第8話 廃神さん...創造する(1)
毎月...3日...13日...23日......更新予定ですが、アルグリア戦記が累計八万字達成するまで3日から毎日更新しています。集英社WEB小説大賞に本作を応募する為です。
作者には夢があります。“妄想ゲームの歴史を現実でゲーム化する”事です。コー○ー○○○ゲームスさんで、○○の野望のファンタジー版歴史シミュレーションゲームとしてゲーム化される中継点になる事を切に願って投稿します。いつから本作が仮想小説だと誤解していた? 本作は作者の妄想ゲームの設定集を備忘録化したものです。勘違いさせたのならお許し下さい。
●アルグリア大陸暦千五百三十八年二月二十三日
【ハルベルト山脈~渓谷の洞窟~花水晶の間】
【システムメッセージ】
『ぽ~ん♪ ......特異個体名《カルマ》が称号《十の災厄の討伐者》を獲得しました!』
【カルマ】
『あぅあぅあぅあぁぁ~! (えぇぇぇ、......マジか~!)』
FHSLG【アルグリア戦記】に於いてゲームクリアとは、アルグリア大陸制覇であるが、完全制覇とは十の災厄の全十体の全討伐後の大陸制覇が必須条件である。
一体討伐でも鬼畜なのに、強さは勿論の事、特性、迷宮領域等違う各特異個体を十体討伐は前人未到と、仮想現実の世界でも鬼畜無理ゲーと認識されていたが、数人が全討伐して完全制覇した事に因り、情報が世に出たのであった。
その鬼畜無理ゲーの全討伐を何回も成し遂げ、鬼畜仕様の最高難易度の創造神の試練を完全制覇した廃人の中の廃人、廃神と呼ばれるカルマを以てしても、復活する度に鬼強くなる災厄の同じ特異個体を、再度討伐しようとは考えなかったし挑戦もしなかった。
況してや、十回も連続討伐した経験はなかった......。
【カルマ】
(不具合だな......)
通常、称号《十の災厄の討伐者》は『十の災厄』の全十体討伐で獲得出来る称号で、アルグリア大陸制覇前に満を持して行う完全儀式だった。
何故なら討伐失敗は、所属勢力の不可避な神罰による破滅を意味するからであり、容易に成し遂げられない十の特別な存在である特異個体が、『十の災厄』だからだった。
【カルマ】
(盲点だったな......)
確かに挑戦すらしなかった事は、廃神と呼ばれる程の変態としては、片手落ちの感は否めなかった。
しかし、流石の変態でも全十体が、計十体でも称号獲得可能とは夢想にもしなかった。
カルマにとっては、称号《十の災厄の討伐者》は、全能力値×千倍と言う破格の称号効果だったが、大陸制覇前にする最後の大博打が災厄の全討伐なので、全討伐後に即大陸制覇する事から、通常は余り意味が無い有難味の薄い称号だった。
【システムメッセージ】
『ぽ~ん♪ ......特異個体名《カルマ》が災厄武器《氷狼の女帝杖》を獲得しました!』
FHSLG【アルグリア戦記】では、災厄武器・災厄防具等の災厄装備を獲得すると言う事は、使い方に依っては大陸制覇に於いて、圧倒的優位性を有する超不正行為になる装備である。
何故なら今回獲得した災厄武器《氷狼の女帝杖》の武器効果は、現在の魔力値×百倍と氷系呪文の攻撃効果×百倍で、戦場に於いては戦局を大きく左右する戦略級の代物だからだ。
【カルマ】
(何でも使い方だけどな、......)
カルマが新しく獲得している称号に《無の境地》と言うのがある。
これはもう一人(?)の母親を再度討伐した哀しみと呆れから、解脱して獲得出来たのか、詳細は不明だが称号効果は異質だった。
その称号効果とは、一つ、称号獲得時に存在(職業・種族等)を1段階進化する効果。
一つ、全状態異常無効(毒・麻痺・睡眠・精神[威圧系・魅了系・支配系等]等の全ての状態異常を無効にする)効果。
一つ、常時MSP(精神力)回復(中)効果の3つの埒外不正行為称号だった。
そして、カルマがゲーム世界に転生した時の自重をしなかったカスタマイズの中の一つに、固有才能『迷宮創造』がある。
この固有才能は六段階目の難易度の創造神への挑戦をあるキャラアバターで、完全制覇した時の特典の一つであったが、称号《無の境地》の存在の一段階進化が適用され特異才能《異界創造》に進化したのだった。
当初、『氷狼』エンプレスの寝床の隅を借りての、カルマの迷宮創造計画は変更を余儀なくされたが、寝床の隅に入口を偽装した洞窟型の小部屋を作成して、その小部屋に異界への転移陣を設置した。
●ブルーアース世界暦一年一月五日(アルグリア大陸暦千五百三十八年二月十八日)
【アルグリース大陸~迷宮都市バベル】
ここはカルマが創造した異界惑星世界《ブルーアース》である。
その惑星の中の大陸の一つを、アルグリースと名付け、巨大な塔バベルを中心に街並みを創造し設置した。
巨塔バベルで全て生活が完結可能ではあるが、仮想現実世界で廃人の中の廃人、『廃神』と呼ばれるカルマにとって、都市育成型ゲームも勿論好物の一つであった為、現実都市育成を開始したのだった。
電気・水道・ガス等の生命線は魔導具で事足りるので、交通・運輸網を意識して区画を整地しながら、カルマが思う通りに自重せずに、都市建設予定地を作成していった。
食料関係は、迷宮『バベルの塔』の一階が農場領域、二階が畜産場領域、三階が漁場領域で、四階が林業領域、五階が鉱山領域で作成している。そして、六階が観光・温泉・歓楽機関領域、七階が教育機関領域で八階が研究・製造機関領域、九階が宗教・医療機関領域、十階が立法・司法・行政・軍事施設等の公務機関領域、十一階が各種機関関係者の住居領域で十二階~九十九階までは魔物領域として魔物素材(魔石等)が獲得でき、百階はカルマの住居領域だった。
各階には専用の転移陣搭載魔導機械が設置しており、全住民に配布される個人魔力認証型住民カードを使用して通行許可があれば、現在は十二階まで瞬時に転移移動可能である。
そして、教育機関の指導教師等、宗教機関の教祖・司祭等、医療機関等の回復・医療従事者等、行政機関の公務員等は機械人形を作成して、農場・畜産場・漁場・林業・鉱山では指揮監督官として機械人形を配備して、作業員として魔導人形を作成して現在稼働中で、収穫・狩猟・採取・伐採・採掘した各種資源は、全て九階の公務機関にある時間停止機能付き魔導倉庫で、収納袋に収納して一括管理している。
●アルグリア大陸暦千五百三十八年二月十四日
【ハルベルト山脈~渓谷の洞窟~花水晶の間】
カルマは特異才能『異界創造』で、惑星世界を創造した。
【システムメッセージ】
『ぱっぱら♪ ぱっぱ♪ ぱっぱぱ~♪ ......固有個体名《カルマ》が称号《異界の創造者》を獲得しました! ......固有個体名《カルマ》が特異個体名《カルマ》に書き替えられました!』
【カルマ】
「あぅ......(ふむ......)」
極寒の洞窟の小部屋で、青白い光に包まれたカルマが真っ裸で呟く!
その視線の先には、魔力を帯びて起動可能な転移陣が、蒼白く光っていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
アルグリア大陸の南部最南端に位置するアゾンテ王国には、迷宮が領内に八箇所も存在し、別名『迷宮王国』と呼ばれている。
初級(D~F)迷宮が三箇所、中級(A~C)迷宮が四箇所、上級(SSS~S)迷宮が一箇所あり、魔物の素材、魔石を日々の糧として、そして迷宮最下層踏破で獲得出来る宝箱の中身を狙って多くの冒険者達が夢を追い求めていた。
最下層にいる迷宮主を討伐して出現する迷宮核に触れると戦闘に参加した人数分の宝箱が出現する。
その後に、地面に出現する転移魔法陣で地上へ帰還する。
そして、迷宮の掟として集団の参加人数は一人から六人でそれ以上の人数では、各階層の守護者部屋へ進入不可で、守護者部屋への踏破中に魔物を討伐しても、獲得“存在”値が規定人数時と比較しても、明らかに低い為、初心者の冒険者は先逹に必ず習う必修掟である。
アゾンテ王国の上級迷宮は、S等級で踏破した冒険者達は数える程しか居なかった。
その為、踏破した冒険者達は各国の推薦が無くても、自動的にS等級冒険者と認められる。
最近で言えば、エルブリタニアの連盟所属の集団『鮮光』が、四人で踏破している。
四人は各々、《脚光》・《閃光》・《殲光》・《聖光》の異名で呼ばれている。
近年、冒険者連盟は連盟員の強化育成に一層力を入れていた。
それは上位冒険者が、各国に引き抜かれている現状を、危ぶんだからに他ならない。
......戦乱の気配に、匂いと臭いを嗅ぎとるもの同士が、お互いを求めるのは必然であった。
To be continued! ......
ご都合主義にガッカリした方も、後もう少しお付き合い下さい! 第12話までお読み頂き、合わないと感じたら、それはもうって感じです!
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最後に、読者の皆様に感謝を、お読み頂き、ありがとうです!
【2020/07/13 改訂しました】