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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
252/255

240.




「あなたたちじゃ、熟練の魔術師相手は無理でしょう?それに多少でも師匠の戦い方を知っている私の方がうっかりでも殺されないわ・・・だから、ここは私に任せて先に行って」


 魔術師さんが・・・『ここは私に任せて先に行け!』みたいな死亡フラグを吐いた。


 ・・・見た目どおりなお爺さんの体格なら先へ行くふりして後ろから殴れば、あっさり逝きそうな見た目してますよね?


 ここで1人減るってことは・・・次の階層に行くときに強い人が減って、俺の死亡率が、いいや、パーティ全体の死亡率が格段に上がってしまうのだ!!

 みんなでやっちゃいましょうぜ、ANIKIみたいな雰囲気を醸し出しているのを気づかれたのか


「はぁー私たちの前に師匠1人で姿を晒しているってことはもう近接防御用に物理防御用の魔方陣とか妨害用の魔法陣を設置しているわよ、きっと・・・それに提示されたでしょう?

 『1人を残すか、全員で倒すか』・・・師匠のことだから、2人で不意打ちした瞬間に何かしら階段に対して降りられないようにするか、妨害用の魔法が起動すると思うわよ?

 それでもいいの?それに全員でかかれば誰かしらは・・・軽くても重傷を負うわよ?」


 ・・・そうですか、近接も対応できる師匠さんですか、そうですか、『ここは任せましたよ、魔術師さん!!』と心の中で応援してから、階段の方へと歩いて行く。

 重傷を負うと言った時に俺の方と騎士さんの方を見ていたことを察するに・・・俺が普通に怪我を負うか、それとも俺を庇って騎士さんが怪我を負うかの二択な気がするし・・・。


 階段を下りる直前に2人の方を振り返っても、まだ戦闘行為を始めていなかった・・・まぁ、うん、不確定要素の4人を残したまま戦闘をするのもないか。





「む?」


 先頭を歩いていた騎士さんが階段から出た先で唸っている声が聞こえた。


 階段から出た先は壁に囲まれた・・・ん~?何というのだろう?ほどほどに広い練習場?みたいな??いや、練習場を壁で囲うかな~~?


 その広さゆえに、歩かずとも敵も、下りの階段も見える。

 後ろを振り返れば鉄格子の門・・・・うん、知ってた。


「ここは・・・騎士団の訓練場所ではないか」


 周囲を注意深く観察していた騎士さんがそう口を開く。


 そして、敵は全身鎧の片手剣と盾・・・・・・すぐ前にいる騎士さんを見てから、敵をジー・・・乱戦の時にこれが出てきたら敵と味方を間違えそう。


 そんなくっだらないことを頭で考えていたことを誰にも悟らせずに、『ここはどうする?』ということシリアスを装いながら、3人に聞いてみると・・・。


「俺達は・・・対人より対魔物の方が得意だからな・・・逃げ回ってもいいならいけるが・・・有効打を与えられはしねぇな」「そうだね!」


「え?聞いた俺自身・・・装備の差でボコボコに負けそうかな・・・」


「ならば・・・もう俺が出るしかねぇよな」


 そうメインにく・・・メイン盾の騎士さんがそう言う。


「いや、ここは確実に4人でフルボ・・・囲んでじわじわとなぶ・・・消耗させて倒してしまってもいいのではないでしょうか?」


「ん??・・あぁ~いいや、あの上の2人がいつまで耐えられるか分かったもんじゃねぇ・・・ここで確実に倒すよりも早めにこの迷宮を攻略した方がいいだろう」


 ・・・うん、ソウデスネ。


 もっともな意見に・・・口を閉ざす・・・いいや、うん、戻る階段はことごとく消え去っているからね、仕方ないよね。


「な~に、相手も同じ騎士だ、負けはしないだろう」


 ・・・それは死亡フラグじゃないでしょうか?なんて言えずに・・・また1人減り、3人になって階段を下りていく。


 


 次の階層はまさしく迷宮だった。

 しかも、モンスターハウスみたいな・・・辺りから次々と魔物が出てくる。


 数が減ったところに物量戦って・・・酷くない???ねぇ、酷くない??


 そんな天に向かって叫びながら、盾でモンスターを受け止め、冒険者2人にとどめを刺させたり、自分で刺したりしていると・・・。


「やれ、ボブ」


 そんなコービットさんの声が聞こえたと思ったら、身体を持ち上げられ、投げられた。


 咄嗟のことで・・・いや、うん、後ろから仲間だったと思われる人からの突然の投げなんて想定しているわけないだろうが!!!目の前の敵で手いっぱいだよ!!!


「ちょ!?えっ・・・」


 ボブさんに投げ飛ばされた、尻を思いっきり強打した・・・おのれ冒険者B!!


 その後にもたもたしているときにコービットさんが・・・いや、冒険者Cが叫んだ。


「階層を進めば進むほどに敵は弱くなってきている・・・ならば、この下のはお前でも十分に敵を倒せるはずだ」


 こっちに流れないように魔物を足止めしながら、冒険者Cは続ける。


「あとから俺達も合流する・・・いいや、俺達が合流する前に倒してしまってくれ・・・さぁ!行け!さっさと行って終わらせて来い!」


 え・・・?2人が相棒だということはなんとなく分かるんですが・・・俺とボブさんで・・・足止めして、その間にコービットさんに・・・全てを終わらして来てもらうことでもよろしいのでは・・・まぁ、うん、長年の連携してきた相手の方がいいよね、ぽっと出の俺より・・・。


 後ろから魔物に襲われることもなく、階段に辿りつき、急いで降りた。





「やっと・・・邪魔な奴らがいなくなったな・・・さっさと片付けるぞ、ボブ」


「OK Boss」


 冒険者Bと冒険者Cはあれ~なんかあれ?英語にすると・・・うわーーーそういえば、そうなるやん・・・Aはどこだ!!


 寒いと・・・やる気がなくなるのは仕方のない人間の性質だと思うんだ。

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