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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
73/255

67.



 進めど進めど・・・2人の仲間が待っているはずのテントは見えてこない。


 私達はこの森を彷徨い歩く。


 いや・・・ちゃんと方向磁石を見ながら、進んではいるのだ。


 だが、それで確認しながら、進んだ結果として・・・私達は森の中を彷徨っているのだ。


「また幻覚か?」


 少数で襲ってきたGをキリックは解体し、中から魔石を取り出しながらそう言った。


 私もそれを少し疑っているから、セラのほうをちらりと見て、確認をしてみるが・・・


 そうあまりGを触って魔石を取るのが嫌なのか。キリックの近くで敵を倒して、彼に魔石を回収させて、自分は何もしていないわけでもなく、目視で周囲に魔物がいないかを確認したりしていた。


「今のところないわよ。それに幻覚を考慮して、数分おきに薄い魔力を放って違和感を探してるのよ・・・そのせいでこっちに魔物着きたりするんだけどね・・・」

 

 最後のほうは私達のほうを少し申し訳なさそうに見ながら言っていた。


「私とキリックじゃ幻覚にかかったかどうかも分からないから、セラがいてくれて助かるよ・・・このぐらいなら私とキリックで十分だしね」


「まぁな」


 少し誇らしげにキリックは相槌を打ってくる。私もGはあんまり好きじゃないから、誇らしげにしているキリックに頑張ってもらおうかな・・・


 Gも回収し終わって、また方位磁石に頼って彷徨おうか、どうしようか悩んでいると・・・


「あーそういえば、私達っていつからあの幻覚にかかっていたんだろう?」


 セラはふと今思ったことを口に出す。


「ん???帰りの時じゃないのか?」


「そう、だね・・・きっと帰り道だよ・・・」


 そうキリックがいうあとに、アニスが続いた。


「あの魔物の幻覚の有効範囲が分かったらね・・・でもね、私魔石を拾ってから私は自分で幻覚にかかって道に迷ったんだと思おうとしたわ・・・でもね、この魔石中よりの小なのよね・・・階層相応の石だったのよね・・・方位磁石で方角は分かっていても、歩いてきた時の横に少しずつずれて真っすぐじゃないときもあるし・・」


 そういうセラの瞳は少し濁っていたような気がした。そのあとも言葉は続いて、それは問うてきた。


「もし・・・もしよ・・・単純に私達が方位磁石を使っても、道に純粋に迷ってるとしたら、2人ともどうしようかしら?」

 

「「「・・・」」」


 私達の過ちを・・・


「何もやらずに魔法を使って増幅させてからただの大声を出して2人を待っていればよかったかしら・・・」


 そうぽつりとつぶやいたセラの目は自分たちが自分たちのせいでただ迷ったことを認めてしまったのか、濁っていたように感じられた。


「まだ・・・まだ認めるわけには・・・」


 ただ時間だけが過ぎていく。影が伸び、陽の光がどんどん薄くなり、森の中は暗くなっていく。


 もうすぐダンジョンは夜となる。


 


 道に迷うのはすべて魔物のせいなんだ!そうだ!そうに決まっている(自己防衛)


 またお気に入りの更新が・・・楽しみが・・・待つ楽しみに変わる。

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