216.
戦闘?・・・フルボッコにさせられたよ・・・うん。
稽古といっても、マリウスさん、自分では戦わずにいつぞやの木人形出してきて、コントローラーはテレビの研究してたところに送っちゃってたらしかった、ので・・・自動戦闘、オート操作・・・未だ木人形すら勝てない俺。
「ところどころ、僕が指示したり、魔力である程度強くしてるので、僕の予想越えなきゃ勝てませんよ、それにしても、マスター盾使えるようになったんですね~」
そうして、項垂れている顔を上げようとしたら、追撃があった。
「でも、使えなかった方がよかったですかね・・・防御に偏りすぎです、実際マスターはホムンクルスで本当の意味での死というものではないのですから、もっと暴れてもいいと思うんですよね。
まぁ、別に盾を使うということを否定したいわけでもないですけど・・・マスター盾って・・・だいたい『盾』ですよ?・・・マスター、一緒に冒険する仲間います?」
「・・・」
な・か・ま・・・?酒場に行ったら、売ってますか?知り合いならいるよ・・・数人。
「・・・いますか?」
「・・・いるよ(((震え声」
未来の自分には(予定)
「ふーんーまぁ、それでも、今のマスター、その盾邪魔ですね。使うにしても、もっと小回りが効くのがいいと思いますよ。
実際魔物や人の攻撃がくるのは怖いですけど、よく見なければ上手く逸らしたり、受け止めたり、跳ね返したり出来ませんからね~ちゃんと見ないで体当たりして、そのまま避けられたりしましたからね」
疑惑の目を向けながら、今さっきの出来事を淡々と告げられる。
グサッと・・・心にナイフが突き刺さった。
「いけると・・・思ったんや・・・」
突撃したら、ちょっと軽いと思ったけど、木なんだから、そのぐらいか・・・で納得するよね?
そしたら、突撃と同時に木人形は後ろに飛んでいて、衝撃を和らげて、俺が剣でとどめ刺そうとしたら、盾で視界が悪かった時に後ろに回り込んでたとか・・・これはね、うん、、、俺が弱いだけだね・・・・。
マリウス>イオル≧木人形>俺 戦闘力
農作業しているゴブリンには・・・いや、あの化け物野菜を狩ってる魔物だし・・・戦闘というより農家に負けていてもショックだし、勝っていても・・・農家だし・・・。
「・・・はぁ」
「というわけで、盾無しでまた一度やってみましょうか・・・」
拒否する理由もないし、やるか。
「・・・ん、盾の方向のほうが甘くなってますね・・・それに剣も右を主体にしすぎて、読みやすくなってますし・・・楯のよりはマシな感じですか?ね?」
負けた側に聞かれても・・・
剣を弾かれ、首に刃をあてられ、降参ですよ。
・・・だって、最近楯使ってたから、そうなっても、仕方ないじゃないか・・・ただの負け犬の言い訳です、はい。
視界が広がって新鮮だし、いつもの守るのがないから、・・・やりやすいか?・・・いや、なんかそれだと楯を否定した気がして嫌だな。
「まぁ・・・、盾邪魔ですね、僕の戦闘で邪魔というわけではなくて、両手持ちなんて、普通に邪魔です、マスターにとって」
「なん、だと」
楯が否定された・・・・ショック。
「マスターも筋力は多少上がってると思ってますけど、両手より片手の方が当然のことながら、威力は落ちます。普通に半分の力でできるというわけでないですからね。
両手で100%の攻撃・・・は、普通にマスターはできませんから、頑張って70くらい、気持ち100%でふるってですけどね。それを盾と剣の両手持ちにすると、出せる力はいいとこ片手で25%くらいじゃないですかね、両手で別々のことをするって意外と考えてしまうんですよね~」
4分の1・・・2つ合わせてやっと半分の力が出せているか・・・・
「剣なら、避ける、逸らす、攻撃する
剣と盾なら、普通に動いて避ける、
剣で逸らす?・・・盾持ってるなら、攻撃するだけですかね
盾で逸らす、受け止める、相手の武器を跳ね返す、盾で押し出す」
そう指で数を数えながら、例を出していくマリウス。
「選択肢って多い方がなんでもできて万能なんてことは思う人がいるかもしれないですけど、マスターや素人に毛が生えた程度の人には邪魔です、無駄です、無意味です。
使いこなせるわけじゃないですか・・・画面の前のマスターならともかく、殺してやるという気迫と殺気を伴っている敵を前にはできるかもしれませんけど、できないほうが多そうです、私見ですけど」
・・・跳ね返すやってないな、全然。うん・・・耐えるとタックルだけか・・・避けるのは、重いし・・・そんなやれてないか・・・そんな避けなくてもいいのしか相手してなかっただけか。
「まぁ、安全を盾で買ってるとも言えますけど、ソロでやるなら、視界確保の邪魔になりますし、やるなら中型の盾ですかね・・・マスターがやってた大型のって、体格的に恵まれた人や、戦争の攻城戦の時くらいしか見かけませんでしたし・・・」
体格の恵まれた大剣と大楯を爺さんが真っ先に目に浮かんだ・・・身長と体格が・・・ほしい~~。
たとえでかくなくとも!ぼっち・・・いずれ仲間作る予定だけど今現在ソロだけど!!これからも大楯の方を使う!
といったら、『まぁ・・・一度しかない人生じゃないですから、マスターがそれをやりたいと言って、それ弱いですから、やめろなんて言えませんよね、たとえまだソロでも~ですから』とマリウスが二つの選択肢を提示した。
「ん~ムキムキとガリガリどっちがいいですか?」
「・・・」
なにその二択???
マッチョと骨細・・・どっちがいいかって言われれば・・・
「中間で」
ホソマッチョじゃない?中間って、どっちかっていうとそのほうがいいかな~~って俺は思う。
「ないです」
「・・・(´・ω・`)ショボーン」
無慈悲にも一刀両断された。
「早くどっちか言ってください、言わないなら、もうそれなしで」
「じゃあ、ムキムキで」
いやだって・・・・これから痩せるか?、マッチョになるか?の二択なら・・・マッチョのほうがいいやん・・・
「なら、この鉄塊の詰まった・・・」
まんまそのまんまなの?ムキムキ化計画なの?・・・え?それで46時中生活しろと???
「・・・そんな絶望に満ちた顔を、期待が外れたような顔をしないでくださいよ、はぁー、これは嘘ですよ、じゃあ、魔力強制排出しますから、頑張って魔力感知覚えてくださいね」
「・・・え?」
魔力排出???
「前に同僚からまた失敗作を何十個か押し付けられたので、ポーションの在庫は心配しないでくださいね」
・・・蘇る絶望の味
俺は今確信している、自分は今さっきよりもより絶望に染まった顔をしていると。
「・・・リタイアは可能ですか?」
「可能ですけど、そのまま盾を使いたいんでしょう?」
「・・・はい」
「なら、これ以外は非殺傷の弓矢を四方八方からゴーレムに打ってもらい、マスターは視界を完全に閉ざして、全部避けるまで終わらない修行の体に覚えさせよう物理での二択ですけど、どうします?」
「・・・・・・・・・」
痛いか、まずいか・・・・クソまずいか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・盾使いたいんだよな・・・マリウスの言っていることは間違ってないし・・・木人形より弱い俺だし・・・。
「修行期間は?いかほどでございましょうか???」
「・・・えっと、はい、マスターが覚えるまで・・・ですから、未定ですね。努力次第で1日で終わるかもしれませんね」
・・・絶対1日じゃ無理だよな。いや、弱気になっているからできないとかじゃなくて・・・無理なものは無理なんだっていうただの事実なんだ、うん・・・・それで自分ならどっちのほうが早く覚えられそうか?・・・
「ムキムキでお願いします」
「まぁ、ちゃんと夜は寝させますし、安心して・・・頑張って在庫減らしてくださいね」
マリウスの手によって、最初の3時間ほどは気絶させられ、そのあとになぜか作られていた、強制的にポーション飲ませる君と、あなたの魔力散らしさんが作られていて。休憩という概念がない二つによって、より苛烈な修行になるということをこの時の俺は知らなかった。
「・・・強制的に目覚め・・・スン?・・・名前がいいの思いつかないですし、さすがに気絶してる時間くらいはゆっくりさせてあげますか」
苦み、辛み、甘み、酸み、渋み
この世のまずさを凝縮したような 天下のポーション。
効果は魔族・人族・獣族 どの族よりも遥か高みに存在している。
・・・ただまずい、戦闘中に飲もうものなら、自分が戦闘不能に陥ってしまうほどに・・・効果はいいんだ、効果は。
全ての魔術師は口をそろえてこう口にする。
『え?あれ飲むなら、体が破裂するぎりぎりまで別のポーション飲むわ、例えそれが原因で死んだとしてもね』
『あれ飲むくらいなら、死ぬわ』
『あれ一滴よ?それも限りなく薄めて飲んだの・・・でも、1か月、1か月よ?私大好きなケーキが何も感じられなくなったの、私の生きがいの死よ?もう・・・それからはあれに関わるのはやめたわ、もう見たくもない』
そう断言させられるほどにあれのまずさは次元が違った。
金貨1枚 至高のポーション 効果の割には格安・・・買ったら返品不可、飲んだら自己責任。
・・・どの店にも置いては居ない、売れないものは誰も仕入れないからだ・・・ただもの好きな商会がそれを売っている・・・2,3本ほど。