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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第五章一節 それぞれのイマージュ  ララと妖狐
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第五章1 小隊編成


 暗黒竜ファフニール事変の後――

 シャンポール王はファフニールを国民に守護竜としてお披露目した。



 しかし、地下の迷宮都市ウォーレシア王国の事は国民にはまだ公表しない事にした。


 ファフニール以外にさらに地下に魔物の国が有るなど、国民の理解の許容キャパを超えてしまうと云う、憂慮からの決断だ。

 だが極秘裏に、お互いの王国同士での異文化交流は行う事になっている。




 そしてダンジョンだが、これからはアウラが管理する事になった。

 精霊アウラは、ウンディーネ達と同じ個としての存在では無いのだが……

 どちらかと言うと個に近い精霊らしい。


 なので、ダンジョンとウォーレシア王国を管理するために、俺が精霊結晶を作り、それを依り代に精霊アウラの分体を憑依させ、それをウォーレシア王国の姫、エティ殿下に渡した。



 暗黒竜の封印が無くなったおかげで、アウラは余分な力を使わなくてよくなった。

 その為、分体で十分ダンジョンとウォーレシア王国を管理していけるらしい。


 ま~、管理と言っても見張り程度らしいので問題ないだろう。





 そして俺は、各国各地への支援要請に答えるように。

 今までの諜報や研究の専門部署とは異なり、直接に軍事行動が行える軍隊を作る事にする。


 ………と言っても。

 まだ総隊として形だけを整えたに過ぎず、ありがたい事に膨大に貰う転属願いも全て断っている現状だ。



 よって現状、身軽に動ける小隊を二つほど作るだけに留めている。

 だがこれは、ウンディーネの希望でもある。


 人数を集めた部隊ならば、ラス・カーズ将軍の第一騎士団やその他の騎士団を使えばいい。

 今の立場、『公爵位』『王都守護者』の肩書を使えば簡単な事だろう。


 しかしソーテルヌ総隊に求められることは、少数精鋭部隊。

 少数で、戦況、大局を覆すことが出来る精鋭達、英雄の育成になる。




 とりあえずソーテルヌ総隊に、二つの小部隊パーティーを作り派遣することにした。

 コルヴァス率いる隊と、カミュゼが率いる隊だ。



 コルヴァス部隊は

 コルヴァス、ドルジャ、トプハネ、ヴィニコル、カヴァクリデ、ティナ

 戦士学校の四年生で組んだ、戦士中心とした攻撃特化型の小隊になる。



 カミュゼ部隊は

 カミュゼ、ギュヴェン、マディラ、トウニー、ポート

 ヒーラーが二人と精霊魔法師、守りタイプのバランス型小隊になる。


 ポートは精霊部隊なのだが、カミュゼのサポートとして付けることにした。




 この二小隊は、まぁ訓練兵みたいなものだ。

 ソーテルヌ総隊への依頼で、比較的安全な仕事をこなしてもらっている。

 簡単な討伐依頼から、護衛、教会での炊き出しまでも行っている。


 仕事の振り分けは全て、総隊総帥のラトゥールが決めている。

 文句など言える者は誰も居ない。



 そしてラトゥールは、難しい仕事のときは二小隊合同や、必要な人員の補充、トレードを行ったり、自由に編成を組み替えている。

 猛将のイメージが強いラトゥールだが、実は部隊運用にこそ、その真価を発揮していた。

 その巧みさには感嘆させられる。


 部隊を度々組み替えるのに、わざわざ二部隊作ったのは……

 競い合って切磋琢磨させたいと、ラトゥールが編成した事をそのまま採用した。




 また、難易度A級以上の難しい支援要請には、ララ、ギーズを別働隊として派遣する事になっている。

 もちろん一人では行かせない、適任のサポーターを各部隊から選出して、一緒に送り出す。



 まず初めはそんな感じで、各国依頼への支援をスタートさせた。




 各部隊が依頼で出動するときには、必ず精霊の宝珠を一人一個は持たせた。


 精霊の宝珠は、作るのはそれ程難しくなく、俺の意志と反した時は使えなくなるので、危険性も無い。

 使用を規制するつもりはないのだが………

 皆が最後の切り札として使いたいようで、厳格に管理されているようだ。



 なので、俺は皆を固有結界の訓練場に集める。




「みな忙しいところすまない。 これからの訓練で行ってもらいたいことが有るので集まってもらった」


「「「「はっ!」」」」 皆が王国騎士団式の敬礼で答える。



「精霊の宝珠なのだが…… 仕事の依頼で出動するときに、極力使わないのはそれでいい。 精霊は簡単に呼び出せていい存在ではない! それを国民が勘違いしては後々問題が大きくなる」


「「「「はっ!」」」」



「だがしかし、使わなければ、皆の精霊を扱う熟練度が上がらない」


 皆が目を見開く!


「精霊も使い方でその力は何倍にも膨れ上がる。 そして…… 皆が工夫すれば、私が思いもしなかった使い方も出てくるだろう。 それは私の為にもなる」


「「「「はっ!」」」」



「これから訓練の時は必ず、この訓練場で一回は精霊を使って訓練をしてくれ。 この固有結界の中でなら、宝珠は何度でも使用可能だ。 そして各自、自分に相性のいい精霊があると思うが、それ以外の精霊も必ず慣れておくように。 任務によっては、精霊を変える必要があるからだ」


「はっ! ありがとうございます!」



「ちなみのこの訓練場は、王国軍第一部隊も使っているが、『精霊宝珠』は君たちにしか使えなくなっている。 使えないのだが、第一部隊に宝珠を触らせることも禁止する。 精霊は尊厳を持って接しなければ、君たちに力を貸さなくなるだろう」


 皆が息をのむのが分かる。



「ここに用意した宝珠は、固有結界から出すことは出来ないが、しっかり管理するように」


「「「「はっ!  イェス・ユア・デューク!!!」」」」




 ちなみに精霊の宝珠は、金属鉱石の精霊アウラだけは作っていない。

 アウラは個に近い精霊なので、使い方が難しく、複製し過ぎると問題が起きそうなのでやめておいた。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公が隔絶した力を持ちながら傲慢でなく、力を行使すべき時には行使していた。四章までなら★★★★★だった。 [気になる点] 第三者視点が増えた・・・ [一言] 五章から面白くなくなり、六章…
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