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第37章 反撃

 エレナ達は目の前から来る3体の魔物を見ていた。


(あれもカダル王国から来たんだろうな……)


『確かにデカいね』


「よし、特訓の成果を見せてみろ」


 ユギルはセリアを見て言ったがエレナは少し不安になる。


『いきなり上級クラスと闘って大丈夫なの?』


「マナの身体強化も出来ている。後は気持ちの問題だ」


(大丈夫かなぁ、ユギルもそれだけセリアの力を認めているという事なんだろうけど……)

 

「エレナ私やるよ!こんな所で怖がっていたらこの先あなたの隣にいる資格なんて無い」


 セリアはエレナにやる気十分に伝えるとエレナは頷いた。


『うん! 分かった。僕達も一緒だよ!』


「ありがとうエレナ」


 エレナ達は魔物に向かって行った。


『セリアは飛んでる奴をお願い! ユギルは棍棒を持ってる奴! 僕はトカゲもどきをやる!』


「分かったわ!」


「蹴散らしてやる」


 エレナはいかずちで魔物を分断しトカゲもどきに向かって行く。


「ギヤァー!」


 トカゲもどきが体の大きさの割に素早い動きでこちらに襲って来るが軽くかわした。


 そしてエレナはロッドにマナを素早く流し手にもマナを集めた。


『必殺! メテオライト‼︎』


 エレナはマナを使う時何か言った方がイメージしやすいしカッコいいと言う理由から名前を付ける事にした。


 右手のマナと左手に持ったロッドのマナを空に向かって放った。


 すると空に放たれたマナは複数の岩に変わり更に岩には炎が纏われた。


 岩はトカゲもどきに向かって勢いを増して落ちて行く。


 トカゲもどきは次々と襲う岩を避けきれずに押し潰され絶命した。


 セリアは飛んでいる魔物を狙っていたが魔物は素早くなかなか当てるのに手こずっていた。


 魔物は突撃してきたり爪で攻撃してくるのを避けながらセリアはここ数日の特訓を思い出していた。


 その中でユギルが言っていた事が頭に蘇る。


「動いている奴は目で追うんじゃない、先を読んで撃つんだ、そうすればお前の腕とマナを帯びた矢なら必ず当たる」


 セリアは魔物の動きをよく見て弓を構えた。


 そして神経を研ぎ澄ませると矢を放った。


「ゲェーー!!」


 マナを帯びた矢は物凄い速さで魔物を射抜いた。


 体に無数の穴を開けた魔物は落下し動かなくなった。



 ユギルは棍棒を持った巨人に攻撃を仕掛けた。


 素早い動きで魔物を圧倒する。


 魔物は怒り出し棍棒を振り回した。


「そんなんじゃ一生俺に勝てないぞ」


 ユギルは剣を構えると物凄い勢いで突進した。


 グラ


 棍棒は止まり魔物は真っ二つにされ倒れて動かなくなった。





 魔物との戦闘を遠くから見ていた部隊はその光景を信じられないといった表情でそこに立ち尽くしていた。


「まさか魔物は上級クラスだぞ……」


「あんなのに勝てる訳が……」


「バケモノだ……」


 隊長はこの事態になるとは考えておらずどうするか必死に頭で考えていた。


(どうしたらいい? ここは出直して……)


「ここは引く……」


 隊長は撤退しようと命令を伝える前に喉元には剣が突き付けられていた。


「俺から逃げられると思っているのか?」


 いつの間にか遠くにいたはずの男が隊長の前に立っていた。


 その後部隊の者は抵抗することなく捕われていった。




 エレナ達はカダル王国の兵士達を捕らえ警備の人に引き渡すとギルドに3人で向かった。


 ギルドに着くとゼンの部屋に通された。


「本当に助かった。報酬金は弾むからな」


 ゼンは窮地から脱出したような安心した表情でエレナ達を迎える。


「聞けば上級の魔物をひとり1体倒したそうじゃないか! そこのふたりも冒険者に登録しないか?」


 ゼンはセリアとユギルを冒険者に誘う、上級クラスを一人で倒せる者を見過ごす事はギルド長としてはできなかった。


「私登録しようかな」


 セリアは冒険者になると以前言ってたからか誘いを受ける。


『ユギルはどうする?』


「俺はいい」


 ゼンは会話を聞いてふっと笑いユギルを見た。


「あんたユギルという名前なのか」


「ああ」


「実は俺の憧れていた冒険者も同じ名前でな伝説の武器 [煌神剣] に選ばれた者……煌神ユギル」


(ユギルってそんな有名人だったのか普段何も言わないから冒険者の頃とか昔話は嫌なのかな?)


 ゼンは今回の自分のミスをかなり気にしていた、エレナ達がいなければ町は崩壊していたかも知れないと。


「今回は俺の完全なミスだ。責任を取って辞めてもいいくらいのな」


『まあ街に何もなかったし、敵も捕まえられたんでいいじゃないですか』


「すまん、今後は気を付ける。捕らえた奴らはたっぷり吐かせてやるから何か情報があれば提供する」


『よろしくお願いします』


 その後エレナ達は多額の報酬を貰い家に帰って行った。







 ここはカダル王国から南にあるハーデルト王国の一室。


「姫様、何でしょうか?」


 正装をした男が部屋に入ってくる。


「お父様は何も聞いてくれなかったわ。最近の魔物は不審な行動をしているのに何も対策をしないなんておかしいでしょ?」


「ここは大陸一の軍事力を持っていますから対処できると思っているのでしょう」


「カダル王国も不審な動きをしているのに……この前はリンドラ王国からの使者を追い返したっていうじゃない」


 姫は王国のとった行動にかなり不満が溜まっていた。何度か王に掛け合ったがまるで相手にされずとうとう我慢の限界に達したのだった。


(昔マナ使いの一族が魔物によって全滅したという事実があるというのに……)


「シャクト」


「はい」


「お父様では話にならないわ。私はあの方に会いに行きます」


「聖女様ですか?」


「そうよ」


 エレナの名前はハーデルト王国にも広まっていた。姫はその人物に会いたいと常々思っており今回城を出る1番の理由だった。


「ですが今どこにいるのか」


「噂ではポーラトールにいるはずよ」


「王が許可するとは思いませんが」


「城を出る口実を作ればいいのよ。また私がマナの治療をしに行くと言えば出られるわ」


「分かりました、とりあえずそう言っておきます」


「頼んだわよ」


 シャクトが部屋を出て行く。



 王女はこの国屈指のマナ使いでもあった。


 治療に重きを置いており治療を専門としていた。


 王はそれで貴族から多額の治療費を取っていたのを知っていた為こっそりと庶民の治療を無償で行っていた。


 その為王女は国民からは大きな支持を受けている。


 その反面国王は重い税と徴兵制度で国民からの支持は得られていなかった。


「マイナ様許可が出ました」


「それじゃあ行きましょうか」


 マイナが城を出る時だった。


 兵士が血相を抱えて城に駆け込んで行ったのが見えた。


(どうしたのかしら?)


 馬車が待つ方へ歩いて行くと護衛の兵士3人とシャクトが立っていた。


「何かあったの? 物凄い形相で兵士が駆け込んで行ったけど」


「いえ、情報は聞いてませんが」


「まあいいわ、行きましょうか」




 ハーデルト王国の王座に家臣が慌てて入ってくる。


「陛下!」


「どうした? そんなに血相を抱えて」


「今警備の兵士から魔物の群れがこの国に侵攻しているとの情報が! 真っ直ぐここに向かっているそうです!」


「何だと! 魔物達が何故ここに一直線に来るんだ⁉︎ すぐに戦闘準備だ!」


「はい!」


 その時すでに魔物の群れは国の10キロ先まで来ていた。


 城下町では情報が一気に流れると混乱が起きて人々が入り乱れていた。


「大変だ魔物がここに向かっているらしいぞ!」


「だがここの軍隊なら蹴散らせるだろう」


「そうだ! 高い税を取ってるんだからそれぐらいできるだろ!」


 中にはそう言って仕事に戻る人もいた。


 まだどのくらいの数と魔物の強さが分かっていなかった為次第に混乱は収まる。


 国民もこの国の軍事力は知っていたので大丈夫だと思い込んでいた。



 城から大勢の兵士が出て街の外に進軍して行った。


「嘘だろ……」


「あんなにいるとは聞いてないぞ……」


 兵士は魔物の群れを待ち構えていたのだがその多さと大きさなどに戦慄する。


 隊長は砲台にすぐ砲撃開始の合図を出した。


「ハーデルト王国の軍事力見せつけてやるぞ!進めー!!」


「「「「おお!!!!」」」


 かくして戦闘は始まったのだった。


 しかし魔物の強さは圧倒的で3時間後には魔物が街に入り込み蹂躙するのであった。



 遅れて進軍しているカダル王国の野営地では会議が行われていた。


「魔物が先発隊を壊滅し街に侵攻したとのことです」


「流石にあの国の軍でも話にならないな」


「それはそうだ普段実戦で戦ってないのにいきなり中級以上の魔物に勝てるものか」


「5日後に魔物を撤収させるぞ! それまでは国から逃げた者を逃さず捕まえよ!」


「は!」


 兵士はそう命令を受けると外に出ていった。



「後は5日後に後続の部隊と合流して攻め込めばすぐに落とせるな」






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