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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第四章 地底都市ウォーレシアと封印されし暗黒龍
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第四章4 迷宮攻略開始


 『さぁ~! 俺達の初ダンジョンだ! 気合入れていこう――!』

 『おぉ―――!』


 四人でダンジョンに向けてテンションを上げる!

 そして、取り合えずララにクリスタルの武器をお願いしようとしたら……


 『初めからクリスタル装備など禁止に決まっているだろ!』とウンディーネに怒られた。

 『あぅ…… で、ですよね~』初めてのダンジョンに慎重になり過ぎたようだ。

 

 なので、迷宮受付で売っている一番安い装備、銅の装備一式をみなで買う。



 ちなみに、装備の強さ、金属の等級は。

 銅 → 青銅 → 鉄 → 鋼 → ミスリル →

 オリハルコン → アダマンタイト → ヒヒイロカネ

 だそうだ。


 普通の冒険者ならば、鋼の装備を一式揃えるのが目標となる。

 ミスリルはダンジョンでしか手に入らない、冒険者が一生をかけて手に入れたい装備。

 フル装備をそろえる事が一流冒険者の夢だそうだ。


 オリハルコンになれば国が管理する国宝級。

 アダマンタイト以上は、古の武器、伝説の武器、アーティファクト、神器などetc

 まぁ…… そう云う物だ。


 おれの、金翅鳥王剣、鬼丸国綱、ハスターの指輪

 ラトゥールの、ゲイボルグ

 これらがそれにあたる。

 おれの自作の神珠の杖はマナの内包量としてはこの部類になる、素材は木だが。

 

 それ考えると、魔神族カステル王には感謝しかない。 

 俺の装備、ほとんど貰いものだ………。




 ダンジョン攻略は――

 授業で模擬戦をやっておいてよかった。

 不慣れな武器も、模擬で粗方の使い方を学んでおいたお陰で、体がスムーズに動く。


 そしてやはり上層は心配する程の敵は居ない。

 さすが学校が管理するダンジョンだけの事は有る。

 学校の教育プログラムとそれをすぐに実践できるダンジョン。 

 学生は午前中に勉強して、午後はダンジョンで実践に行くことが多いい。

 とても良く出来た組み合わせだ、最高の教育環境だと思う。



 ダンジョン上層は素人に優しい、敵も弱く作りも単純だ。

 だが、その分ドロップ品はろくなものが出ない。


 一階層は隅々まで探索したが、銅装備ばかり青銅の槍が一本出たぐらいだ。

 二階層も一階よりは少しマシ程度の簡単なモンスターしかいない。

 ここはでは、青銅の装備の入手率が増えた。


 三階層、ここでの入手はすべて青銅製になった、今日は三階層までと決めていたので、全員分の青銅武器を手に入れて終了。

 まぁ、セオリー通り下層に行くほどドロップも良くなる。



 翌日、カミュゼとギュヴェンにダンジョンの事を聞く。

 学校のダンジョンなだけあり、小規模ダンジョンではないかと推測されているらしい。


 今のところ学生がたどり着けたのは八階層が限界らしい。

 六階層からごくたまに、鋼の装備が手に入る、学生はこれを狙っている。

 昔、調査のために、プロの冒険家が十階層まで行った事があるらしい。

 その時にミスリル装備が出たと言われている。

 ミスリル装備は冒険家しか手に入らない、いつか欲しい憧れの装備だ



 ここのダンジョンは、現在分かっているだけで十階層。


 そもそもダンジョンってなに? って話だが。

 ダンジョンにもいろいろ種類がある。

 ドラゴンなど巨大な魔物が掘ったねぐら、自然に出来た洞窟、人工物の迷宮などだ。


 魔物のねぐらや自然洞窟は、自然にそこに魔物が住み着き、宝を巣に集めて来たりする。

 ドラゴン攻略とかになると、宝はドラゴン素材とドラゴンが今まで集めてきた宝になる。

 

 住家や洞窟なので、迷宮の様に入り組まない、シンプルな作りが多い。

 その為大人数の部隊編成攻略が出来る事もあり、オリハルコン以上の宝は、ここで手に入る事が多いい。


 そしてもう一つのダンジョン、人工的な迷宮だ。

 迷宮は、高位の魔法使い、魔神、悪魔、知能が高いドラゴンなど、至高の存在までたどり着いた者が作る事が多いい。


 【ダンジョンコア】という、迷宮をコントロールする神器を用いて、マナ・魔素を使い魔物や宝を作り出す。

 ダンジョンを作り出した者が高位であればあるほど、迷宮は深く規模が大きく、魔物も強く、良い宝がドロップする。

 人工的な迷宮のため、魔物もドロップ品も迷宮の作りも、製作者の趣向に偏る。


 そして迷宮の一番の特色は、作られた迷宮ならではの、宝箱、罠、フロアボスなどをギミックとして用意されている事が多いい。


 迷宮のドロップ品は、迷宮製作者の力量に依存するところが多いので、ドロップするアイテムはミスリルまでの事が多いい。


 だがもし、神代のドラゴンや魔王級の悪魔などが作った迷宮ならば、最初に述べたオリハルコン級の宝が望める迷宮になる。

 もちろん…… ダンジョンマスターの高位のドラゴンなどに勝てるのであればの話だ。



 そしてこの迷宮は、宝箱のギミックが有るだけで、作られた迷宮だと分かる。

 さて…… このダンジョンの製作者、ダンジョンマスターはどれ程の存在なのだろう。




 『カミュゼとギュヴェンはどこまで攻略できているんだ?』俺が聞くと……


 ギュヴェンは『私はいま六階層、まだ鋼の装備は手に入れられていません』という。


 『カミュゼは?』とララが聞く。

 『私も六階層なのですが…… 父から鋼の装備一式頂きました………」


 『………………』微妙な空気が流れた。


 いや…… 親の財力も力の一つだ、しょうがない、世の中そう云うものだ。


 『わ、私たちも、鋼装備目指そうね~ アハハ』ララが話題を逸らす。

 『アハハじゃない』痛い子を見る目でララを見た――



「さて! 今日の目標は全員鉄装備です! ファイト~!」


 『おう~!』四人で気合を入れてダンジョンに向かう。



 四階入り口までのマッピングは済んでいる。

 ダンジョン攻略の基本はマップ作り、なぜかみなこれを面倒くさがる。

 罠、モンスター情報など、細かく書き込んでいく。


 『ディケムってマメだよな~』とディックが言う。


 俺は言う『さっきララは目指せ鋼と言ったが、おれはミスリルを目指している』

 『えっ!』と皆驚く。


「いや、本当はこのダンジョンの奥の方に、精霊が住んでいるっぽい。 そこを目指している。 だから皆気合を入れてくれ!」


 皆、頷き顔つきが引き締まる。



 四階層のモンスターはそれほど強くない。

 入手アイテムに鉄製の装備が出てきた。

 五階~六階層と一気に階層を勧める、正直俺たちのパーティーならまだいける。


 六階層では、鋼の装備は出なかったが、皆の装備を鉄製で揃えることが出来た。

 七階層へ行く階段を確認して、今日の探索は終了とした。


 現時点での学生の最高到達階が八階層。

 今年のグラディアトル大会の最有力候補ですら、八階層が限界。

 って事は、七階層からかなり難易度レベルが上がるのか?


 まあ良い、明日確かめてみよう。



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