夜勤入り
夜勤入り
キキキッーーー!!
という音に驚き立ちつくしていたリサを救ったのは、【じゃにーじゅにあ】にいそうな美少年であった。
「大丈夫ですか!?」
トラックに驚いたのも、美少年の腕の中に抱かれているのもまるで夢だったのではないかと思うような状況であり、リサは現実に戻るまで時間がかかっていた。
「僕の名前はユウキと言います。猫が飛び出していくのを捕まえようとしたら、あなたを捕まえてしまった。」
なんか、首筋がむずがゆくなるセリフを言いながら、私が落ち着くまでぎゅっと抱きしめてくれていた。せっかくなので?ライン交換して、お礼を言い急いで帰宅した。イブ夜勤が待っているからである。
「やっばい、やばい!白衣と、ストッキングと・・・あぁ~いつもは準備してから買い物に行くのにぃ~。今日に限って準備していないなんて・・・。」
リサは、いつも用意周到と言われるくらい行動には慎重であった。今日みたいに、夜勤の準備をしていなかったり、猫を追いかけて道路に飛び出すようなことはした事が無かった。
「これも、美少年に会うためだったのかな(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
だんだん押し迫ってくる時間が気になりながらも、美少年の姿を思い出しときめきを反芻していた。付き合ってもいいかも。などと上から目線の考えを押しのけて時間が迫ってくる。
「やっばい!いそがなきゃっ!」
アパートから病院までは、10分もかからず着くが今は15時40分。夜勤入りの時間は16時には入らないといけない。・・・かなりやばい・・・。
メイクをする時間がないためリップだけを塗り、バタバタと出かける。荷物はいつも、黒いリュックに入れている。身長は150ちょっとと大きくないため、リュックのほうが大きく見える。身長が低いせいか、持ち物は男性がもつような大きなものが好きなのである。時計もGしょっくの男性用、服もメンズの物が多かった。帽子も野球帽だし。
なので、メイク自体してもしなくてもいいのだが、さすがに仕事で全くしないわけにはいかないので夜勤中にしようとメイク道具もリュックに入れていた。