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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第四章 地底都市ウォーレシアと封印されし暗黒龍
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第四章44 ファフニールのお披露目


 そして翌日――


 国民に向けて、王から『暗黒竜事変』の説明がされる。

 その対処の速さに感嘆させられる。



 王城の中庭が解放され、中庭に国民が押し寄せる。

 城のテラスから国王が国民にスピーチをする。




 『暗黒竜とこの国の成り立ち』を――

 そして暗黒竜を王国守護者ディケム・ソーテルヌが倒し、暗黒竜ファフニールがシャンポール王国の守護竜になる事を告げた。



 そこで俺がファフニールに乗り、王都上空を飛び回った。

 そして城の屋上に降り立ち、一度大きな咆哮をあげ、また上空へ飛び立ち、王都を飛び回る。



 恐怖の象徴であったファフニールが守護竜になる!

 これほど国民には心強いことは無いだろう。

 最後は飛び回るファフニールに、王都中からの大歓声が送られた。


 国民の大声援の中、ファフニールを周知させるパフォーマンスは、大成功に終わった。





 国民への演説が終わった後。

 俺、ラローズ、ルル、ギーズ、ポートが謁見の間に集められる。



「ソーテルヌ卿。 本日の国民への演説、協力を感謝する。 おかげで国民はファフニールを受け入れてくれたようだ」


「はい。 これでファフニールを公の場に呼ぶことが出来ます。 そしてシャンポール王国の守護竜として、各国へアピールすることも出来ました。 今後、守護竜として名実ともに活躍してくれることでしょう」



 謁見の間に集まった貴族達からも、歓喜の声が漏れる。




「さて、ソーテルヌ卿。 此度のそなたの偉業に対しての褒美なのだが…… そなたに侯爵を陞爵(しょうしゃく)(功績により爵位が向上する)してまだ一年もたっていない。  しかし…… 此度のその方の働きに、陞爵以外には我らは与えられる物が無い…… また形式だけの恩賞になってしまうが許してくれ」



 俺が了承の意を示すと――

 王が皆に告げる!


「ソーテルヌ侯爵を『公爵』に陞爵とする!」



 謁見の間の貴族たちから盛大な拍手を送られる。



「ソーテルヌ公爵、侯爵の時も話したが、王都の守護はお前以外考えられぬ。 今後も、王都守護者の任を兼任してほしい」



『承りました』 俺は了承した。




 そして俺の陞爵のあと、暗黒竜から町を守るため、最前線で結界を張り続けた四人、ギーズ、ララ、ラローズ、ポートにも爵位が陞爵・叙爵されることになった。


 誰しもが逃げまどう中、死の覚悟をもってその任をやり遂げてくれたこの四人、この四人を評価してくれたことを俺は嬉しく思う。




 ララが騎士爵から女准男爵に陞爵した。

 そしてオリハルコン装備を所持していることで、名前だけが先行していた【勇者】の称号も改めて王より賜った。


 後日、側近のマディラから人族における『勇者』の在り方、勇者の証『オリハルコン装備』について説明された。

 『オリハルコン装備』は人族の宝。

 国が管理し有事の際に、国が認定した勇者に貸し出されると……


 『あれ?』 俺、勝手にララに上げちゃったけど…… ダメだったの?

 

 後日、それとなくマール宰相に聞いてみたが……

 暗黒龍まで使役するその方らに、『オリハルコン装備』の個人所持など他愛もない事だろう。

 文句を言える貴族など居るはずもない。

 気にせずそのまま使え…… との事だった。




 そして、ラローズ、ギーズ、ポートが騎士爵を叙爵された。



 ラローズとポートは親が伯爵と男爵家になるが、これは親の爵位。

 二人には親とは別に騎士爵を持つことになる。

 親が亡くなったときに、襲爵、親の爵位を継げば爵位が上がる。


 もしラローズが爵位を持っていない場合、グリュオ家の家督はカミュゼが継ぐ。

 そうなるとラローズは爵位無しの普通の平民になってしまうらしい。


 もちろん、ラローズはラス将軍と結婚して伯爵夫人になるのだろうから心配ないが。

 今回、ラローズとポートは騎士爵を賜ったので、家督を継がなくても貴族で居られるようになった。

 また複数の爵位を持っていれば、複数の子供に襲爵させることが出来るようになる。


 ちなみに俺は、世襲貴族爵位【伯爵・辺境伯・侯爵・公爵】を持っている事になる。

 子供四人までは安泰だ。

 この国が滅んでいなければの話になるが……




 そして―― ギーズだ!


 ララに続き、ギーズが騎士爵に叙爵された。

 貴族名【フィジャック】を受け賜わり、ギーズ・フィジャックとなった。

 ギーズは照れていたが、ディックの手前手放しでは喜べなかったようだ。




 今回の叙爵で、ソーテルヌ総隊の親衛隊ではディックのみ爵位が無い。

 宰相よりバランスをとるため、ディックにも騎士爵叙爵の話が合ったのだが……

 しかしディックが頑なに断ったのだ。

 『必ず実力で爵位を取って見せる!』と……


 いらぬプライドのように思えるが、男なんてそんなものだろう。

 まぁ、ディックが爵位を貰うのも時間の問題だろうから、そっとしておくことにした。





 そして――

 謁見の間での陞爵・叙爵式が終われば、恒例のボールルームでの舞踏会が開かれる。



 そこは貴族たちの生き残りをかけた戦場。

 欲望、陰謀が渦巻く派閥争いが始まる――!

 などと…… 俺は舞踏会に、勝手に真っ黒なイメージをいだいていた。



 俺はこれ苦手なんだけど……

 ララとラトゥールが大はしゃぎだから付き合うしかない。



 これ…… ギーズはきついだろうな~ と思う。




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