表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泥のダンジョンマスター  作者: ハル
192/255

180.


「こちらがEランクの証明証となります」


 あれから、1週間、真面目にギルドからの依頼を受けた。


 その結果がこの手の中に鈍く光り輝いているように見える鉄の板だ!!!


 こつこつと薬草9:肉体労働1で依頼を達成してもらえた・・・最後のは最低一つだけでも対人系の依頼を受けて下さいと受付嬢のヘレネさんから言われたから受けたのだ・・・。


 久しぶりの肉体労働はきつかった・・・その時はなんだろうね、頑張れば、早く終わるであろうに荷運びをしに行ったんだよ。人との接触も、長時間の草との格闘も・・・薬草相手に良くやってきて、飽きていたんだと思う。


『あっ、ちょっと待って・・・』




 その受付嬢の言葉を聞かずに意気揚々と聞いた場所へと旅立った俺。


 ・・・少し迷ったけど、目立つ看板を見つけて、それを読んでみたら、そこが以来の場所だということがすぐにわかった。


 紹介されて、朝一番に行った店と荷車の距離、少し。


 その荷車の荷物を店の奥の扉から中に入れる作業だったんだよ。


 その時はな~んだ、楽な仕事だ。と思っていた。


 腰に力を入れ、その荷物を持つ・・・・持ち上げ、んん!!あれ??・・・ふんぬぅぅぅ!!!はぁ、はぁ、はぁ~~~これは、うん接着剤とかで馬車の台に固定されているんじゃないかってぐらいに持ち上がらなかった。


『ん?なんだ、おめぇ・・・ひょろいが、ん!あぁ・・・そうか、ギルドに依頼しとったわい・・・まだ数来とらんし、無理そうだな、おめぇまだここで待っとけ』


 とそんなずんぐりとしたおっさんに、荷車から離されながら影のほうで休んでいていいぞと言われた。


 ひげが生えている、これが間近で見るドワーフなのか!?と・・・・いや、それよりも軽々とあの荷物を運んでいる姿がまず信じられなくて、そんな喜びというよりも、驚きで二度見したね。


 そのあとは追加でギルドから応援がきた、俺よりも体格的に優れていて、筋肉的だった・・・この依頼は2~4人推奨のものだったらしい・・・うん、そりゃ当然重いよね、普通だよね、HAHAHA・・・これを1人で運ぼうというやつなんていないよな!・・・うん、いるわけないよね。


 でも、知らない人と近距離で同じ荷物を運ぶ。無言でせっせと運ぶ。・・・つらいです。


 そして、追加が来る


 私絶望。2人普通。


 ・・・その店の婦人っぽい人からの差し入れのお昼ご飯は美味しかったです。


 荷運びが終わる。


 無言でギルドへ一緒の道を歩きながら帰る3人。


 そこに依頼を一緒にやった達成感なんてものはない、それは彼らにとってはただの依頼であり、冒険者にとってのただの日常であるからだ。


 一緒の道を歩くのは、ただそこが一番ギルドへと続く慣れ親しんだ道だからだ。


 その3つの背中に冒険者という接点以外に彼らをつなげるものなどありはしない。




「お疲れさまでした、これが今回の報酬になります」


 いつも慎重にやっている薬草よりも3倍近く高い!?・・・人数的に3分の1なのに!?


 ・・・・でも、あの重さで、あの数を・・・知らない人と顔を合わせながらという精神的な苦痛も込みだと、気楽に・・・魔物を警戒しながら、外で薬草採取のほうがいい。


 そんなことを考えながら、貰った報酬の重さの嬉しさとは裏腹に、今回の疲労から、とぼとぼと泊まっている宿屋に帰る。


 宿につけば、決まって頼む・・・ちょっと高い定食、いや、まぁ、うん・・・懐に今回は余裕ができたことだし、ちょっとだけ日ごろの自分へのお祝いと称して少しいいものを食べてもいいじゃないか。


 あったかくて美味しいごはん、まずい酒・・・を一飲みして、生活魔法で水を入れる。


 疲れて、そのまま・・・ぐっすり就寝。


 起きたら、腰が・・・・逝っていた。2日ほどのんびりとベットで過ごして、また懐が寂しくなって、新たな依頼を探しにギルドへと行くのであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ