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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
94/255

88.



 ダンジョンコアに表示されている3人組を見ながら、いつも見ているダンジョン内のどのあたり冒険者がにいるかどうかがわかる表示を出して、この冒険者たちの仲間が階段付近に設置したテントの位置を表示して、それを見比べながら、こういった。


「・・・ふぅ、迷ってますね」


「そうですね、マスター」


 そんな相槌を言いながら、マリウスはダンジョン内の様子を見て、そろそろですかね・・・と言いつつ、そういえばマスターも珍しくここにいるんでしたね・・・と思い出したのか、こちらを振り向きながらこう聞いてきた。


「イオルも呼んで、ご飯にしますけど・・・食べれますか?」


 そういうマリウスはコア付近に寄せてあった机の上に散乱していたお菓子の袋を見ながら、こちらに聞いてきた。


「・・・大丈夫だ、問題ない」


 ちょっとお腹をさわりながら・・・まだ俺は食べれる・・・食べれるはずだ!!そんなことを思いながら・・・答えた。


「目を逸らしながら言わないでくださいよ・・・少なめにと言っておきます」


 そういうと、マリウスは農場のドアのほうへと歩いて行った。


「・・・イオルを呼んでくるって言ったってことは、そっちにいるのか・・・てっきりイオルはマリウスの部屋か自分の部屋で俺があげたゲームとかしてるんだろうな、なんてことを思っていた」


 マリウス本人がいないから、こうそんな独り言をつぶやいた。どうせ目の前にいていったら呆れたようにこちらをみて、なにかしらを言われるなんてことは簡単に想像できるからだ。


「それにしても・・・なんだかんだ言って、マリウスが一番イオルに構ってるような気がする・・・いや、俺が構わなさ過ぎてるんだけど・・・・もっとなんかな・・・俺にゲームのことを聞きに来るとか微笑ましい光景を夢見てた・・・ここに喋れるのが俺とマリウスしかいないし・・・俺のほうに来てくれと・・・頻繁に来ても困っちゃうな、なんてのを・・・夢見たかった・・・」


 そんなありもしないことを独り言でつぶやきながら、2人が来るのを待っていたら・・・


 少し服に土と泥がついたイオルがやってきて、こちらに開けて入ってこようとしていたときに、マリウスが襟首をつかみ、土や泥とか払ってきなさいと、イオルを投げ飛ばした・・・・泥とか俺はな・・・つかないからな、うん。だって・・・室内が俺の領域だからな・・・それにしても・・・健康的なイオルだわ・・・食事の時以外ほぼ見ないけど・・・食事の時も時間がずれて合わないときのほうが多いけど・・・俺とは正反対なアウトドア派かな・・・ハハハ


「パワフル!」


 なぜかそんな言葉が頭に浮かんだ、だから、言ってみたかった。


「・・・はいはい、料理人形に少なめにしてくださいと言っておきましたから」


 そんなことを華麗にスルーをして、マリウスは手をパッパッっとして、手についたであろう土や泥を掃っていた。


「ありがたや~」


 そうして、感謝の気持ちを込めて、言ってみる。


 そうしているうちにも、料理人形によってできた料理が運ばれてくる。


 そうして、料理が並べられている机の席について、両手を合わせて


「いただきます~」


 1人だけ、そう呟いて、食べる。2人も何かしらの儀式めいたものを・・・やってないけど、俺が食べ始めたのを見て、食べ始める。


 今日の献立は鶏肉のから揚げ、白米、そして、みそ汁。


 肉のほうもGやスパイダーの肉にすればいいじゃないですか?見た目はあれですけど、食べてみれば美味しいですよ?とマリウスにいわれたけど、断固として反対した。日本人としての感性が・・・それを否定するんだ・・・仕方ないじゃない・・・美味しいって言われて料理後の奴を食わされてもさ・・・あれを使って作ってみましたってさ・・・美味しかったんだけどさ・・・受け入れないじゃないね?記憶がさ、感情がさ・・・そんな非常時ってわけでも、食べ物がないわけでもないしさ・・・いいじゃない・・・このぐらい無駄遣いしても・・・・


 そうして、まずはから揚げを食べる。


 それは揚げたてのごとく熱く、少し口でふーふーと冷ましてから、口の中に入れた。

 最初の一噛みで、その柔らかな衣の中から肉汁がじゅるりと・・・溢れ出す。

 当然のごとくそれは熱かった。

「うごぉ・・はふはふ・・・」

 変なうめき声をあげながら、近くにあった水の入ってあるコップを手に取り、一飲み。

「はぁ・・・はぁ・・・」

 少し舌が痛いような気がする・・・美味しかったけど・・・

 から揚げの下にある千切りのキャベツを食べながら、次に味噌の匂いにつられ、味噌汁を取っていく。

 まずは一口と

 舌の中に広がる温かな赤味噌の味。

「ふぅー」

 少し飲んだ後に、具材である少し味噌汁の味がしみ込んだ大根をポリポリと食べる。

 そして、まだ湯気が少したっている白米。

 手に取り、口に含めば、噛めば噛むほどに甘く、口の中に広がっていく。



 だが・・・・俺がそんなにご飯に悠長に時間をかけると思うか?


 味噌汁の中に、白米をいれ、それを腹の中へとかきいれる。

 から揚げは千切りのキャベツと一緒に食べる。

「ふぅ」

 全部食べ終わった後に、残った水を一気に飲み干し。

「ごちそうさまでした」

 そして、またダンジョンコアのほうにいこうとすると・・・

「あ・・・マスター自分のは自分で料理人形のほうへ持っていってくださいね」

 逆らったら、逆らったで、権力的には上だけど・・・大人しく従って持っていくのであった。







 料理漫画を見ると、なんであんなに美味しそうに表現できるんだろうと思うわ~


 台風で雨が降った後に地震とかね・・・平成最後は何かな?呪われてるのかね・・・

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