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第14章 聖女

 エレナが意識を失い病院のベッドで寝ている時の事……


「あの噂の美少女がマナでバルト村の重傷者を治したらしいぞ!」


「名前はエレナというらしいな」


「あの美しさに凄腕のマナ使いとは」


「もうこれは聖女だろ」


「そうだ聖女エレナ様だ!」


 街ではエレナが重傷者をマナで治した事が知れ渡りその美しさもあり聖女エレナという呼び名が広まっていた。


 その名は大陸中に響き渡る事になり当然ポーラトールの大都市にも渡たっていた。




 エレナは3日間病院でお世話になって体も良くなった頃ステラの両親に会いに行った。


 エレナが部屋に入ると二人は起きていた。


「あなたがエレナさんですね」


 ステラに似て可愛らしい顔の若い女性がエレナに声を掛けた。


『はい、初めましてエレナです』


 エレナが答えると優しそうな男性が自己紹介をした。


「私はステラの父親でランスといいます」


「母親のシェリーです」


『体の方はどうですか?』


「あなたのおかげでもう痛みはありません、後は栄養をつけて体を慣らすだけです」


 ランスはベッドの上で上半身を動かしながら嬉しそうに話す。


「聞きました、ステラも助けて頂いたそうですね。本当にありがとうございます」


 シェリーが泣きそうな顔でそう言うとふたりはエレナに頭を下げた。


「あなたはうちの家族の命の恩人です」


『助けられて良かったです。ステラにはお二人が必要なんですから早く元気にならないとですね』


 まだふたりとも体調が完全じゃないのでエレナは面会を切り上げると病室を出て行った。


 その後医師に挨拶をして病院を出ようと歩いていると中庭でステラとメアが遊んでいたがエレナに気付くと元気に走って近寄ってくる。


「エレナお姉ちゃん」


「エレナさん退院ですか?」


『うん、もう体も元に戻ったしね』


「これからどうするんですか?」


 メアの質問にエレナは悩む。


『そうだねぇ、とりあえずは宿屋に行って考えるよ』


 ステラに『また明日くるよ』と言うと嬉しそうに「うん!」と返事をした。


 エレナが病院から出ると周りでザワザワしている何か懐かしい光景に出くわしていた。


「あれが噂の聖女様か」


「美しい……」


「何て綺麗なの⁉︎」


「聖女様を見られるなんて夢みたいだ」


(聖女? そんな呼び方されてたっけ?)


 エレナは人だかりをすり抜けると宿屋に帰って延長した部屋代を払い部屋に戻った。


(これからどうしようかな……ステラと離れるのは寂しいけどポーラトールに帰るかな)


 エレナは考えた末とりあえず5日間この街にいる事に決めた。


(とりあえず5日間はここの市場とか覗いていい食材がないか探してランスさん達に美味しくて栄養のある料理を作ろうかな、早く元気になって欲しいからね)



 ここ数日は昼食を作って病院でステラの家族とメアの5人で食べている。


 食材はというとここでは牛に似た動物の乳が名産品でまさしく牛乳が手に入った。


 さらにその牛乳から作られたチーズもゲットしていた。


(これは嬉しいな、小麦粉もあるし牛乳でホットケーキとかホワイトシチューを、チーズでピザなんかもいいなぁ)


 その日の夜ベッドに入って帰った後の事を考えていた。


(孤児院の支援はこれからもしていきたいと思っているし、レシピも増えているからそろそろレストランを出そうかとも考えているんだけど一人ではどうにもならないし誰かを雇うしかないか……)


 ステラとその両親にメアの5人で今日も病院で昼食を囲んでいる。


「今日も美味しいです!特にこのピザって食べ物!」


 メアは幸せそうな顔で食べている。


『ありがと』


「ほんと美味しい、レシピを教えてほしいくらいだわ」


 シェリーも美味しそうに食べていた。


「エレナさんいつもこんなご馳走をありがとうございます」


『味を見てもらってるのもありますし、美味しいみたいで良かったです』


 エレナは少し間を置いて話を切り出した。


『……明日ポーラトールの街に帰ろうと思います』


 それを聞いた皆は寂しそうな表情を浮かべ重い空気が流れた。


「エレナお姉ちゃん帰っちゃうの? やだよ……」


 ステラは泣きそうな顔になる。


 エレナはランスにある計画を話し始めた。


『あの、よければ一緒に来ませんか? 実はポーラトールでレストランを始めようかと思っていまして、そこで働きませんか?』


 驚いた表情の後ランスはエレナにあまりの嬉しい誘いに聞き返した。


「いいんですか⁉︎」


『はい、お願いしたいです』


「これからどうしようかと思っていたので……これでもバルト村で食堂を開いていたんです。ぜひエレナさんの力になりたいです」


 ランスとシェリーは「お願いします」と頭を下げた。


 ステラはまたエレナといれると分かると嬉しそうにエレナに抱きついていた。


「あのエレナさん、私も連れて行って下さい」


 メアが立ち上がり真剣な目でエレナを見ていた。


「なんでもやります」


(そういえばメアは両親が魔物に襲われてランスさん達に引き取られて暮らしてたって言ってたな)


『もちろんだよ宜しくねメア』


「ありがとうございますエレナさん!」


『じゃあ明日の朝に馬車を手配するんで迎えに行きますね』



こうしてエレナはステラの家族とポーラトールに帰る事になった。

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