食べられちゃった・・・?
食べられちゃった・・・?
「んと・・・、私ってどうなったの?」
リサは、目を覚まして人が行き交う、床が見えることに混乱していた。
そう、リサは空中から下が見える位置で目を覚ましたのである。
「からだが・・・透けてる・・・?」
リサが自分の身体を見回すと、手や体自体に実態がないような感じで透けているのが分かる。
バタバタと、病院中の職員があわただしく動いている。
「リサちゃん見つかった?」
「まだみたいだヨ?」
「どこいっちゃったんだろう?」
リサは、バタバタと動きながらすれ違うたびに聞こえてくる言葉で、自分のことをみんな探してくれていることが分かった。
『わたしここにいますよ~~~~。見えませんかぁ~~~~~。』
リサは、同僚たちの前に行っては声をかけてみるが、誰も気づいてくれない。
リサは、浮遊しながら、病棟内をうろついて誰かに気付いてもらえないか探し回っていた。
すると、ある部屋の周りに紺色の制服を着た人たちが集まっているのが見える。病院にいる人たちでなく、きっと警察に通報されたのかもと、リサは思いながらその近くに行ってみる。
「甘木っ!サーチレートを持って来い!!」
体格のいい男性が、まだ若い男性に向かって指示を出していた。走って外へ行った若い隊員は、小型のアタッシュケースのようなものを持って帰ってきた。
「サーチレート開始します。皆さん、動かないでくださいね~。」
若い隊員がアタッシュケースを開き、アンテナを伸ばして周りの人に注意を出している。AEDみたいと、リサは思った。
動かないで下さいと言われて、リサも何となく動かずに見ていた。
すると、レーダーに反応がある。
P・・・PPP・・・PPPPPPP
反応のあった方向に、そこにいた5名の警察っぽい人たちの視線が集まる。
・・・そう、私のほうを見ていた・・・。