51.
俺の手には分厚いモンスター図鑑が握られていた。
「ふぅ・・・」
一息つきためにダンジョンポイントで炭酸飲料とポテトチップスを出す。
ボリボリ・ごくごくと食べ飲み・・・そして机の上に広がっていたものは食べ終わってしまった。
「ふぅ・・・」
もう一度息を吐いて・・・ダンジョンコアへと向き直り、現実逃避するために人●のゲームをスタート・・・
「いや、やらせませんからね」
それはマリウスによって阻止された。
「何図鑑を読み切ってどの魔物にしようか悩んでそれが決まらなくてとりあえずゲームでもしようかみたいな感を出してるんですか、まだ1ページも読んでませんよね!?僕見てましたから知ってますよ!」
なんだ・・・見てたのか、仕方ない。
「読んでないけどなんか分厚い本を読んでると眠くなるから仕方ないんだ。睡魔がすべて悪いんだ」
そう俺は真剣な表情でマリウスへと向き直り、この穢れない瞳を向けて訴えかけた。
「何腐った瞳をこっちに向けてくるんですかね?前から言ってましたよね?図鑑を見てからある程度実力のある魔物を選んでくださいって言ってましたよね?毎回毎回何ゲームに逃げて決めないんですか!?今日こそはもう決めてもらいますからね!?」
そう言い終わると机を俺の前へと持ってきて、こちらに図鑑を広げ、自分のほうも同じような図鑑を持ち、俺が見ているページと同じ魔物の説明をしだした。
逃げ出してしまいたい、ダンジョンコアに向き直りゲームをしたい・・・いや、やろうと思えばできるんだろうけど、やってしまったら最後マリウスからの今のないような信頼すらも失って、「実家に帰らせていただきます」のような発言をされるかもしれないので、黙って聞いておく。
「このモンスターは爆弾蟲っていうんですけど、雑食で消化が遅いことが特徴なんですよ。このモンスターは攻撃すると皮膚の一部が爆発してそれがヘドロ状の物体となって攻撃した人に襲い掛かってくるんですよね。マスターのあの泥ほどではないですけど強烈なにおいでそれに一度触れたら二度と落ちないといわれるほど後に残る匂いなんですよ、それで魔法などで攻撃した場合でも死んだら破裂して辺り一面にそのヘドロをまき散らします。消化が遅いこともあって死んだ場合に種を辺り一面にまき散らしますし、糞も消化しきれなかった種がある場合もあります、それにヘドロは匂いは最悪ですけど、肥料としてはとても優れているんですよ、匂いがなければ・・・倒した後のドロップも魔石程度ですし、それに倒した後のヘドロの飛距離って結構ありますし、その魔石を取りに行くために近くまで行かないといけないわけですし、ある程度の強さの割にはほとんど相手にされない魔物ですね」
こういう魔物の話が喜々として2時間は続いた。
・・・・逃げたい。
人より魔物の説明を書く時のほうがスラスラと書ける・・・不思議(((白目