リサVS和栗パフェ
リサVS和栗パフェ
ぺろりとメインを食べて余韻に浸っていると、ちょうどいいタイミングで狐の店員さんが顔が隠れるくらいの和栗パフェを持ってくる。実はこのお店、毎日メニューが違うので名前だけではイメージが違うことが多い。
『うわ・・・想像より大きかった・・・』
このお店、お残し厳禁といたるところに張り紙がしてある。
実は以前、間違ってなのかわざとなのか「怪奇食」を頼んで食べきれなかったお客さんが、身の丈2メートル以上ある狐のお兄さんに囲まれて「かごめかごめ」をされて泣いて帰るのを見た事があった。
それ以外にも、裏に連れていかれて、10センチぐらい身長が縮んで出てきたり狐面を被らされて、その間は無言で過ごす刑を与えられていた。
リサは、狐面は可愛いからほしいのだが罰で被らされるのは嫌だなと思っていた。
「よし。仕方がない、おいしく食べてやろうじゃないのっ!」
実際、和栗パフェはかなりおいしかった。容器の中には、一番上と下に和栗のアイスが入っており、その間には夏の柑橘類がシャーベットになって入っている。口に入れると一口一口違う味を楽しめ、気が付いたら大きなカップは空になっていた。
満面の笑みの店員さんに見送られ、1000円払ってお店を出るとすでに2時間たっていた。
「やっばい!バイトの時間・・・じゃなくって夜勤の時間だ!」
時計を見ながら、どこかで聞いたギャグを交えながら急いで家に帰る。
横断歩道を渡る時に、目の前を黒い子猫が横切りそのまま、道路に飛び出してしまった・・・!!??
「あぶないっ!!」
リサは、とっさに飛び出した猫に向かって自分も道路に飛び出してしまった!!
キキキッーーー!!
目の前に大きなトラックが急ブレーキをかけながら突っ込んできたっ!!
『あっ・・・これ・・・死んだな・・・』
リサはいるはずの、黒い子猫を見失い呆然と立ちつくした状態でトラックが迫ってくるのを、まるでスローモーションのように眺めているだけであった・・・。