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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
77/255

71.



明かりの先に見えたモノは・・・


「誰もいない・・・」


 無人の焚き火の明かりとテント、それにテントの中を探してみると、真っ先に目につくモノがあった。それはいつもヌーが背負っている大型のリュックだ。


「おいおい・・・誰もいないのかよ」


 そう口を漏らしながら、キリックがそのリュックの中身を確認して、少し携帯食をとってから、それらを2人にも分ける。


「いや・・・ヌーとラガックがいないことより先に食料って・・・」


 そうアニスは口ではそれを責めてはいるが、お腹が減っていたこともあり、キリックから携帯食を受け取り食べた。


「だって、腹減っていたしな・・・まず考えるにしても俺らは道に・・・いや、うん、まぁ、いろいろあったからな」


 それを言う前に何か後ろほうから圧力を感じたキリックはその言葉を濁した。


「焚き火があるってことはついさっきまでここに人がいたってことよね・・・」


 まだ火の消えていない焚き木の近くにある薪を見つめながらセラはこれまでずっと森の中を歩き続け、周りを警戒して進んでいたのもあって、一旦焚き火の近くで座っていた。キリックから携帯食を貰うと


「2人そろっていないってことは何かあったってことじゃないか?二人の武器もないし・・・」


 そう心配そうにいうキリックがいたのだが、それをアニスはこう返した。


「ここらへんの近くでは戦闘音は聞こえないし、二人同時にいなくなるってことは・・・片方が護衛としてついっていって、用を足している可能性もあるしね・・・それに何があってもダンジョン内では基本的に武器を持って行動するよね?いつでも戦闘できるように、キリックは気にしすぎだよ」


 そういうアニスも自分で言っていて、用を足すにしても私達が戻ってきてから、少し経ちすぎている。2人なら大きいほうならこんな味方が少ない現状でするとも思えないし、焚き木をつけたままってことは私達が分かりやすく見つけて帰ってくることを待っていた可能性がある。だから、そう長くテント周りから離れるわけもない。長く離れるにしたってヌーが荷物を置いていくわけがない。それに視界も悪い夜だ。森の中になんてあの2人なら絶対入らない。


「いや、俺達は方位磁石を渡されて、迷っていたんだぞ!2人が何か俺達より強い魔物に襲われていたと勘違いしていても納得するだろ?」


「でも、2人ならこんな暗い中森のほうへ私達を探しに行くってことはないと思う。仮に行くとしても2人なら朝に行くでしょ?でも、2人がする決断はたぶんギルドに戻って報告することだと思うよ」


 それなら、なぜヌーのリュックが置いてあるかが分からなくなる。それに逃げたにしてもテントの近くはあまり争った形跡もないし、アニスは用を足しに行ったのだと思っておくことにした。


 すると、私達が戻ってきたほうとは別の方向で音がした。


 こちらに向かって走ってくる音だ。


 だけど、その足音は酷く急いでいた。用を足しているときに何かこちらにやってきてヌーとラガックは逃げているのかもしれないと、私達三人は音の主のほうへと戦闘態勢を取った。



 Gさんの死骸がダンジョンに消化された・・・戦闘後もほとんどテントのほうは矢で残らないんだよね・・・多少乱れていても戻ってきていたヌーとラガックが掃除したんでしょう。たぶん。

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