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寂滅のニルバーナ ~神に定められた『戦いの輪廻』からの解放~  作者: Shirasu
第四章 地底都市ウォーレシアと封印されし暗黒龍
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第四章2 戦士学校の授業


 戦士学校の門を潜り、まずは職員室がある校舎に向かう。

 学生たちが訓練をしている校庭横、石畳の歩道を歩いていると……


  キラ……… キラ………


 ⦅ん? 何か(・・)俺の周りでキラキラしている………⦆


 ⦅ウンディーネ?⦆と念話で問いかける。

 ⦅なんじゃ?⦆


 ⦅なにか時々、キラキラしたのがチラつくんだが………⦆

 ⦅ほぅ…… なるほど、この学校アウラが居るかもしれんな⦆


 ⦅なんだ? アウラって?⦆

 ⦅金の精霊じゃ、まぁ金属鉱物などに宿る精霊じゃな⦆


 ⦅ほほ~⦆

 ⦅ここは戦士の学校、鉄とか鋼とが多いから居るのかもしれんな…… 面白い⦆


 おれは疑問をぶつけてみる。

 ⦅金属の精霊って、凄いのか? ルナのクリスタルや鉱物系じゃダメなのか?⦆


 ウンディーネが教えてくれる。


 ⦅クリスタルも硬くていいんじゃが、金属鉱物は粘りがあるじゃろ? 鉱石系は超火力に弱い、特に最高硬度になると元が炭素だからな。 そして鉱石は一定の強度を加えると砕けてしまう⦆


 ⦅じゃが、金属鉱物は熱に強く、むしろ柔らかい、柔らかいから粘りが有り衝撃に強いのじゃ⦆

 ⦅なるほど!⦆


 ⦅例えば、最高硬度のダイヤモンドで作った剣にイフリートを憑依させて超火力にすると燃えてしまう、もちろんお前はフェニックスが居るから復活するが、効率が悪い⦆


 ⦅じゃが、オリハルコン、アダマンタイト、ヒヒイロカネ などの金属鉱物は、粘りが有り熱に強い! イフリートを憑依させて超火力にしても問題ない、そして柔らかいから折れにくく、砕けないのじゃ⦆


 ⦅なるほど……⦆


 ⦅お前の鬼丸国綱と妖炎獄甲冑 はヒヒイロカネで出来ているからの⦆


 ⦅おぉ! ぜひお近づきになりたい!⦆

 ⦅じゃろ!⦆




 そんな話をしながら、職員室に行く。

 紹介された担任の先生は、ラスさんのパーティーメンバー、タンクのドーサックさんだった。


 なんだ? 魔法学校にはラローズ先生、戦士学校にはドーサック先生……

 学生のうちから優秀な人材に目星でもつけているのか?



「ドーサックさん…… いや先生、よろしくお願いします」


「ああ、よろしく。 ラローズからビシバシ鍛えてほしいって言われている。 覚悟しておくように!」


「お、お手柔らかに、お願いします……」



 その後、全校朝礼で、魔法学院生代表の交流留学生として紹介される。

 自分で言うのもなんだが、俺を知らない学生はいない。

 ララも結構有名になってきている。


 ここで辛いのが、ディックとギーズだろう。

 先のエルフ戦役での城壁戦、目立ったのは、ララ、ポート、ラローズ先生だ。

 ラローズは先生だからまだしも……

 なぜ留学に来るのがポートではなくディックとギーズ? と皆思う。

 って言うか…… この二人は誰? となってしまう。


 全く無名の二人が、ソーテルヌ総隊の徽章を付けている。

 しかもララと同じ近衛隊の王冠マーク付きの★五。

 

 この二人が重要人物だと言う事だけは、徽章の階級とここにディケムと一緒に来たことが示している。

 学生たちの想像だけが、暴走していく。

 ソーテルヌ総隊の秘密兵器だの、とても高貴などこかの王族なのでは? など……



 だがそんな事は、恋に目が眩んだ、いちファンには関係無い!

 戦争の最前線で目立つ女性は、たいていファンがつく。

 あの生死をかけた戦場に女性が居たら大抵の男は惚れてしまう。

 状況がそうさせてしまうのだ。

 ギャップ萌え、いや生存本能が子孫を残せと男のサガなのかもしれない。

 そんな訳で、ララとポートにはそれなりのファンが居る。

 そしてポートファンが、なぜポートが来ない?

 しかも『変わりが男って……』となる。


 ま~しょうがない、二人とも頑張れ。




 そして、授業が始まる。

 さすが戦士学校、授業の内容は基礎体力作りが基本だ。

 一日の半分は、ひたすら走る、森を走る、山を走る、とにかく走る。

 とにかくキツイ。


 残りの授業は、座学と実技。

 座学は、武器の選び方、剣術とは、盾の使い方、タンクとは、パーティーの役割、前衛の役割、ヒーラーを守る大切さ、シーフの重要性…… など。


 今までなんとなく分かっていたことをしっかり系統立てて教えてくれる。

 魔法学校は、どちらかというと、個の能力を伸ばす教え方をする。

 それに対して、戦士学校はパーティーの重要性を重視した教え方をする。

 パーティーリーダーが戦士のほうが多いわけだ。



 そして今日の授業は自分に合った武器を選ぶ!だ。


 目の前に、ナイフ、剣、刀、槍、斧、弓、クロスボウ、ナックル、盾 がある。

 摸擬をしながら、自分に合った武器を選ぶらしい。

 魔法学校では無いので、杖は無い。


 俺は自分の武器は、杖と刀だと知っている。

 そして、刀は剣鬼だった前世の記憶によりかなり自信がある。


 だが…… この学校内での俺のポジションはタンクだろう。

 俺たちの目標は、剣闘大会『グラディアトル』に出ることだ。

 そして、この学校での俺たちのパーティーは、一番戦いなれている俺がタンクで三人を守りディック、ギーズが武器と攻撃魔法、ララが武器と回復魔法これしかないだろう。


 四人で再度パーティーでの役割を話し合い武器を選ぶ。

 俺がタンクと言ったとき、最初は三人とも驚いていたが……

 今回の目的、主役がディックとギーズであることを説明したら皆納得した。


 俺は片手剣と盾、ララは弓、ディックは槍、ギーズはナイフだった。

 ディックの槍は、ラトゥールのゲイボルグに憧れてだそうだ……


 ⦅いやディックお前…… サンソー村では剣って言ってたじゃないか!⦆


 後から知ったが、戦士学校にもラトゥールのゲイボルグに憧れている生徒がかなりいるらしい。

 まぁディックの槍は、少し納得いかないが…… 初めから他人が決めつけるのも良くない、使っていくうちに自分の武器も分かるだろう。


 武器を選んでいると、ドーサック先生からも『ディケムは刀じゃないのか?』と聞かれたが、『今回の主役はディックとギーズなんで』と答えたら納得してくれた。



 さぁ、パーティーの武器が決まったら摸擬戦だ!




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