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どぼんっという音と共に辺りへと水が飛ぶ。

自分では何が起こったのか分からず、ふと前を見ると私の口から漏れた泡がぶくぶくと上へと上っていく。それに反して、私の身体どんどん底へと沈んでいく。


とても既視感のある光景に、あ、このままでは死んでしまう、と藻掻くが、身体にまとわりつくこれでもかと布やフリル、レースをふんだんに使われたドレスが邪魔をする。藻掻けば藻掻くほどドレスは私の身体にまとわりつく。



水を含み重くなったドレスは、私を水底へと沈めていく。




ふと、前にもこんなことがあったなぁ、と既視感のある光景の理由がわかった。ただ、あの時と違うことと言えば、視界に映る水が透き通っており空の青が見えることと、腹部の痛みがないことだけだ。




そう、わたしは1度、死んでいるのだ。遠い昔なのかそれほど遠くない未来なのかは分からないが。わたしは、1度死んでいる。その事実に気づいたとき、わたしは藻掻くのを止めて身体の力を抜いた。



1度死んだなら、2度目なんて別に怖くない。まぁ、わたしの人生はここまでだったとそういう事なのだ。




ただ、1つ文句があるのは——、




なんで水辺で遊ぶ子供にこんなゴッテゴテのドレスを着させてんだよ、ふざけんな。バカかよ。死ね。





なんて思ったけど、このドレスを着たいと言ったのは私だったわ。マジふざけん、な――⋯⋯。




そんな、悪態をつきながら私の意識は遠のいた。意識が遠のく寸前、誰かに手首を掴まれた気がしたのだけれど、それは気のせいだったのかしら?


















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