表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泥のダンジョンマスター  作者: ハル
231/255

219.



「唸れ!筋肉!まっするマッスル!!!!・・・違うな」


 農場で1人声を上げる。


「うぉぉぉぉぉぉぉ!!!!覚醒せよ、我が肉体!!・・・違うな」


 自分の肉体に語るりかけるように叫ぶ・・・だが、悲しいかな、俺の肉体はその声には答えてはくれなかった。


「身体強化!!!?・・・はぁ・・・これも違う」


 正直技の名前だけを言って、できるとは思ってはなかった・・・そんな簡単にできてしまえば、あんな地獄の7か月を伊達に過ごしてはいない。

 だが、できてしまうかもしれないという一種の願望があるのは仕方ないじゃないか。

 誰だって、恥ずかしい詠唱を言えば、ばっと魔方陣が現れて技が発動なんて、そんなご都合主義の展開が羨ましいじゃないか!!!

 誰だって、修行なんてしたくない!!でも・・・自分の思い描く夢を、願望を実現したいがために、その妄想を現実のものにするために辛い修業を耐える!

 だけど、最初は・・・修行の最初くらいは簡単にできるかもしれない?という夢を見てもいいじゃないか!!


 どうせ醒める夢だとしても、その先に辛い修業という現実が待っていようとも


 夢を見るの権利は誰にだってあるはずだ!!!


「うん、さて・・・このもやっとした魔力みたいなのを感じれるようになって・・・これを全体にわーっとやれば、それが身体強化になるのか・・・な?いや、筋肉強化か?それともそれ以外???やってみればわかるか、うん!あたって砕けろ!」


 魔力感知を自分限界までしているうちにおぼろげながらも、自分の身体の中にある魔力を感じ取れるようになっていた。

 今までは魔力感知という目標があったから、そっちに集中していたのだが・・・だ、だいぶできるようになってきた・・・8回だけど。

 これをやろう・・・うん、ぶっちゃけ魔力感知でずっと射られるのから逃げ出したかっただけ・・・耐久強化?防御アップすれば、あの痛みがなくなって訓練が楽になるという私利私欲のためにやる!!






 その魔力の塊をあっちこっちに移そうとしても・・・微動だにしなくて、全力で動かそうとして腕の位置に引っ張っていたら、後ろから突如声がかかった。


「マスターこんにちわ~」


 そこにはマリウスが笑顔で立っていた。


「・・・イオルにお菓子を賄賂として渡していたはずなのに・・・」


 イオルにマリウスがこっちに来そうになったら、声をかけてとお菓子をあげていたのに、なぜここにいるのだ!?


「僕はマスターが変なことをしないかのようにイオルに料理人形お手製のケーキをあげましたよ~

 まぁ、僕の方にもイオルは来てませんけどね」


 その小声はしっかりとマリウスの耳に届いていたようで、そう返された。


「・・・」


「・・・にっこり」


 ま、まさか


「・・・二重スパイ(((ごくり」


 報酬だけもらって働かないスパイの風上にも置けない野郎だ~~・・・まぁ、子どもだし仕方ないか、それよりも・・・この状況どうしよう・・・。


「ところで、何をしていらっしゃったんですか?」


 その考えを見透かしたかのようにそんな言葉が投げかけられた。




「ざ、雑事を少々・・・」


「それにしてはこのあたりに何もありませんよ、マスターがこのあたりに畑を耕すにしても鍬もありませんしね」


 ・・・こんなことなら、鍬持ってきてその辺りの土を掘ってから、アリバイ作りをしておけばよかった。


「それよりも、きょ、今日はなぜにここにいらっしゃるのでしょうか・・・マリウス殿」


「当然今日の仕事が終わったからに決まってるじゃないですか、マスター」


 さらーっと普通に答えられる・・・な、なにかこの場を切り抜ける話題はないのか!!


「・・・そ、そうでございましますわよね、と、ところで、い、いつ頃のあたりからこの場所にいらっしゃったのでありましょうか」


 そうだ・・・そう、ばれてなければいいんだ!・・・雑事、雑事、いや!ここで昼寝をしようとしていたことにすればいいんだ、我ながら完璧なアリバイだ。

 もうここらへんで魔力切れで何度も何度も転がっていたんだ、もうここは完璧な自分のベットといっても過言ではない。


「なんですか?その変な言葉遣いは?なんか変なことでもしていたんですか?」


「そ!そ!!そ↓~んなことはございませんでござる、俺はちょっとここらへんで昼寝をしようとしていただけなのだよ!」


 そう追求されて、ちょっと変な声が出ていたような気がするが、これで完璧乗り越えた。


「へぇ~昼寝ですか?・・・まぁ、唸れ筋肉のところからいたんですけどね」


「へ?」


 ・・・Oh、マリウス、そりゃないぜ


「最近は魔力感知の練習をしていたマスターがどうして掛け声が筋肉なんかになっているんでしょうね?マスターさ・ま」


 そう問いかけるように、追求するようにそう満面の貼り付けたような笑顔で彼は言う。


「・・・・頭が筋肉でできているからさ!そう!俺の場合、筋肉と言葉にしたほうが魔力感知がはかどるんだ(((震え声」


「今までで類を見ないほどに苦しい言い訳ですね・・・今まで訓練していた時に筋肉なんて一言も言ってなかったじゃないですか」


 冷めた声と視線が刺さる。


「だ、だって・・・魔力で筋力強化ってかっこいいじゃないか」


 ・・・ばれているなら、もう無理だ、こうさんだ~。


「はぁ・・・・とりあえず腕の中で貯めん込んでいる?ですか?その魔力をやめて下さい」


「ぎくっ」


 もう掛け声以外のこともばれているなんて・・・。


「さもないと・・・」


 笑顔で意味ありげにそう間をおくと・・・


「さもないと・・・??ま、まさか、ジャンクフード購入禁止!?」


「マスターの腕が破裂します」


 とんでもないことを言い放った。


「解除っっっ!!!!」


 だが、その物騒な言葉で今まで魔力に集中していた意識がそっちに向いて、制御を手放そうとした瞬間にマリウスが全力で俺の頭を何かで叩いたと思ったら、腕に集中していた魔力は霧散していた。






「なんで・・・魔力感知に7ヶ月もかかったのに、身体強化・・・もどきの手前までは数時間でできているんでしょうか・・・自己流なのに・・・いえ、魔力感知をいっぱいやったせいで自分の中のに敏感になっているんでしょうかね~?」


 そう全体的に魔力が霧散されて、グロッキーになっているところにそう声をかけてきた。


「はぁ・・・まぁ、魔力での身体強化の入り口までは自力でたどり着いてますし・・・んーでは、アドバイスを一つ、最初から全力で魔力でやろうとしないでください、外に魔力を出す行為と、内で魔力を巡らせる行為は命にかかる危険度が段違いですからね」


「は~い」


 ぐでーんと床にとろけながら、今は命の危険からの解放からか、やる気の感じられない返事をする。


「あとマスターはこれから食後に改良版、飲んでもそのあと味をちゃんと感じられるようになるポーション(((試作品)))を飲んでもらいます」


 机と椅子を出して、座らされたと思えば、机にはそれが置いてあった。


「・・・・」


 そっかー改良されたんだー誰があんなの飲むんだ・・・・そっか、罰ゲームとか、拷問とかでやるのか~そうなのか~あはははは~(((現実逃避


「あとでマスターは食後に・・・」


「おけ、わかった、理解した、完璧に・・・だが、待ってくれ、処罰が厳しいです」


 内緒で・・・ちょっとだけ腕が危険になったけど・・・んーーーこれがだ、妥当な、のか?


「飲まなくてもいいですよ?僕に悪かったという罪悪感という感情がなければ別に?」


 そう寂しそうに悲しそうに顔を下に向けながらいわれる。


「うぐっ・・・・べ、べつにないわけじゃないけど、ちょっと罰のグレードを下げてくれてもよろしいのではございませんでしょうか?」


 ・・・今なら2週間ジャンクフード禁止くらいなら罰を受け入れるよ?


「はぁーー僕が注意しなかったら、下手したら腕破裂してたんですよ?それに比べれば実験た、、こほん、こんな罰なんて軽いものじゃないですか」


「今実験体って言わなかった?!言ったよね?言いかけたよね!!」


「さっきのように勢いで話を変えようとしないでください、今マスターに与えられた選択肢はこの二つです。

飲むんですか?飲まないんですか?」


 べ、別にさっきは・・・変えようとしたけど、ここで飲まなかったら、マリウスから軽蔑の眼で見られそうだし・・・7ヶ月間は一応改良前のを飲んでいたわけだし・・・まずいけど、軽蔑の眼で見られるのはもっと嫌だ!


「・・・・・・・う。うぅ、悪かったです、飲みます」


「そうですか、まぁーこれからはそれをやるときは僕を呼んでください、万が一の時に魔力を散らしますから、当たって砕けろ?・・・まぁ、この場合は当たって弾けたいなら、1人でやってもいいですけど・・・」


 罰の提示された後で、そ、そういうの言うのは・・・・温情?友情?主従の関係で言われたとしても、嬉しい。


「弾けたくないので、呼びます・・・それと、なんか、うん、ありがと・・・」


 そうお礼を行った後に、決意とともに・・・出された飲み物?を飲んだ。


「にがいまずいあまいからい・・・まずい」


 ・・・まずいけど、まだましなまずさ・・・まずいけど




 強化系の魔法をものにできたのは2ヶ月後だった・・・7カ月とは大きな違い、今回はあんまり外に漏れ出さないから、一日に数回しかあのポーション(改良後)を飲まなくてよかったのも大きい。


 ・・・ものにできたと言っても、全体からみて、ちょっぴりでのパワーアップだ。

 それと魔力感知との並列でやれと言われる・・・中で魔力を巡らせているのに、外に放つ魔力感知を同時にやろうとしたら・・・例えるなら空気が満ちている風船に一瞬だけ全力で穴開けるのです。

 そりゃ、うん、できないです。

 それに矢が身体強化されてるようになってから、射手もちょっとパワーアップしたのか、身体強化しているのに変わらず痛いです。


 これより強くするには肉体的に強くなって、これ以上の強さになっても壊れないようになるか

 それとも、耐久強化など他の強化魔法を並列して発動するしかないと言われた。

 耐久と筋力と魔力感知・・・できる気がしないのはなぜでしょう・・・肉体をこれ以上鍛えるか・・・それもそれで難しいような・・・いや、3つ同時よりましか?


 ・・・結構鍛えられていたつもりなんだけど、それと並列を失敗したらどうなるの?って聞いたら、まずは最初に耐久のほうを強化して、内部での破裂で肉体が壊れないように強化が完璧にできるようになってから、違う強化魔法をするんですけど・・・まぁ、体験した人によれば内部をめちゃくちゃに殴られるような新感覚だそうです・・・と冗談でもなんでもなく、いつも通りに普通に怖いこと言ってきた。

 筆は走る・・・・だが、投稿時間は遅い((無慈悲


 イオルは普通に御昼寝しているから、気づかなくても仕方ないネ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ