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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
65/255

59.



 進めど進めど・・・森は開けない。


「ちゃんと方位磁石を確認しながら進んでるのに・・・キャンプ地が見えない・・・」

「アニスが方位磁石を見間違って道に迷うなんて・・・俺でもない限り全員ができるから、それはないか」

「考えられるのは・・・森自体が動いていることか、私達が全員同じ幻覚にかかっていることよね」


 開けない森の中を進んでもいても埒が明かないと、一度全員足を止め、周囲を警戒しながら話し合う。


「幻覚って、それなら俺らが今ここで警戒していてもダメなんじゃ?」

「・・・それはないって、キリック」

「そうねぇ~ちゃんと私が魔力を身体に巡らしてるから、階層違いの魔物じゃない限り、普通の階層の魔物程度なら解呪できているはずよ?それで今起きているってことは森に幻覚がかけられているか、木型の魔物が私達の方向に多数いてまだ森が続いているようかにするってことなんだけど・・・あぁ、ちょっと方位磁石貸してくれるかしら?アニス」


 そうセラに言われたので、素直に方位磁石を渡す。


 少しの時間がたってから、セラは「ありがとう」って言いながら、方位磁石を私に返してくる。


「それで何が分かったの?」

「そうね、方位磁石自体に幻覚がかけられているかもしれないって思ったのだけど、そんな高等技術ができるわけもなかったっていう紀憂(きゆう)よ」

「へぇ~」


 そう私達が話している間にキリックは辺りの木々を斬りつけていた。


「周辺の木の魔物ってことはなさそうだな」

「「そうね(だね)」」


 暇そうにして辺りに木に向けて適当に斬り付けていたような気がしないでもないけれど、一応は確認してくれたんだと思っておく。


「方位磁石と私達の歩いた時間的に普通ならキャンプ地に着いているから、あんまり木が動いているっていうのはないとは思うけど確認してくれてありがとうね。方位磁石は正しい。魔法による私たち自身にかけられている幻覚ではない。私達のすぐ近くの木は魔物ではない。」


 そうして、考えられる魔物、状況を考えてみると・・・


「セラ、周囲にばら撒く感じの火魔法お願いね、私達が燃えない程度に」

「了解」

「キリックはセラの後ろ警戒、前は私が警戒する」

「了解!」


 セラが詠唱を唱えてると、空中に魔法陣が徐々に表れていく、だとしても、魔物たちはセラの詠唱を止めようとする動く音が聞こえない。


「ファイアボール」×5


  魔法が完成し、5つの火の球が少し離れたところを燃やしていく。


「俺の右前に動く木がある!そっちはどうだ!」

「こっちはなし・・・それになんかあるはず」

「じゃあ、私はそれに狙いを定めて範囲魔法いくわよ?」

「「了解」」


 これが私達は森の階層にきてからの初戦闘となった。


 今回の雨が今年一番のホラーなんじゃなかっただろうか?


 と作者は思ってしまった。


 今年の七夕の彦星と織姫を隔てる天の川も・・・濁流になっていることでしょう。

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