20.
人形がその子どもをここへ運んできて、いつも俺が寝ているベットへと寝かせるのは汚れが付きそうでいやだから、シーツを敷いて床へ寝かせた。
「拾ってきたが、目を覚まさないな」
「ボロボロだったんですから何かしらがあって目を覚まさないのでしょうかね?鑑定」
鑑定とつぶやいた後、何もない空中を目で追っていた。
「ふむ、なるほど」
「なるほどじゃ分かるか、ていうかさっき鑑定使えるなら自分で確認しなかったんだよ」
「初日にあなたのダンジョンコアから通して密かに鑑定をして色々有用に振舞おうかと思いましたよ、やったら画面一杯の瘴蟲の鑑定結果がね、一気に情報が来て僕の頭が割れるかと思いました・・・・・そこから決めたんです、もう僕はあなたのダンジョンコアの画面から鑑定するなんてごめんだと」
その背中から発せられる深い悲しみにも似た気配を感じたため、これ以上しなかったことへの追及はやめておこうと心に決めた。
「それで状態はどうなんだ?」
「ただの疲労によるものによる睡眠ですよ、無理やり起こそうと思えば起きるんじゃないですか?まぁ、そんなことしたら・・・」
「なんでそこで止めて無理やり起こしてほしそうな目で見るんだよ」
さすがの俺でも今寝ているやつを緊急時でもないのに無理やり起こさないぞ・・・
「いえ、無理やり起こせば、暴れられるか、噛みつかれるか、全力で逃げられそうだなって思ってただけです、この子の種族はハーフですね、獣人族の・・・種類はなんなのか、その巻いてるボロ布を取ればわかりますが」
「ん~別に種類なんてどうでもいいだろ・・・気になるけど」
犬耳か猫耳か・・・狐耳か・・・定番か否か・・・
「まぁ、そうですね、ここトリア王国は人族が多いところですから、この子ハーフですし・・・」
「虐待か?」
「どちらの親とも死んでいたらいい村なら村の子どもとして見守って育てますけどね、この子のことなんて僕たちにはそう関係のないことですよ」
「死にそうになってる丸腰の子どもを見捨てるほどまだダンジョンマスターやってないからな、俺は」
「言っときますけど、子育てって大変ですよ、ある程度成長してるから楽だと思わないことですね、僕はダンジョンのことなら手伝いますけど、この子に関してはマスター1人で頑張ってくださいね」
そうダニエルは告げると自分の部屋へと帰っていった。
「ダニエルじゃなくてマリウスです、ていうか、マスターが害される可能性考えてこの部屋で待機しますよ、丸腰でも獣人族のハーフです、油断したら子どもでもあなた殺される可能性があるって自覚ないんですか・・・」
そうして2人でこの子どもが起きるのをゲームをしながら待った。
「僕はやりませんから!いいです!」
のんびりと書きながら、色んな作品を読んでるけど・・・
よくこんな長文や情景かけるなーと感心してる読み専であった。