浮遊するリサ
浮遊するリサ
リサは、視線を浴びて逃げるように天井に消えていった。
「・・・隊長・・・今、居ましたよね・・・?」
龍之介が万丈隊長に小声で話しかける。
「そりゃ、居るから俺たちが派遣されたんだろうがっ!数値は?」
龍之介を小突きながら、皇隊員に霊力の数値を確認させている。
「300弱ですね、多分被害者じゃないでしょうか?」
数値は、1000以上で悪霊などの退治対象となる。それ以下は、犠牲者などがまだ彷徨っていることが多いためしばらく様子を見ることになった。
リサは、天井をすり抜け屋上まで出ていた。
「あぶなかったぁ~。なんかやばめの人たちだったなぁ。でも、龍之介って呼ばれてた子は可愛かったなぁ~。結局エッチもせずに死んじゃったし・・・。あぁ~。」
リサは田舎から出てきて、彼氏も作る暇なく新人看護師を頑張っていた。それがまさかこんなに早く死んでしまうなんって思いもしていなかった。
そのため、未練がかなり残ってしまい、簡単に天国に行くことができない状態であった。
「でも、これからどうすればいいんだろう?あの黒いの倒せば、救われるのかしら?」
実は、少し前にリサは、しばらく死んだ理由が分からなかったのだが、うろうろと彷徨っていると小さな男の子の幽霊に出会った。
「ねぇ、看護師さん、もしかしてリサお姉さん?死んじゃったの・・・?」
突然話しかけられびっくりしたリサだったが、その男の子には見覚えがあった。
「ん?もしかして半月前に亡くなった、ユウキ君?あなたも彷徨っているの?」
ユウキ君は、半月ほど前に通学途中に歩道を歩いていたら、暴走した車に突っ込まれて両下肢を失い好きなサッカーができなくなったことを悲しみ車いすに乗ったまま階段から落ちて亡くなっていた。
「うん。僕のところに一度天使様が来たんだけど、自分で死んだ子は1年は下界で人の哀しみを見てから来なさいって言われて・・・。家と病院を行き来する毎日なんだ。」
確かに、おばあちゃんも親より先に死ぬ子は不幸になるって言ってたからこのことなのかな?など考えていると、
「でね、病院をうろうろしている時にお姉ちゃんが、黒い悪魔に食べられちゃうのが見えたんだ。」
自分の死んだ際の記憶がない場面を詳しくユウキ君が教えてくれた。
「やっぱり、おばあちゃんが言っていた『黒いもの』に襲われちゃったんだな。でも、何も悪いことはしてないはずなんだけど・・・。」
リサは、その『黒いもの』に襲われたことは分かったが、なぜ死ななければならなかったのかが分からなかった。
「ん~。どうせ何もすることないし理由を探してみるかな?」
リサは自分が死んだ理由を探すことにした。




