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泥のダンジョンマスター  作者: ハル
198/255

186.


 夜が明けて、アル達4人と珍しく朝食の時間があったときに、アルからはまだガネルは帰ってこなかったということを伝えられた。


「・・・」


 少し視線を落としながら、帰ってこなかったということを残念に思う。

 ・・・まだ少し心配は残ってはいるが、ローラから昨日言われたとおりに、少し心配しすぎていた。

 もしもガネルが突然の事故や事件に巻き込まれた!?なんてことは・・・馬車の事故とか時々外から聞こえるけど、もしあったとしてもガネルなら、大丈夫だと謎の信頼感・・・それに人のいいガネルが事件に巻き込まれることも・・・あるかもしれないけど、普通に冒険者としての腕っぷしがあるから問題ない!

 ありもしない妄想の事件や事故を気にして心配するよりも、ただじっと待っていたほうが気は楽だし、帰ってきた時にめっちゃ疲れてた顔で心配してた!なんてこっちが逆に心配されそう。

 まぁ・・・仲良くなってきた子をいちいち心配していたら、きりがなくもない・・・友達と呼べる人少ないし・・・。

 それにこの世界にはメールや電話なんて遠距離で通信する手段なんて俺が見た限りでは見たことなんてないし・・・その人の安否をすぐに確認できるなんて、普通はありえないことで、みんなが1日ガネルの姿を見ないことなんて、ここでは当たり前のことで心配なんてしないのも仕方のないことなんだ。


 本当にネットとか便利な時代だったんだなと・・・あるところから、ないところに来ると実感する。




事態は今日の昼食時に動き出す。


 今日の昼食は朝食と同じく4人と俺全員が揃って、宿屋の1階にある酒場で昼飯を注文した。

 なんだかんだでみんなガネルのことを心配で待っているのか!!とは思わずに、みんな今日は珍しく暇なんだな・・・と思っていた。

 そうして、宿屋に駆け込んでくる1人の影。

 それはギルドでよく見かける受付嬢の1人だった。


「はぁ・・・えっと、いました!アルさんたちちょっと話があります!ちょうどパーティメンバーのみなさんもいるんですね、ちょうどよかったです」


 そう辺りを見渡した後に俺とアルが一緒に昼飯食べているテーブルを指さし、アルたちのほうに話しかけてきた。


「ちょっとよろしいですか?」


 その真剣な有無を言わせぬ表情で受付嬢はアルたちにそう問いかけた。


「・・・わるい」


 その表情から何かを感じたのか、それとも受付嬢の気迫に押されただけなのか。

 一緒に食べている俺に断りを入れてから、受付嬢がアルたちを連れてどこかへと行った。


 そうして、昼飯を残して、行く4人。

 ・・・勿体ないな。とそんなことを想い、アルたちはどんな食べ物でもほぼ必ず完食する習慣?みたいなのがあることが頭の中に浮かんだ。

 そういう習慣があるのは食料が豊富に余っていない証で、食材を命の糧として大切に食べている証拠なのだろう。

 そんな切羽詰まったことなのかな・・・?と思い、あれ?・・・ん?・・・・あ・・・あいつら食事代を置いて出ていってないことを思い出す。

 そうして、繁盛時なので、すぐにウェイトレスのおばちゃんがそのアルたちの食器を下げにきて、誰もいない席4つと、食いかけの4つの料理の皿を見る。

 そして、1人いる俺をじっと見つめて、食い逃げするんじゃないだろうね?という冷たい目線で見られているような気さえする。


 実際は地元民はギルドの制服などは馴染み深いものですぐにギルドの人が何かのようで客を呼びに来たのということはわかった。

 それで出ていったなら、仕方ない。

 別に後払いでもいいとは宿屋の従業員などは思ってはいるのだが、俺はそんなことは知らない。




 ちょっと軽い財布になりながら、4人が受付嬢がいったであろうギルドに歩を進める。

 急いで食事を胃に入れて体がちょっと重く、精神的にも泣く泣く5食分のご飯代を置いてきて、ダメージを受けているが・・・何かあったことだけは肌で感じ取っているので急いで向かう。


 そうして、いつも通りににぎやかなギルドに来るのだが・・・あいつらどこにいるんだろう?酒場には・・・いない。

 なら・・・2階か・・・。

 普通ならこんな2階に上がることなんて疑問に思われるのだが、資料室の常連でもある俺が2階にあがっても、誰も何も言われない。

 そうして、いつもの資料室とは別の部屋に聞き耳を立てているとある一室から声が聞こえた。




「最近みなさんトラブルメイカーズが問題を起こしていないと思ったら、また・・・ですか」


 そんな怒っているような、それに呆れているかのような声で受付嬢は4人?を怒るが・・・


「何のことだよ?」「え?なに?あんたたち何かしたの?」「・・・なんのこと?」「・・・?」


 ここ最近は長い遠征であったせいで、ほぼほぼ休みで何かしら・・・酒場の喧嘩以外は自分は何もしてない。

 まして、受付嬢に直接泊まっている宿屋に突撃されるようなヤバいようなことなど、ここにいないガネル合わせて5人ともするなんてことはしないはずだ。


「・・・皆さん何も知らないんですか?」


 その様子に受付嬢は4人にそう聞き返す。


「「「「えぇ(あぁ)」」」」


 その4人の様子を真剣な眼差しで見て、受付嬢は何も知らなさそうだと判断して、話をする。


「・・・・嘘は言ってなさそうですね・・・昨日ガネルさんが厳重警戒態勢のダンジョン警備の中、救助兼魔人の偵察、およびできる場合のみ討伐作戦のダンジョン前でガネルさんがそのパーティに同行させるように求めたんですよ」

 区切りのいい終わり方ができない・・・というか、よくわからない。

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