204.
「また、うるさいなぁ・・・」
絶賛ゆっくりと自転車で移動している俺がいる・・・このドンドンと壁を叩いているような音が夜も聞こえてくるのは実際拷問くらいなことだと思うんですよ?
昨日の1日はその音が止まって、耳栓をつけずにゆったりと寝れたんだけど・・・また復活した。
いや、なんか復活?・・・うん、復活してから、なんか一昨日よりもパワーアップしている気がする・・・なんか大きなものが複数倒れるような音と・・・そして多くの木の葉がいきなり地面にたたきつけられ、その反動で花粉が目に見えるような濃さで・・・風に揺られてこちらに飛んでくる~花粉症じゃなくてよかった。
今日からまた耳栓で寝て遭難者を探す日々に・・・・睡眠っていうのは、なんていうかな・・・誰にも邪魔されないで、1人でなんとういか・・・静かに寝たいんだ。
この大きな音は夜に出すな!!と文句言いに行くなんてことはしないけどね、怖いし。
冒険者のホムンクルスでやっているときも・・・ベットの質とか・・・・いや、だいたい寝るときは憑依解いてこっちで寝ているからあんまり関係ないや・・・あぁ、遭難者どこにいるんや・・・。
じーっと大きな音がする未探索の方面へと目を向ける。
・・・ドンドン、ドガーン、バサササ、ドゴン!とか、物騒な音がしているところに向かいたい?俺はできれば向かいたくないな・・・うん。
リスクを背負わなきゃ、実際結果や成果は出ないかもしれない!!
・・・・そのリスクを背負って、巻き添えになれば、元も子もないけどね。
だけど、みんなにこの気持ちを知ってほしい。
『怖いやん?』
いや、うん、・・・人間は未知というものを発見し、調査し、探求するものだ!
こんな大きな音が出せるの魔物なんてうちのダンジョンにいないから、十中八九魔人なんだろうけどさ・・・。
『リスク=自分の命』だからね!!魔人が友好的・・・なわけないか、こんな暴れているのなんてだいたい狂犬だって、ゲームでも狂人ポジションで意味不明なことを言いながら、襲い来るに決まっている!!たぶん!!
でも・・・あそこらへんしか、この階層で探索してないところないんだよな・・・・・・
行きたくないよ・・・無視して階段のところへ行くなんていう選択肢もあるけど、ここから行くとなると底なし沼を遠回りしながらになるから、音がするほうを突っ切ったほうがすご~く早い・・・遠回りして、またGや蜘蛛の大行進をされたくないし・・・
よし!男は度胸!・・・・こっそりゆっくりまったりと敵意も戦意も微塵も感じさせなければ、みんな人類、仲間!・・・魔人、人類じゃないやん・・・。
・・・前にあの音らへんに近づいたら、もっとドガガガガアアアアアアンみたいな激しい音がして、こっちに気づいて威嚇してきた!?と思って、方向転換、真後ろに全力で自転車を漕いで逃げたっけな・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・まぁ、うん、行かなきゃ始まらないし、この先の鉱山まで行ったら、どうせ・・・ある程度入り組んでいるといっても、森のように縦横無尽に移動の際の選択肢があるわけでもないし・・・会うだろうな・・・・もう先にここで横漕いでいって、失礼します~っていう感じで言ったほうが先に気まずい展開を残していくよりもいいんじゃないか、いや!そのほうがいいに決まってる!
よ~~し、逝くぞ~~
・マリウスside.
「ポリポリポリ」
遭難者4人のことを遠くから監視?観察?・・・いいえ、それを救いに行ったはずのダンジョンマスターであるマスターが彼らを見つけて、満足するまで見守ってから、引きずってダンジョンコアルームまで連れ戻す予定だったんですけど・・・
「来ませんね・・・何やってるんでしょう?まさか・・・森で遭難した?いや、ダンジョンマスターですからないですよね・・・泥にハマって動けなくなったとか、森の魔物に構ってと追い回されて時間がかかっているんでしょうかね~?はぁ~」
目的の人の付近で待機していれば、ダンジョン内を探し回らなくて楽に見つけられると思ったんですけど・・・目的のマスターが全然来ません。
「おや?動きましたか・・・」
警戒しながら、怪我をしている1人を背負いながら、上へと目指す4人。
「ん・・・あぁ~魔人のせいで今の階層にはほとんど魔物いませんし、僕とマスターがコアルームにいないので、瘴鳥以外はあまりいませんね・・・」
増えすぎてもいけないので、今は半自動で朝僕がGと蜘蛛を補充していたんでした・・・。
「今からコアルームにいって、補充するのも無粋ですし、彼らの運がよかったということで見守りますか」
マスター・・・早く来ないと自力で彼らここから抜けそうですけど・・・いや、足止めなんて無意味なことなんてしませんけど。
・・・もしかしてマスター、魔人を近くで見たいなんて感じでコアルームから出ていった??いやいや、怖がりのマスターが異物に自分から近づくなんて無謀なことをしないとは思いますけど・・・・・・・使い魔でも作って、行かせてみますか。
そこらへんに飛んでいる瘴鳥を羽が痛まないように掴んで、監視用の魔術を組み込んで、異物のいるであろう階層に向けて放った。
・・・イオルのほうにも一応送っておきますか。
・・・・( ˘ω˘ )