236.
階段の先に広がっていた光景は・・・ただの街並みだった。
「ここは!?」「は?」「帰ってきたのか」「・・・ありえない」「・・・」
とかなんとかかんとか、前の5人はそう呟いている声がここからでも聞こえるが・・・俺にはなんのことだかさっぱりわからない。
遠くにある建物が目に入ったときにあれ~最近見たことのあるような形の影の城が見れても、私はーなんーも見なかった。
もしここで元の場所に帰ってこれたんだ!なんて叫ぶ人がいたら・・・ぶっちゃけ、そう言われても信じられないと心の中だけで思っておこう。
こそーりと後ろを振り返ってみる、退路確認とか、あとほら!ここはまだ迷宮の中なんだぜ!とかもし言い争いになってもちょっとは活躍できる機会を得るために・・・。
振り返った先にあったはずの階段は跡形もなく消え去っていた・・・そこにあったのは締め切った冷たい門だけだ。
そ~ですか、逃げるのは禁止ですか、はい・・・門開けたら階段出てきたりなんかしないかな~?
・・・どうやって開けるか分からないけど。
「そうだ!このことを衛兵らに伝えに行かねばの!・・・俺たちと同じように連れ去られた人間がいるかもしれん!」
そういう考えに思い至ったからなのか、その声を声を大にして言い放ち、ぜぇぜぇと息を吐いていた人物とは思えない動きで、衛兵の人たちがいるらしいところに向かっていった。
・・・真面目な騎士様や。
別にいまのこの状況には関係ないといけば関係ないんだけど、ホラーゲームだと、こういう時1人になった人から、死ぬよね・・・まぁ、ホラーゲームというか、ゲームじゃないからそんなことはないけど・・・・心配だからついていこ、メイン盾は大事。
そうしてついていこうとしていると、前の方からも
「ちっ・・・はぁー俺は追いかける、お前らは好きにしろ、庇われた借りがあるしな・・・」
とそんなことを言いながら、騎士の人をフードの人が追いかけていった。
「ここは不気味だしな・・・何も人通りがないのなら深夜なら別にありえねぇ話じゃねぇが・・・虫の羽音も、魔獣の叫びも一切しやしねぇ・・・こんなところに単独行動は嫌な予感がするしな・・・俺らも騎士さんには借りがあるしな・・・行くか、ボブ」
「分かった、コービット!」
そうして冒険者2人組もフードのすぐ後ろをついていく。
「「・・・」」
魔術師と俺は互いに無言でちょっと見つめあってから、追いかけていった。
・・・うん、ある意味先頭にあの人がいたおかげでこっちに被害が来なかったっていう借りがあるしね、うん・・・だから、こんなところで俺とこの人を2人っきりなんて気まずい状況にしないでよ!!
騎士が目にした光景は真っ暗な宿舎、ベットも・・・いや見た部屋は酷く清潔に整えられていた・・・ここには最初から誰もいなかったかのように。
その次の部屋のベットにも誰も寝ていない・・・次の部屋もまたその次の部屋も・・・緊急事態を知らせる鐘の音を叩いても、誰も、だれも、ダレモ・・・その呼びかけには応じてはくれなかった。
「・・・なんだこりゃ、おい!誰か!誰かいねぇのか!!はっは・・冗談よしてくれよ」
オルゴの叫びだけが誰もいない空間に響く。
「・・・だれか!!誰でもいい、いたら返事してくれよ!」
その建物からの外からもその悲痛な叫び声が響いてくる。
「・・・!」
背後から延びる手の影に気づき、一つまみの期待を抱き、振り返るもそこにいたのは・・・
「おい?大丈夫か?」
こちらを心配するように追いかけてきたルトラだった。
「あぁ・・・すまねぇ、あっ、すまなかった」
そうだ・・・同じ状況で来た5人の連れがいた。
自分がここに1人ではないことに安堵した・・・そして、自分が騎士であったことを思い出し、またいつものように慣れない敬語になおす。
ここまでのことを叫び声でおおよそのことを分かっていたルトラはオルゴに何も聞かずに、他の4人と合流することを優先させようと動こうとしたが・・・近寄ってくる4つの影を見て、その考えをやめ、ずっと歩きっぱなしだったなと・・・自分の足の疲労を思い出し、彼は5人にここでいったん休憩することを提案したのであった。
追いついても、休憩時間は何もやることがないから、食堂らしき場所に花瓶に活けてあった花で癒されそうとまった~りと見ていたら、ん?と違和感に気付いた。
あ・・・これ造花じゃんと・・・まぁ~別に綺麗だからいいよね、造花に水を入れるなんてことは聞いたことはないけど、王都民には王都民の花の飾り方があるんだと自分を納得させた。
そして、休憩を終えた後に、ここから出るために人がいない以外の違和感を探し歩き回っていると、ふと、なぜだか一つだけ道がずっと同じ目標に向かって伸びているという不自然さに気付いた。
その道は全て・・・王城へと続く。
真っ暗だとさ・・・この王城、頭に魔がついても良いくらいに不気味な城。
・・・道中、万全の準備をするためだと言って、魔術師さんが魔道具店にごうと、ごほごほ、道具を借りに行ったけど、ほとんどの道具は機能を失っていて、機能が残っているものも戦闘用の物はなく、生活用のものばかりだったという。
・・・なぜだか、魔術師さんのちょっと指のあたりが豪華になっているような気がしないでもないが、俺は何も見ていない!!!!
更新日を忘れるのも、他の小説が面白いのがいけない!!
ミドルネームって別につけなくてもいいよな・・・とか、そんなことを名前をいろいろ考えて投稿した後に気付いた作者。
王子様や王女様の名前と被らないようにってのもあるだろうけど、かぶったらこういう時代の貴族なら容赦なく教会で洗礼を受けて、名前を変更するよな・・・とか、平民が被るような短い名前を王族がつけないだろうし・・・考えれば考えるほど・・・なんでミドルネームなんてつけたんだろう?と考えてしまう。
母方の姓とか、祖先の姓とか、尊敬する人の名前とか、自分の好きな感じのとか、そこまで練れるか!!!!