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アルグリア戦記 ~1/31,104,000秒の世界~  作者: 虎口兼近
第3章 フウマ激闘編
18/40

第17話 廃神さん...再会する(9)

 毎月...3日...13日...23日......更新予定ですが、アルグリア戦記が累計八万字達成するまで3日から毎日更新しています。集英社WEB小説大賞に本作を応募する為です。

 作者には夢があります。“妄想ゲームの歴史を現実でゲーム化する”事です。コー○ー○○○ゲームスさんで、○○の野望のファンタジー版歴史シミュレーションゲームとしてゲーム化される中継点になる事を切に願って投稿します。いつから本作が仮想小説だと誤解していた? 本作は作者の妄想ゲームの設定集を備忘録化したものです。勘違いさせたのならお許し下さい。

●アルグリア大陸暦千五百三十八年二月二十六日 

【帝国アダーク領~忍の里ウイド】






【ヒサメ・ハットリ】

「コタロウよ、フウマの結界は破られたぞ!」




【コタロウ・フウマ】

(ばば)様......やはり、そうでしたか!」






 フウマの頭領の家の地下深くに、秘密の(ほこら)がある。




 その(ほこら)には、フウマ所属の者達の命炎(めいえん)が、人数分蝋燭に灯されている、その数二万余。




 その(ほこら)を守護する七人のフウマ長老衆の一人、“幻鬼のヒサメ”が頭領に告げる。




 里の結界を守護している者達の命炎(めいえん)の炎色が、軒並み薄い。




 つまり、炎色の色合いは生命力の増減を表し、現在生命が危機的状況である証拠。




 それは結界に何者かが、浸入した証拠であり、その報告が挙がらないのは論外。




 忍の里は何者かによって、包囲されていると判断出来る。




 頭領は、報告者の()()に違和感を感じ、その者の命炎(めいえん)を確認しに(ほこら)に来て、婆様に告げられたのだった。




 頭領は(いぶか)しむ、何故結界を敷いている者達は、()()()()()()()と。




 里を包囲している何者かは、フウマの者が死ねば蝋燭の命炎(めいえん)が消える事を知っているのではないかと。




 (たと)え自分の意思でなくとも、何者かに操られた時点で命炎(めいえん)の炎色で判明する、それがフウマの秘儀“命炎の蝋燭(ベラヤマダビダ)”である。




 重苦しい沈黙が場を支配するそんな中、頭領に驚愕の事実を告げた婆様は、ある蝋燭の激しく燃える命炎(めいえん)を凝視し瞠目(どうもく)する。




 その蝋燭に刻まれた名前は、ゲンタ・カトウ。




 そして、婆様はたった一人の孫の危機的状況を察し、その安否を祈るのだった。






【ヒサメ・ハットリ】

(馬鹿な! この尋常では無い炎の激しさは、......ゲンタ、死ぬなよ!)






 FHSLG【アルグリア戦記】に於いての情報表示の職業とは、プレイヤーとアルグリア大陸の住人達とではその選択の自由さで大きく違う。




 アルグリア大陸の住人達は、職業とは創造神(カリダド)教の教会で十五歳の成人の儀に神々から授かる恩寵(おんちょう)と言う認識である。




 そして、魔物を倒しその()()を己に取り込み、己の()()の格を上げ、教会で上位職業に転職するのが一般的常識であった。




 その為、教会では信者の()()の格(個体レベル)と職業を変更確認可能な古代遺物(アーティファクト)が設置されている。




 但し、職業を自由に設定出来る者もアルグリア大陸に存在する。




 それは、プレイヤーと創造神(カリダド)教の教皇の二人のみである。




 教皇は自身の職業の権能によって、プレイヤーは情報表示で職業を強く念じるか、情報表示が映し出される透明板の職業を指で押すと、現在選択可能な職業一覧が表示される、そこから選択するだけである。




 アルグリア大陸の住人達の職業認識として、教会の成人の儀で職業決定後は、殆どの住人達は職業とは一生ものの神々の恩寵(おんちょう)と言う認識であり、教会で職業の変更確認をしないのである。




 何故なら上位職業に転職可能な()()まで格を上げる事は、アルグリア大陸の常識では非常に困難だからであった。




 そして、教皇のみ()()の格によらずに、自由に職業を信者に授ける事が出来る事実は、支配者層のみが知る秘事であった。




 しかし、例外は存在する。




 魔物は、創造神(カリダド)教に職業決定に行く事はない。




 然るに、魔物にも職業が存在する。




 小鬼精霊人(ゴブリン)にも職業として、剣士・弓師・祈祷師・魔術師等々存在する。




 では、魔物達はどうやって職業決定しているのか、それは()()()()()()()()が、自動的に最適な職業を選択するのである。






●アルグリア大陸暦千五百三十八年二月二十八日 

【帝国アダーク領~忍の里ウイド付近】






【ゲンタ・カトウ】

「ぐっぐぐぐ...(もうすぐだ...)」






エルブリタニア帝国アダーク領の忍の里ウイドへの森林の道無き道を、血塗れの少年が鬼気迫る様で疾走している。




 不眠不休でも十六日程掛かる道程を、たった三日で踏破する為に()()()()()()()()は余りにも大きかった。




 そんな少年が忍の里まで後少しと言う所で、鉄杭が気配も無く投擲される、それを間一髪で交わした少年は動作の均衡を崩し藪に突っ込んだ。






【オフェリス・ベクシス】

「へー、交わすんだ! やるわね、坊や。でも時間よ、()きなさい!」






 赤髪の()()()()()を被ったオフェリスが合図すると、赤茶けた迷彩仕様の衣を(もと)った者達がゲンタに殺到する。




 一瞬の交錯(こうさく)後、倒れたのは殺到した者達であった。






【オフェリス・ベクシス】

「あらあら、楽しませてくれるの、坊や? 良いわ、私が相手をして上げる。ふふふふふ、楽しませてね。」






 一瞬にしてオフェリスの体は九体に分かれ、少年に襲い掛かる。




 獲った! とオフィリスは九本の剣でゲンタの体を串刺しにする。




 その時、オフィリスが驚きに目を見開く。




 血が出ない、否、肉を刺したいつもの感覚がない。




 徐々に、(ぼや)けて消えていく少年。




 馬鹿な、私は幻術でも掛けられているのか? グフっ、何だと! 私の九体の体を()()()貫く小刀。






【ゲンタ・カトウ】

「退け! おいらの邪魔をするな!」






 私を救おうと配下の者達が少年に襲い掛かるが、一瞬で斬り伏せられる。




 この小僧一体何者だ? くそ、引け! 私は部下に合図を送った。




 そんな私達を見向きもせずに走り去る忍者装束の少年を睨み付けたまま、私は意識を失った。






【コタロウ・フウマ】

「く、馬鹿な。何と理不尽な!」

 





 傷付き気も(おぼろ)気な少年を、幻鬼の婆様が介抱している。




 頭領は、血塗れの油紙を丁寧に外して息子(コジロウ)からの書状を読み愕然(がくぜん)とした。




 我が里を包囲している者の正体は、“隠者の手”千名であり、現在エルブリタニア帝国遊撃騎士団《双頭の竜》五千名がフウマ討伐の為に進軍中であると。




 結界を敷いていた者達は、隠者の手に捕らわれ、()()()()()()()()()と書状に書かれていた。




 最後の一文に頭領の意識が集中する、“何故知り得たかは問題ではない。




 時は無い、これからフウマがどうするかだ。




 済まない親父、俺達は間に合わない”(にじ)む文字に息子の無念を感じ瞑目(どうもく)するも、目を見開き、




「長老衆、組衆頭、区頭を至急評議場に集めよ! 時は無い!」




 と頭領が告げると全てが動き出した。




 評議場に入り切れない者達は天井、床下に陣取り、何事かと耳を澄ます。




 告げられる内容の衝撃に驚愕(きょうがく)するも、証拠はあるのか、何者かの(はかりごと)では、これからどうする等々、評議場は喧騒に包まれる。




 長老衆からは秘儀を(ぼか)しながらも里が何者かに包囲され、結界を敷いていた者達の窮状の事実を告げられ、次期頭目からの書状には里を包囲するは隠者の手千名、フウマ討伐軍は帝国遊撃騎士団《双頭の竜》五千名であると告げられる。




 だが、その書状を持って隠者の手の包囲網を突破したのが、里では無能で有名な少年だと解ると評議場の雰囲気は一気に変わる。




 馬鹿なあんな無能に、信じられない、情報が少なすぎると。




 そして、逃げるとしても一体何処へと場はまた喧騒(けんそう)に包まれる。




 帝国がフウマに何も問い質さないと言う事は、既にフウマ討伐は決定事項であり、全てフウマを潰す段取りが整っていると言う事に他ならない。




「時は無い。包囲を突破して皆を逃がす。只、生き延びろ。遊撃騎士団(双頭の竜)が来る前にしか時は無い。組衆には儂と一緒に皆を逃がす時を稼いで貰わねばならない」




 頭領がそう告げると全てが動き出す。




 (ほこら)の中で只一人、全ての蝋燭の命炎(めいえん)を見詰める幻鬼の婆様が呟いた。




「我らフウマの雌伏の時が、......終わる」






【カルマ】

(ゲンタ、......陰薄すぎ)






 小雪がちらつく忍の里の上空で、空中に浮かぶカルマが真っ裸で思う! 




 その視線の先には、忍の里を抜け出す一人の(おとこ)の姿が映っていた。






◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆






 アルグリア大陸の東中央よりに位置する地精霊人(ノーム)種が、統治するベニアス王国。




 豊穣な大地とその豊かな実りから生まれる様々な食料品が、豊かな商業経済を構築している。




 農業王国でもあり、商業王国でもあるベニアス王国はアルグリア大陸では、『美食の王国』と呼ばれている。




 王都ヘテナには、大陸中の美食と食材が集まり、各国の美食家達が大挙して押し寄せ王都を賑やかしていた。




 “美食は一日にしては成らず”彼の高名な調理人であるサミュエル・ガトーの言葉である。




 長年の研鑽と、培われた技術の伝承により、料理は至高の“美食”へと昇華する。




 美食に隠れてはいるが、ベニアス王国には精鋭騎士団が存在する。




 現国王ローグレス・ベニアスの兄ミクナーク・ベニアスが鍛え上げた、防衛戦特化の騎士団であった。




 他国への侵略戦争は起こさないと言う強い意思と信念により、鍛え上げられた騎士団は、地精霊人(ノーム)の誇りそのものだった。




 只、その様な騎士団を作り上げたミクナークが至尊の冠を受け継がず、ベニアス王国から姿を消して久しい。




 詳細は不明だが、至尊の冠を受け継いだローグレスが名君である事もまた事実であった為、ベニアス王国では余り大きな騒ぎにはならなかった。






 アルグリア大陸には、ベニアス王国の王兄を(かた)る者が大勢いる。




 高貴な生まれと溢れる才覚を求め、各国は召し抱えようとするも、偽者が余りにも多く出た為、何時しか人々は王兄の名は信用出来ない言葉を吐く人、【二枚舌】の代名詞になっていた。








 To be(続きは) continued(また次回で)! ......

ご都合主義満載! 新章の締めは、第20話です!


ゲンタ、一人で何処へ行くの? と思った人は、★評価・ブックマーク登録・感想よろしくお願いします!


最後に、読者の皆様に感謝を、お読み頂き、ありがとうです!


【2020/07/17 改訂しました】

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