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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
242/255

230.


 いつものように過ぎていく時間・・・時間はいついかなる時もそう変わらずに過ぎていきます。

 視界の端に見えるいつもと違う感じのマスターは、もうすぐで王都につくということでウキウキ気分で何をしようかな~とか、王城・・・潜入・・・いや、無理だな。

 隠れた名店探し・・・はさすがにぼったくりのところに入ったりしたら、嫌だしな・・・ん~~~名所ってどこなんだろう?王城?・・・ガイドブックなんて便利なものはないし、自分の足でそれを探せと!いや、普通ならこう言う時に街案内の胡散臭いおっさんがおすすめの宿とか武器屋を教えてくれたり・・・宿屋はいいけど、武器屋はないな、それよりもぼったくり・・・いや、路地裏に連れ込まれて身ぐるみを全部はがされるかもしれない!?


 何やら悪いことばっかり考えているようですが・・・そんなの旅の経験として学べばいいでしょ・・・死なないんだから。

 ガイドブックですか・・・あとで詳細を聞いてから、何かしらをやるかは判断しましょうかね。

 ・・・それと自ら自殺しに行くような・・・いえ、そもそもできもしないことを言っているような気もしますが、それ以外はたいしていつもと同じ変わり映えのない日常だったはずです。


 それを見たのはただの偶然だ。

 ただ仕事の合間に何か他のことをして、休憩しようとしていたら、それが視界の端に映った、ただそれだけ。

 だが、それをただの日常の一コマとして、見逃すことはできなかった。

 画面の中に人影を見つけた・・・それが他の階層だったのならただの冒険者か・・・ゴブリン?コボルト?怒熊!!・・・は無理があるか。


 ダンジョンの入り口の警報はうるさいからマスターは切ってしまったが、泥の階層よりも下は侵入者があれば、分かるような仕掛けがなされているのにまったくの反応がない。

 それとは別に17階層からの階段にマスターにも言っていない隠しセンサーがある。

 いえ・・・本当は侵入者用ではなくて、マスターが地上に遊びに行こうということが2度目が起きても、すぐに気づくようにするための代物だ。

 ダンジョンのとは別口で自分がマスターようにと設置した罠だ・・・それが反応を示した。


 マスター追跡のために数時間くらいしか持たないが、魔力による追跡もできるようになっていた。

 あの人影を見ていなかったら、その一瞬の反応もただの誤作動だと誤認していただろう。

 意識していたからこそ、それに気づいた。ちゃんと正常に作動していた。

 だが、それを感じた瞬間にそれは消えた、消された。


 画面に映り込んだ黒い姿。

 誤作動ではないと、すぐ近くに敵は来ていると確信する。

 魔力による追跡を消せるなら それは相手はそれだけの手練れということ。

 それも人影は1人分だった。

 とても手ぶらにしか見えないが、森の階層は・・・相応に広い。

 一瞬だが、影に服にも葉っぱや、草などの痕跡が残っていなかったはずだ。

 そして何よりも、その者の髪の色が黒髪だった。




「あぁーとても最悪です」


 マスターには聞こえないようにそう小声で愚痴をこぼす。


 あの罠に対応できるなら、魔法タイプということは派手なやつでしょうか?それとも広範囲?・・・泥の階層の狭い場所で戦いになれば、僕の方がきついですよね。

 下手すれば、死にますよね。

 ・・・・あぁ、なんででしょうね。

 不思議です。

 普通ならここで戦うなんてバカらしいことなんて考えずに逃げればいいだけの話です。

 マスターの害になることはできませんが、それを教えて、見捨てることはなんら契約に違反していないことです。

 挑戦者が来たら マスターは迎え討たねばなりません・・・それがダンジョンマスターというものです。

 だいたいは一番強い魔物を配置して代わりをさせるんですけど、アレは使えませんし、だとすればこのダンジョンの中で一番強いのはマスターということになりますけど、マスターが勝つ?

 準備をしていれば、大抵のパーティなら勝てますが・・・やっぱりこの黒髪の不確定な相手にぶつけさせることはできませんよね。

 それに普通の相手だったとしても、悪人相手は殺したことはあるようですけど、ただの冒険者?を殺せるでしょうか?



 目の前の相手を殺せば、ダンジョンコアという財宝が手にはいる。

 欲は人を簡単に変えますからねーーはぁーーー今度はダンジョンボスの案を出してみましょうか?



 あの影の人物が来れば、このダンジョンとの契約も切れるかもしれないのに、・・・そうですね、ここの生活は悪くなかったですし、あのフルーツも、ゴブリン達が作ってくれる野菜も美味しいですし・・・だから・・・


 そんなことを考えていると、ちょうどよくマスターがホムンクルスに憑依するところで、後ろから気がつかれないように髪を数本斬り取ります。

 何も伝えなくていい、別に僕があれと・・・戦うのだから、これはマスターにとって都合のいいことだ。

 帰ってきたら、いつも通り人形たちに料理を用意させて、何事もなかったようにただのいつもどおりに食卓を囲もう。

 そして~ここに身代わり人形にマスターの髪の毛を入れて、これでここにマスターがいると誤認させられますね。

 魂もあっち側いっちゃってますし、たぶん大丈夫です。


 それを懐にしまう。


 さて、これはいつもとは違う、マスター探しという危険のないことじゃない。

 マスターとの稽古でも、仕事でもない。


 ただの1人の・・・友人?・・・いえ、主従??ん~~気が許せる人?知人???・・・まぁ、そんなことはどうでもいいですね。

 僕は覚悟を持って、この地を守る。


 そこにいる彼はいつもの装いの彼ではない。

 灰色のマントで全身を覆い隠し、白い不気味なお面で顔を覆い隠した彼がそこにいた。


 ただ僕が勝手に自分の得物にそう誓った。



 そうして、すぐあとに・・・その黒い影・・・はダンジョンコアの前に姿を現したのであった。

 刀は持っているけど、マリウスさんどういう服が一番戦闘に向いているのかな?知らん・・・そうだ・・・全身を覆い隠そう・・・後だしでいける!・・・ここにダメな作者の鏡がいます。

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