234.
なんと・・・親切なことだろうか、道の上の方には蝋燭の火がついていて、暗いながらもちゃんと先は薄暗いながらも照らされ、真っ暗闇という不親切しようではないのだ。
・・・だが、2人組の人がランタンを持っていたようで、それに灯りをつけ、自分たちの周りを照らしながら進んでいた。
ランタンを持っていた2人もなぜ自分たちがこれを持っていたのか不思議そうな顔をしていたが、訳は分からないが、使える物は使う。
「さて・・・どことも知れぬ場所の先へと進むわけだが、誰とも知らぬ者たちと共に行動するのは怖いだろう?ここはひとつ、歩きながらでも、自己紹介をしようではないか」
歩きながら、そう全身鎧の人が提案してくる。
「さてはて、まずは言い出した俺から話そうか、俺の名前オルゴ、見ての通りの騎士団所属の盾使いだ!
敵が来れば、俺に任せてくれ!さて、次は好きな奴からと言いてぇが・・・俺はまずそお嬢ちゃんにナイフを向けた放ったあんたの自己紹介が聞きてぇな」
・・・盾より全身鎧着たまま動くのってすごいよね、あれ何キロあるんだろ?
辛くない?蒸れない?・・・決してそんな言葉は吐かないけど、うん、心の中でそうひっそりと思っているだけだよ?うん。
「ちっ・・・はぁーー・・・・・・ルトラ、前衛だ。
それとあれはさすがに訳のわからない奴が後ろから挟み撃ちにされるかもしれないと警戒してただけだ。
突然の状況で少しやりすぎた気もしないでもないが、それは偽ったあいつが悪い、これでだけははっきり言っておく
俺は悪くない」
声的に男かな?
まぁ・・・俺より実際強そうな感じがするし、騙すこと悪いこと、ウン。
でも、それでいきなりナイフを投げてくるキチガイの味方もしたくない。
「顔は見せてくれんのか?いや・・・俺もだったな、がっはっはっは。
ふむふむ、それもそうか、実力がある奴が非戦闘員と言ってわざと後ろから襲うのも考えられるしな、俺には考えもつかんかった!」
背中を叩こうとするオルゴの手をかわし、フードの男は何事もなかったように歩く。
「む!?・・・うむ!ルトラ殿戦闘では頼りにしておるぞ、さては次はお嬢ちゃんでいいか?」
「お嬢ちゃんじゃないわ、メイ・L・ランドンよ・・・宮廷魔術師見習いの後衛よ」
・・・フードの人男っぽい、全身鎧は男!・・・だろ?顔と全身が見える他の2人は確実に男。
紅一点だ!名前知っても俺とは縁がなさそう職業だけどね、うん、それにウソつきだし・・・。
「ほ~う、その肩書でで非戦闘員何と言っておったのか?」
少しその声に嫌悪が混ざった。
同じ国に仕える人としての嫌悪なのかな?騎士団としてのあれこれとか?・・・個人的なのか?
そんなことを考えても、俺は彼の内心を読める訳もないので、ちょっとおこなの?と心の中で思うだけ。
「別に私自身は戦闘はそんなに得意じゃないわよ。
私は後ろに引きこもって魔法を使うのが得意なだけでこんな密閉空間での戦闘は得意じゃない、むしろ不得意よ。
満足に力を出せないで足を引っ張るくらいなら、最初からいないほうがいいでしょう?」
「まぁ~そういう考えもあるな~
だが、さっきの防御を見る限りじゃ、防御だけでも足手まといにはならんだろ」
そうまだなにかあると、非戦闘員だった理由を問おうとする。
「あぁ、もう!・・・行きたくなかったのは、私自身体力が少ないからよ、悪い?!あんたら騎士団みたいに全身鎧でずっと歩き続けられるような体力馬鹿じゃないのよ、私は!」
「ほ~う、嘘じゃなさそうだな~さて、残り3人は好きな奴から自己紹介してくれ」
俺ら3人はこの3人とは格が違った・・・そんな先に自己紹介とかを聞きたいほどの人物がいないということかな?うん・・・別に悔しくなんていないよ?俺はただの観光客だからさ・・・・・・。
「あーーー俺ら2人は別に騎士とか宮廷魔術師とか大層なもんじゃなくて、普通のBランク冒険者だ。
俺はコービット、こいつはボブ、俺ら2人とも前衛だ。
探索の真似事みたいなことはできるが、本職じゃないんで、盗賊の真似事できる奴がいれば、最前列頼むわ・・・なんか嫌な予感がするんだよな」
「よろしく!」
そう短くボブのほうも挨拶をすると・・・俺の番が来た。
「いやーはい、ユウキです、一応?盾?が少々使え・・・るような気がしないような・・・オルゴさんよりは全然下手糞だと思うので、ただのお荷物になるかもしれませんがよろしくです・・・あ、前衛です」
「うむ!よろしく頼むぞ、コービット殿、ボブ殿、ユウキ殿」
そうして、自己紹介も終え、この前衛5と後衛1という・・・なんともバランスの悪いパーティで先へ進むことになったのだ。
全身鎧って30~50キロくらいあるんだってね・・・?それを足元が薄暗いところでずっと歩く・・・無理やわ・・・。