……


 戦士学校のダンジョンで、コルヴァス達が窮地に追い込まれたように――

 実はアンデット系は、とても厄介なモンスターなのだ。




 一〇〇体ものスケルトンを倒すには――


 アダテ領憲兵隊を集め、兵士の武器へ、ルナの加護で聖属性付与するしかない!



「ヴィニコル、ヴォルタさん、スケルトンを倒すために、皆の武器に聖属性を付与します。 私が準備している間に、アダテ領憲兵隊の皆を集めてください!」


「ララさん! 憲兵隊って五〇人は居るんだぞ! 五〇人に属性付与なんて無茶過ぎる! 魔力が足りるわけがない!」


「ヴォルタさんララを信じて! 彼女は出来ない事は言わないから!」


「し、しかし………」



 私はヴォルタさん達に笑いかける。



「グッ……分かった! しかし無茶はするなよ!」

「はい」


 ヴィニコルとヴォルタさん達が憲兵隊を集めに走って行く。





 私は、ディケムから借りている【精霊の召喚宝珠】を取り出す。


 私が持ってきたのは水の精霊ウンディーネ様!


 大きな声では言えないが、私たち幼馴染はディケムとマナのラインで繋がっている。

 離れていると、ディケムから直接マナを受け取ることはできないのだが……


 ウンディーネ様が居ると、ディケムと繋がっているウンディーネ様の力で、【マナの本流】からマナを引き出すことが出来る。


 水・流れを司るウンディーネ様の固有スキル【マナ・コネクト】の力でしょう。

 これは何度も試したが、私達幼馴染三人しかできなかった。




 私はウンディーネ様の力で、【マナの本流】とラインを繋ぐ。

 ディケムのように大量に無尽蔵とはいかないものの、私程度の魔力なら補充して余りあるマナが私に流れ込む。



 そこにヴォルタさん達が、アダテ領の憲兵隊を連れて戻ってきた。

 ヴォルタさん達は、私の肩に精霊ウンディーネ様が乗っていることに目を見張る。



 五〇人もの憲兵隊への加護の付与、マナの確保は済んだけど……

 時間が無いのでアダテ憲兵隊全員一気に加護を付与したい。


 私は水晶玉を六個作り出し、アダテ憲兵隊を囲むように地面に放り投げる。

 そして水晶玉をマナの線で結び、憲兵隊を囲う六芒星(ヘキサグラム)の魔法陣を作り出す。


 五芒星(ペンタグラム)は浄化、六芒星(ヘキサグラム)は力の増幅、付与に適した魔法陣だ。



 そして術を発動する———!




「四柱神を鎮護し、天地・光闇・火水・風土・陰陽、五陽霊神に願い奉る……」


 ⋘―――Χορήγηση(コリギシー)κάθαρση(カタルシス)(浄化付与)―――⋙




 六芒星(ヘキサグラム)の魔法陣が白く光り、ヴォルタさん達とアダテ憲兵隊を包み込む!


 そして光が収束すると——

 魔法陣の中にいた皆の武器と防具に聖属性が付与され、微かに光を帯びている。



「おぉ! し……信じられん! 本当に五〇人全員に聖属性付与を成功させやがった——!  これじゃまるで…… あの時のソーテルヌ卿じゃないか!」



 ヴォルタ達は、規模こそ違うがエルフ戦でディケムが見せた、軍隊への加護付与を思い出し……


 アダテ憲兵隊は初めて見る、五〇人以上に加護付与を成功させた広域魔法に唖然としていた。




「皆さん! ボーっとしている暇はありません、これでスケルトンは倒せるはずです! さぁ頑張ってください!」



 我に返ったアダテ憲兵隊たちは、ララに敬礼をして直ぐに市民を守るための戦いに向かう。





 一〇〇体のスケルトンはヴォルタさん達とアダテ領兵士に任せて、ララとヴィニコルはガシャ髑髏に向かう。



「ララ、ほんとに魔力は大丈夫なの?」


「うん! ウンディーネ様が居るから既にフルチャージよ!」



 そう言い、あの大魔法を成功させた後、すぐに元気に腕をグルグル回すララを見て、ヴィニコルはその理不尽な仕様にため息を付く。



「ほんと、使い方次第で精霊様の力はいくらでも強くなると……、ディケム様に言われた言葉を実感するわ」



 そんな話をしつつ――

 私たちはガシャ髑髏のそばまでたどり着く。

 そして、いつものようにヴィニコルに目で合図する。




「ではヴィニコル! 一気に行くからその間、私を守ってね!」


「イエス、マーム!」





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